2024年5月10日18時10分にYAHOOニュース(読売新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
地震で倒壊したがれきの下から救出された人が、当初は元気で会話していたのに容体が急変して亡くなることがあります。
筋肉が長時間圧迫されて毒素ができ、救出された際に毒素が体内を巡ることで起きる「クラッシュ症候群」(CS)です。
【圧迫が取れると…】
事故や地震で柱や家具などの重い物に手足などが長時間挟まれ、筋肉が圧迫されると、筋肉細胞が損傷を受け、ミオグロビンと呼ばれるたんぱく質や乳酸、カリウムなどがたまります。
これらは高濃度になると毒になります。
そして、救出の際に圧迫が取れると、たまった毒素が一気に体中に回り、腎臓や心臓にダメージを与えます。
第2次世界大戦中のロンドン大空襲でこの患者の事例が報告され、本格的な医学研究が始まりました。
日本では1995年の阪神大震災で372人のCS患者が出て、その後、50人が亡くなりました。
救出直後は意識があって会話もできたため、軽症と診断され、病院で医師らがほかの重症患者を診ているうちに急に亡くなった事例もありました。
当時、国内ではCSがあまり知られておらず、震災後、「防ぎ得た死」として対策の必要性が認識されました。
【訓練、能登で実践】
3月13日、兵庫県三木市で国際緊急援助隊の訓練が行われました。
海外で大規模災害が起きた際に政府から派遣されるチームです。
その中で、CS患者の救助も行われました。
倒壊した建物の中で女性が下半身を挟まれたという設定です。
がれきをくぐって女性の元にたどり着いた隊員は、
▽どれくらいの時間挟まれていたのか
▽挟まれた下半身の感覚はあるのか
などを聞き取り、「もう少しで助けが来ますよ」と励まし続けました。
そして、毒素を薄めるための点滴2リットルや腎不全を防ぐ薬などを投与してから、がれきを持ち上げて女性を外に運び出し、待機していた救急車で医療機関に搬送しました。
訓練に参加したNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(広島県)の医師・稲葉さんは、能登半島地震で実際にCSに対応しました。
1月6日夜、石川県 珠洲(すず)市の住宅倒壊現場で90歳代の女性が124時間ぶりに救出された際、CSを防ぐために3回の点滴を行いました。
稲葉さんは「何度も国際緊急援助隊の訓練に参加した経験がとても役に立った」と話します。
この病気に詳しい日本医科大多摩永山病院(東京都)助教の阪本さんは、「いつ大規模な災害が起きるかわかりません。医療関係者だけでなく、消防、警察、自衛隊の関係者、そして一般市民にもっとCSについて知ってもらいたいです」と指摘します。
実際に災害が起きて、人が手足などをがれきに挟まれた現場に居合わせたら、私たちには何ができるでしょうか。
自分の身の安全を確保することを前提に、
▽すぐに救助を呼ぶ
▽不用意にがれきを撤去しない
▽のどの渇きを訴える場合は水を飲ませる
▽到着した救急隊に患者の状況を伝える
などの対応が助けになります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/eda390a71787ca17f992e6eaed776c651bd5c1cc
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。