2016年12月5日16時54分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ダウンジャケットのフードに付いているゴムひもの先端の留め具が左目に当たり、白内障になったとして、東京都の男性が製造元のメーカーに約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、2日、東京地裁であった。
沢野裁判長は、「留め具が直撃したのは、製品の構造上の欠陥が原因だ」として、メーカーに約4000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
訴えられたのは、ファーストリテイリングの子会社で、「セオリー」などのブランドを展開する「リンク・セオリー・ジャパン」(山口市)。
判決によると、男性は2010年末ごろにダウンジャケットを購入。
12年1月、男性が携帯電話を右ポケットから取り出す際に、ゴムひもが携帯電話か右腕に引っかかり、外れたはずみで留め具が左目に当たった。
男性は外傷性白内障になり、視力が低下した。
判決は、「ゴムひもが長く、着用者が意図せず顔や目を負傷するおそれがある」と、構造上の欠陥を認定。
男性が製品を購入する約2年前に、ジャケットのゴムひもの留め具が目を直撃する危険性を警告する論文が出ていたことなどから、「メーカーは安全性を欠いていると認識できた」と、賠償責任を認めた。
その上で、男性が一方のゴムひもを伸ばした状態で着ていた不注意があったとして、約6000万円とした損害額から4割減額。弁護士費用を加算して、約4000万円の支払いを命じた。
判決を受け、ファーストリテイリングは、「判決内容を精査し、適切に対応致します」とコメントした。
出典
『ダウンの留め具で目を負傷、ファストリ子会社に賠償命令』
http://www.asahi.com/articles/ASJD54QRGJD5UTIL01Q.html
12月5日21時40分に読売新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
判決によると、男性は2012年1月、同社が製造・販売したダウンジャケットを着用中に右腕を下に伸ばしたところ、フードのゴムひもがどこかに引っかかって引っ張られた後に外れ、反動で留め具が左目を直撃。外傷性白内障になった。
判決は、「ゴムひもを短くしたり、留め具の使用をやめたりすれば、容易に防止できた」として、ダウンジャケットの構造上の欠陥を認定した。
出典
『フードのひも留め具で目を負傷、4千万賠償命令』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20161205-OYT1T50093.html
(ブログ者コメント)
1週間ほど前、防滑に取り組む企業が出てきているという情報を紹介したが、それと軌を一にする情報。
ひと昔前であれば客の不注意として片づけられていたであろう事案が損害賠償対象になる・・・そんな時代になったようだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。