2016年8月25日14時34分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
強化ガラス製の鍋ぶたが調理中などに突然破損し、やけどを負うなどの事例が相次いでいるとして、兵庫県生活科学総合センターが注意を呼びかけている。
県内の消費生活相談窓口には、平成26年4月~今年5月の約2年間で8件の相談があり、うち6件が調理中だったという。
同センターによると、鍋ぶたに使用される強化ガラスは、衝撃に対する強度は高められているが、耐熱ガラスに比べると、温度変化に弱いという。
破損すれば、ガラスが細かな破片となって飛散する恐れもある。
相談窓口には、
▽ガスコンロで調理中、鍋から少しずれていたふたが「ボン」という音とともに粉々にひび割れた
▽夜間、自然乾燥させていたふたが翌朝見るとひび割れ、ガラスが周辺に飛び散っていた
などの報告が寄せられた。
なかには、調理中の破損により、使用者がやけどを負ったケースもあったという。
相談が相次いだことを受け、同センターが6~7月、複数の製品を使った破損の再現テストを実施。
深さ約8cmの両手鍋で、ふたを約3cmずらしてガスコンロで10分間加熱したところ、ふたのガラス部の温度が約300℃に上昇し、加熱後すぐに水につけるとガラスが破損した製品があった。
IH(電磁誘導加熱)クッキングヒーターでのテストでも、加熱中の鍋の横にふたを約1cm離しておき、加熱後すぐに水につけると、ひび割れが生じることがあったという。
同センターは、
▽研磨剤入りの洗剤の使用などガラスに傷がつく行為は避ける
▽ガスコンロで調理する際、ふたをずらした状態にしない
▽IHクッキングヒーターでは、天板にふたを置かない
▽調理後、すぐにふたを水につけない
などとアドバイスしている。
出典
『強化ガラス製鍋ぶた 突然の破損に注意…兵庫県生活科学総合センター』
http://www.sankei.com/west/news/160825/wst1608250050-n1.html
(ブログ者コメント)
本件、以前からさまざまな機関などによって情報提供されている。
以下は、その一例。
『強化ガラス製食器の破損事故 -強化ガラスの種類によっては破損時に激しく破片が飛ぶことも-』
(2009年7月22日 国民生活センター)
両手鍋付属の鍋ぶた(全面物理強化)が破裂して破片で手にケガをする事故情報が寄せられた。
また、強化ガラス製(全面物理強化)とは知らずに使っていた皿による破裂事故もある。
強化ガラスは、落下衝撃などに弱いガラスの強度的な欠点を補い、安全性を向上させるために開発された。
現在4つのタイプがあり、その中で「全面物理強化」「全面積層強化」(以下「全面物理・積層タイプ」という)は、割れ方が一般的なガラスや他の強化ガラスと違い、破片が鋭利なかけらまたは細片となって激しく飛散するという特性がある。
当センターを含め、過去にも注意喚起を行っているが、消費者に強化ガラスの特性や取扱いの注意事項が十分に伝わっていないなどが考えられたため、全面物理・積層タイプの強化ガラス製食器について、消費者に注意喚起するとともに、関係機関に要望・情報提供することとした。
PIO-NETに寄せられている強化ガラス製の食器に係る危害・危険情報は、過去10年間で111件である。
内訳は、危害20件、危険91件で、危害程度1ヵ月以上が1件ある。
事故が発生した食器の種類別では、鍋やフライパンなどのふたが54件と最も多く、次いでコップやグラス、皿などの食器の42件などとなっている。
※ブログ者注)
以下、問題点、事業者や行政への要望、消費者へのアドバイスが掲載されている。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20090722_2.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。