2019年12月16日20時7分にNHK岩手から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし10月の台風19号で、一関市の磐井川の支流で発生した住宅の浸水被害は、操作員が水門のゲートを開けなかったうえ、国も水位の確認を怠るなど、人為的なミスが重なったことが原因だったことがわかりました。
国は住民に謝罪するとともに、今後、賠償も行う方針です。
ことし10月の台風19号で、一関市の中央町と五代町では、磐井川の支流の銅谷川沿いの住宅22棟が浸水する被害があり、国土交通省が調査を進めていました。
銅谷川から磐井川に流れ込む場所には水門が設置され、ふだんは開いていますが、国土交通省によりますと、台風19号では磐井川の水位が上昇し、銅谷川への逆流が確認されたことから、水門のゲートはいったん閉められたということです。
しかし、磐井川の水位がすぐに下がったものの、水門のゲートが4時間近く開けられなかったため、銅谷川は水位が上昇し続け、水があふれ出したということです。
これについて国土交通省は、水門の操作員が、磐井川の水位の低下を確認していたものの、ゲートを開ける判断や国の事務所への報告をしなかったほか、国も、操作員からの報告がないことへの確認を怠るなど、ミスが重なったためだとしています。
国土交通省は被害を受けた住民に謝罪していて、今後、賠償に向けた対応を進めることにしています。
【浸水被害の出た現場は】
浸水被害の出た現場は、支流の銅谷川が磐井川に流れ込んでいる場所で、この間には水門があり、ふだんは開いています。
水門は、国の操作規則では、大雨などで磐井川の水位が大きく上昇し銅谷川への逆流が確認された場合、川幅の狭い銅谷川があふれる危険が高まることからゲートを閉めると定められています。
今回の台風19号でも、10月13日の午前1時45分に逆流が確認されたことから、ゲートが閉められました。
ところが15分後には、磐井川の水位は銅谷川の水位を下回りました。
国は、このタイミングでゲートを開けるべきだったとしていますが、ゲートの開閉を委託している操作員やポンプ車で排水作業にあたっていた業者は、当時、その報告を怠り、国の事務所も確認していませんでした。
このため銅谷川があふれ、明け方になって堤防の状況を確認しに来た別の業者から水位の報告を受けるまで、4時間にわたってゲートは閉められたままだったということです。
国土交通省は、「必要な情報を関係者の間で共有できなかった」として、操作や連絡体制の見直しなど、今後、再発防止策を講じることにしています。
【”住民の方に深くお詫び”】
一連の対応について、国土交通省岩手河川国道事務所の堀井副所長は、「被害にあわれた住民の方に深くお詫び申し上げます。すでに操作規則や連絡体制について、関係者に周知を図りましたが、水位を事務所からでも確認できるようにするなど、再発防止を徹底します」と話していました。
【国への怒り・再発防止の徹底求める声】
被害を受けた住民からは、国への怒りや再発防止の徹底を求める声が相次いでいます。
自宅が床上浸水した1人暮らしの79歳の女性は、家具や畳が水に浸かって住めなくなったことから、近くの空き家を借りて移り住み、家具や洋服、ふとんなどを知人からもらって何とか生活しているということです。
女性は、「このようなことが二度と起こらないよう、対策を徹底してもらいたい」と話していました。
また、自宅が床上浸水した72歳の男性は、「今回のは天災ではなく、明確に人災だ。立派な堤防と水門を整備したのに、このような運用では困る。反省してもらいたい」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20191216/6040006147.html
12月12日付で河北新報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
岩手河川国道事務所によると、台風19号が接近した10月13日午前1時45分ごろ、磐井川から銅谷川へ逆流するのを防ぐため、合流部の水門をいったん閉鎖。
午前5時55分ごろ、再び開門する間に銅谷川から住宅地へ越水が発生した。
水門は国の管理で、当日も操作を委託している地元住民に開閉を指示していた。
岩手河川国道事務所は、「磐井川と銅谷川の水位情報を関係者間で共有できず、開門操作が遅れた」と結論付けた。
銅谷川周辺の住宅被害は床上浸水が15棟、床下浸水が7棟だった。
詳細な調査を進め、被災世帯に補償する方針。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201912/20191212_33028.html
(ブログ者コメント)
以下は、NHK映像の6コマ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。