2013年5月30日20時50分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が状況図付きでネット配信されていた。また同日19時3分にNHK長崎から、5月31日付の朝日新聞長崎版(聞蔵)と6月1日付の朝日新聞西部版(聞蔵)からも、同主旨の記事がネット配信されていた。
30日午前9時15分ごろ、佐世保市干尽町の水産会社「S丸」の佐世保営業所で、男性社員3人が作業所にある地下の汚水槽で倒れた。
病院に運ばれたがWさん(42)が死亡し、Eさん(59)とUさん(46)は意識不明の重体。
救助した際、汚水槽の中心付近で12~13ppmの硫化水素が検出されたこと、また死亡したWさんの遺体を司法解剖した結果、死因が硫化水素中毒とみられることから、警察は3人が汚水槽内で発生した硫化水素を吸ったとみて調べている。
警察などによると、S丸は魚製品の加工業者。同営業所では魚の選別や出荷をしており、加工する過程でうろこなどの廃棄物が選別され、地下の汚水槽(深さ約1.7m)にたまる。
時々、除去しないといけないが、加工作業が休みの日にしていた。
50cm×80cmの四角い入り口から金属のふたを開けて汚水槽に入る仕組み。
この日は加工作業はなく、Uさんが汚水槽の中で廃棄物を取り出す作業をしていたところ、具合が悪くなった。
地上にいたWさんと異変に気づいて駆けつけたEさんが助け出そうと中に入り、次々と倒れたという。
こうした事故を防止するため、労安法酸欠則では、魚などの腐敗しやすいものや汚水などが入ったタンクや立て坑での作業の際は
□作業を始める前に空気中の硫化水素や酸素の濃度を測定する
□硫化水素濃度が10ppmを上回る場合は、換気を行う
□それでも下がらない場合は作業員に防毒マスクを着用させる
ことなどを義務づけている。
しかし、当時の濃度はこの基準を上回っていたが、汚水槽に換気口はなく、3人は発見時、防毒マスクをつけていなかった。
佐世保労基署では、今回、事故のあった水産加工会社が、この規則の対象となる事業者か確認できていないとしているが、今後、現場の責任者から話を聞いて作業の安全管理に問題がなかったか調べることにしている。
現場はJR佐世保駅の南1.5km。佐世保港に面し、周囲に倉庫や工場、造船会社などがある。
出典URL
http://www.asahi.com/national/update/0530/SEB201305300001.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5034959041.html?t=1369950584328
また2013年5月31日11時18分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
この水産会社営業所の男性工場長(64)が31日朝、営業所近くにある別の会社の敷地内で首をつって死亡しているのが発見された。
警察は自殺とみて調べている。
30日の事故を受け、警察は同日昼から午後10時頃まで署内で工場長から事情を聞き、その後、署員が市内の自宅に送り届けていた。遺書の有無などについては捜査中としている。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130531-OYT1T00529.htm
(ブログ者コメント)
この工場長、また神鉄バスの社長と、事故関係者の自死が続いてしまった。 合掌・・・。
(2013年6月8日 修正1 ;追記)
2013年6月4日付で朝日新聞長崎版(聞蔵)から、重体だった2人の意識が戻ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
重体となっていた2人が入院していた病院によると、2人は現在も集中治療室で治療を受けているが、受け答えができるようになり、快方に向かっているという。
病院は、硫化水素中毒と低酸素脳症と診断している。
(2013年11月27日 修正2 ;追記)
2013年11月26日21時6分に毎日新聞から、自殺した工場長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
長崎県警佐世保署は26日、事故後に自殺した工場長(当時64歳)を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
送検容疑は、5月30日、魚の廃棄物が入った地下タンクの清掃の際、換気などの安全管理を怠って硫化水素中毒で従業員3人を死傷させたとしている。
うち1人が死亡、2人が意識不明の重体となったが、回復した。
また、佐世保労基署は同日、清掃作業前に酸素と硫化水素の濃度測定を怠ったとして、同社と工場長を労安法違反容疑で書類送検した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20131127k0000m040080000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。