







2018年12月12日8時0分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都府綾部市で今年9月、台風24号のため中学校に避難していた女性が夜間に屋外の溝で転倒し、脚の骨を折る重傷を負っていたことが分かった。
当時、中学校は指定避難所として市が管理していたが、現場付近の照明を点灯していなかった。
市は、安全確保に不備があったとして女性に謝罪するとともに、治療費も負担するとしている。
市などによると、9月30日午後8時ごろ、綾部中(同市宮代町)の体育館に避難していた60代の女性が、グラウンド端の屋外トイレに行く途中、排水溝(幅約40cm、深さ約50cm)に転倒。
雨の中、溝から動けず倒れていたところを、心配した別の避難者が発見した。
女性は右脚を骨折し、現在もリハビリ中という。
女性は暗闇の中で誤って転倒したとみられ、排水溝の近くには照明が設置されていたが、点灯していなかった。
市では、避難所の照明に関する規定を定めておらず、学校など各避難所の管理者と現場の市職員が判断して運用している。
市は、来年の出水期前に開く避難所担当職員向けの会合で、安全管理の徹底を図る方針で、「再発防止に努める」としている。
事故を公表していなかったことについて、市総務防災室は、「台風による負傷ではない、施設内の事故の上、骨折と把握するのにも時間がかかった」としている。
出典
『避難所で女性転倒し脚骨折の重傷 台風24号、照明点灯なく』
https://this.kiji.is/445360569467683937?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
避難所に指定されてはいるが、実際に避難所として使われることは滅多にない学校の体育館。
それゆえ、今回のようなケースは、よほどの危険予知、あるいは避難者からの苦情要望などがない限り、運用規定に盛り込むことは難しいのではないだろうか?
管理者が夜間に屋外を巡回していれば、気が付いたかもしれないが・・・。
(2019年11月27日 修正1 ;追記)
2019年11月26日22時41分に京都新聞から、市は運営上の不備を認め賠償金を支払うなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都府綾部市の避難所で女性が転倒し、右脚を折る重傷を負った昨年9月の事故で、市は26日、照明の未点灯など運営上の不備を認め、賠償金248万円を支払うことで女性と示談する、と発表した。
12月3日開会の市議会定例会に議案を提案する。
事故は昨年9月30日夜の台風24号接近時、綾部市が避難所に指定していた綾部中(同市宮代町)体育館に避難した女性=当時(66)=が、グラウンド端の屋外トイレに行く途中、排水溝(幅約40センチ、深さ約50センチ)内に転倒。
右脚を骨折した。
市は事故後、排水溝付近の照明が点灯しておらず周囲が暗かった点、より安全な校舎のトイレが施錠されていて使えなかった点など運営上の不備を認め、再発防止策を取っていた。
https://this.kiji.is/572026955062887521?c=39546741839462401
2018年12月12日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
イノシシやサル、カラス、ムクドリなどの鳥獣被害に悩む農家の助けになろうと、安城市桜町の稲徳煙火製造所と静岡市葵区の鳥獣威嚇装置製造業クラフト・ユーコンが協力し、撃退装置「雷神システム」を開発した。
操作が煩雑な電子装置は使わず、高齢者でも扱いやすい仕組みが特徴だ。
雷神システムは、雷のような音を発生させて鳥獣を追い払う。
音を出すために爆竹を用い、半径約200mで効果がある「怒缶(どかん)」と、ロケット花火を使って300m先まで音を響かせる「種子島」の2種類がある。
種子島は、ステンレス球の下部に、40発のロケット花火をセットする台を取り付けた。
火種の蚊取り線香をタイマー代わりに利用。
線香に着火しておくと、燃え終わる数時間後に花火の1発目が発射。
花火同士は綿製ロープでつながれており、火が15~20分かけてロープを燃え進むと、次の花火が飛ぶ仕組み。
40発が発射し終わるまで、計13時間ほど。
球の中を花火が「ピーッ」と不規則な音を出して飛び回る。
怒缶も、発火が進む仕組みは同じだが、爆竹が爆発する「パン、パン」という音だけで追い払う。
装置全体を6~8mのステンレス棒の上に固定して使う。
これまでに装置を試した農家10軒からは、「食害が減った」「サルやイノシシが来なくなった」と、効果を評価する声が寄せられている。
雷神システム開発は、ユーコンの津村代表(68)が20年前、鳥獣が嫌う電子音を使って追い払う機器について相談を持ちかけられたのがきっかけとなった。
当時は、電子音の発生機器を製作。
高齢者には操作が難しく、鳥獣が電子音に慣れてしまうと撃退効果が薄れる難点があった。
3年前、国内で唯一、ロケット花火を製造する稲徳煙火の専務稲垣さん(53)と知り合った。
稲垣さんは、花火を使った鳥獣害対策に取り組んでいたが、鳥獣被害が多い夜間にわざわざ花火に点火しに行く手間が必要となる悩みがあった。
そこで、両者が協力して開発を始め、取り扱いが簡単で人手もかからない雷神システムを考えた。
撃退装置の価格は6万円程度、専用カートリッジは20回分で1万5000円前後で、発売は15日ごろからを予定している。
(問)稲徳煙火製造所=0566(76)2770
出典
『鳥獣撃退「雷神システム」開発 安城と静岡の企業』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20181212/CK2018121202000053.html
(ブログ者コメント)
鳥獣威嚇装置については、以前、スーパーモンスターウルフを紹介したが、その関連情報として紹介する。
2018年9月19日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8820/
(2018年12月18日 修正2 ;追記)
2018年12月12日2時0分に毎日新聞から、検証委員会が浸水の主な原因などを発表したという下記趣旨の記事が、写真や図解付きでネット配信されていた。
9月の台風21号で関西国際空港の滑走路などが冠水した状況や原因を探るため、空港運営会社「関西エアポート」が設置した検証委員会は11日、記録的な暴風による5m以上の高波が護岸を越えたのが浸水の主な原因だったと発表した。
台風が最接近した午後1時半ごろから2時間程度で、空港島内への流入は東京ドーム2杯分以上の最大270m3に及び、9割が護岸を波が越えたためと推計した。
9月4日に来襲した台風21号で、2本あるうちの1期島のA滑走路が冠水。
ターミナルビルの地下にも浸水して、一時、空港機能がマヒした。
検証委は、同社と空港施設を保有する「新関西国際空港会社」が設置。
海洋や防災の専門家らと、気象や海洋のデータを基に分析した。
気象庁の観測で、関空では史上1位の最大瞬間風速58.1mを記録。
高潮で上昇した潮位は、過去最大規模に及ばなかったが、高波は関空沖で過去最大の5.2m(推計)に達した。
護岸(高さ4~7m)付近では、さらに高い波が繰り返し押し寄せ、1期島の東側と南側の護岸を越えたとみられる。
水深は、最も深いところで、国際貨物エリアの約1.2m。
護岸東側の一部の決壊や、雨水排水管2カ所の逆流による浸水も、計1割程度あった。
海上空港の関空は地盤沈下が続くが、航空機の安全運航のため、護岸の高さ制限があり、東側の護岸(高さ約4m)は十分なかさ上げができていなかったことも分かった。
関西エアは、規制が緩和される来年4月以降、1.4mを限度に、護岸を高くする工事を予定。
完成すれば、浸水量の3割を防げたという。
委員長の京都大防災研究所、平石哲也教授(海岸工学)は、「高波が護岸を越えてきたことは想定以上だった。地下の重要設備の止水板を強化することや地上化が、対策として考えられる」と話した。
関西エアポートは、浸水した配電施設の地上化など空港施設の強化や、緊急時の旅客への対応を見直しており、13日には、今後取り組む災害対策を公表する。
出典
『東京ドーム2杯分超す水が流入 関空検証委が浸水原因を公表』
https://mainichi.jp/articles/20181211/k00/00m/040/249000c
12月11日17時55分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
最終報告によると、関西空港では、台風21号の接近で潮位が最高で2m48cmに達していたことに加え、沖合で5mを超える、過去に観測されたことのない非常に大きな高波が発生したことで、波が4m~6mの護岸を越えたとしている。
第三者委員会の委員長で、京都大学防災研究所の平石哲也教授は、「何年に1度とは言えないが、今までにないような非常に大きな波だったと言える。様々な工法を検討して今後の対策を進める必要がある」と話していた。
出典
『関空浸水で第三者委が最終報告』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181211/0010594.html
12月11日23時3分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1期島東側の護岸の一部が地盤沈下の影響で想定より低くなっていたため、浸水量が3割程度(70万~80万m3)増えたとみられるという。
会社側は、「来年度からかさ上げを計画していたが、結果として間に合わなかった」と釈明した。
1期島の護岸は、東側で4m、南側で6mの高さがある。
ともに「50年に1度の高波」に耐える想定だが、波が島の手前で変形して高まるなどし、大量の海水が護岸を越えて流れ込んだ。
想定より低くなっていた東側の護岸は第1滑走路の脇で、航空機の離着陸に支障がないよう、国際機関が定めた高さ規制がある。
会社側によると、2004~05年に護岸をかさ上げしたが、この規制を守るため、将来の地盤沈下分を見越した護岸の高さを確保できなかった。
国際機関の基準改正に合わせ、来年度からかさ上げを始める予定だったという。
出典
『関空の浸水、京セラドーム2杯分 台風21号の被害検証』
https://www.asahi.com/articles/ASLDC4STLLDCPPTB00F.html
12月13日22時11分に毎日新聞からは、具体的な災害対策が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西国際空港を運営する「関西エアポート」は13日、9月の台風21号による空港の一時閉鎖を受け、見直していた災害対策を公表した。
護岸・防潮壁のかさ上げや電気設備の地上化、利用者への多言語対応などを盛り込んだ。
同規模の災害に対しても、発生後24時間での運用再開を目指し、今年度末までに、緊急時の対策となる事業継続計画(BCP)も新たに策定する。
空港施設を保有する新関西国際空港会社とともに、約540億円をかけて実施する。
東側の護岸は、地盤沈下の影響で高さ約4mと、国の基準の高さ4.5mを下回る状態が続いていたが、工事が可能になり、5m程度にする。
消波ブロックも増設。
浸水しても24時間で復旧できるよう、排水ポンプを強化し、大型ポンプ車も導入する。
地下に浸水し、機能停止した第1ターミナル(T1)地下の電気設備の地上化は、2020年度内を目指す。
T1の4階など、地上階に分散・移設する計画だ。
移設までの間は、地下へつながる通路に止水板を設置し、台風時期に備える。
これまでは、地震・津波に対する避難計画しかなかったが、事故や災害で連絡橋が損傷したり、停電したりするケースなどを想定し、事前に対応と復旧の具体的な計画を策定。
計画は航空会社や関空内の店舗とも共有し、訓練や緊急時の利用客対応にも協力を求める。
台風21号で問題になった関係機関との連携や、空港民営化で複雑になっていた意思決定方法も見直した。
緊急時は、航空会社や国、地域の自治体など25の機関でつくる総合対策本部を関西エアポートの災害対策本部に併設して、即時に情報共有を図る。
対応の最終意思決定は、原則、関西エアポートの社長が行うが、南海トラフ巨大地震など深刻な災害時は、新関空会社と国が主導するとした。
山谷・関西エアポート社長は、「(取り残された)旅客ら8000人に大変な不便をかけたことを反省する。緊急対応と早期復旧を同時に進行し、再開までの24時間、ターミナルが安全な場であることを目指す」と述べた。
出典
『関空水没対策に540億円 発生後24時間での運用再開目指す』
https://mainichi.jp/articles/20181213/k00/00m/040/224000c
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
12月14日0時52分に産経新聞westからは、発表された災害対策に関する下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
関西国際空港が浸水した9月の台風21号被害を受け、運営会社の関西エアポートなどが13日に示した災害対策。
540億円規模を投じて、護岸のかさ上げ工事を行ったり、利用者に対する情報提供を強化したりするなど、ハード・ソフトの両面にわたる重厚なものとなった。
ただ、現場からは網羅的とも言える対策に実現性を疑問視する声も上がっており、専門家は「何を重視すべきか、優先順位を見極める必要がある」と指摘している。
【「全災害に適用」】
「今回の対策は、想定外の災害に対応でき、全ての災害に対して適用されるものだ」
13日の記者会見で、関西エアの山谷社長は、こう強調した。
会見で示された対策は多岐にわたる。
ハード面では、護岸をかさ上げし、その内側の防潮壁も高さを増して浸水防止を図るほか、ターミナル地下にある電気設備の地上化などを行う。
ソフト面では、利用者への情報提供のため、停電時でもバッテリー式で持ち運び可能な防災用スピーカーを配備したり、多言語の情報配信システムを立ち上げたりするなどして、職員が少ない場合でも対応できるようにする。
また、大阪(伊丹)、神戸両空港を含め一体運営する3空港で、非常時に人材や資機材を提供し合うシステムを構築する。
【台風被害を反省】
これまで、「50年に1度の高波」を想定した浸水対策が施されていた関空だが、台風21号では高波が護岸や防潮壁を越え、地下にあった電気設備が水につかって機能不全に陥り、ターミナルは情報不足でとまどう利用者らであふれた。
今回の対策は、そうした反省を踏まえてのもので、同社のエマヌエル・ムノント副社長は、「空港をより災害に強いものにする対策となった」と自信をのぞかせる。
【工事計画策定なく】
ただ、ある航空関係者は、「これだけの対策を、果たして本当に全て実現できるのか」と、疑問を呈する。
例えば、対策の大きな柱の一つである護岸のかさ上げは、2年以上がかかる予定だが、工事の具体的な計画はまだ策定されていない。
いつ訪れるか分からない災害に備え、当面の緊急措置として止水板の設置や大型ポンプ車の配備などが示されているが、どこまで実効性があるかは未知数だ。
近畿大建築学部の安藤尚一教授(減災学)は、今回の対策について、「課題全般を網羅し、ポイントを押さえている」と評価する一方、「全てを実行するには膨大な費用と時間がかかる。関係者間で訓練を行うなどして密に意思疎通を図り、何が本当に必要なものか優先順位を見極め、場合によっては対策を随時修正するなど柔軟性を持つ必要がある」と話している。
出典
『関空浸水対策、実効性は? 改題網羅、優先順位見極め不可欠』
https://www.sankei.com/west/news/181214/wst1812140005-n1.html
2018年12月13日12時23分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
12日夜10時すぎ、八戸市河原木の三菱製紙八戸工場の社員から、「ローラーと支柱の間に人が挟まれた」と消防に通報があった。
挟まれたのは、関連会社の従業員で市内に住む吉田さん(男性、26歳)で、ほかの従業員に助け出されて病院に運ばれたが、頭や胸を圧迫されていて、およそ1時間後に死亡した。
警察や会社によると、吉田さんは、紙のもととなる木の繊維をシート状にしたものを巻き取る、直径23cm・幅4m70cmの横長のローラーと、それと平行に取り付けられた支柱の間に挟まれたという。
また事故当時、吉田さんは、この設備に不具合が生じたため、点検作業をしていたという。
警察で、事故の状況とともに、工場の安全管理に問題がなかったか調べている。
出典
『製紙工場で点検作業中の男性死亡』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20181213/6080003321.html
12月13日12時30分に青森テレビからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察によると、吉田さんは三菱製紙工場の下請け会社の社員で、事故当時、同僚5人と紙になるパルプシートを機械で平らにする作業をしていたが、機械に不具合が起こったため、1人で点検していたという。
出典
『製紙工場で機械に挟まれて男性死亡』
http://www.atv.jp/news/?id=00005991
(2020年5月15日 修正1 ;追記)
2020年5月14日21時5分にNHK青森から、機械が動いたまま点検させたとして現場責任者らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし、八戸市の製紙工場で、20代の男性がローラーなどに挟まれて死亡した事故で、八戸労働基準監督署は、安全管理に問題があったとして、会社と当時の現場責任者を労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。
この事故は、おととし12月、八戸市の製紙工場で、ローラーなどの点検を行っていた八戸通運の20代の男性社員が、ローラーと近くにある鉄の棒の間に挟まれて死亡したものです。
八戸労働基準監督署によりますと、ローラーなどの機械の点検をする際は、停止させた状態で行わなければなりませんが、当時、ローラーは動いたままで、作業も1人で行われていたということです。
八戸労働基準監督署は、安全管理に問題があったとして、会社と当時の現場責任者を労働安全衛生法違反の疑いで14日、青森地方検察庁八戸支部に書類送検しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20200514/6080008512.html
(2020年6月9日 修正2 ;追記)
2020年6月9日付で労働新聞からは、抄紙機のローラーと吸水棒の間に胸部を挟まれたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
青森・八戸労働基準監督署は、危険防止措置を怠ったとして、運輸・製紙業のH通運㈱(青森県八戸市)と同社組長を、労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで、青森地検八戸支部に書類送検した。
労働者1人が機械のローラーに胸部を挟まれ、死亡する労働災害が起きている。
労災は平成30年12月12日、青森県八戸市の製紙工場内で発生した。
20代の男性労働者が紙を製造する抄紙機の不具合を確認するため、調整作業を行っていたところ、抄紙機のローラーと吸水棒の間に胸部を挟まれて死亡した。
調整作業は1人で行っていた。
機械の調整作業を行わせる場合、労働者に危険をおよぼす恐れのあるときは機械の運転を停止しなければならないにもかかわらず、同社はこれを怠った疑い。
https://www.rodo.co.jp/column/91174/
2018年10月5日に掲載した第7報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第8報修正8として掲載します。
第7報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8895/
(2018年12月17日 修正8 ;追記)
2018年12月11日23時36分に朝日新聞から、岡山駅で乗り込んできた保守担当者は専門の検査員ではなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新幹線のぞみの台車に亀裂が見つかった問題が起きてから、11日で1年がたった。
当時、JR西日本の乗務員らが異常に気づきながら走行を止めなかったことが問題視された。
その後、どんな再発防止対策がとられているのか。
「のぞみ34号で異臭がある」。
昨年12月11日午後2時半、JR西日本の東京の指令所から岡山の車両支所に、車両保守の担当者を乗車させるよう、手配があった。
約3km離れた岡山駅に3人が車で向かい、午後3時16分に乗車。
13号車の音が気になり、「床下を点検したい」と申し出た。
指令から「走行に支障があるのか」と問われると、「そこまではいかないと思う」と、トーンを落とした。
臭いや音、もやなど、計30の異変に車掌や保守担当らが気づきながら、停止して車両点検せず、新大阪でJR東海に運行を引き継ぎ、名古屋まで走り続けた。
その後、13号車の台車枠に破断寸前の亀裂が見つかり、国の運輸安全委員会に新幹線初の重大インシデントに認定された。
JR西によると、山陽新幹線の要衝である岡山駅には、1972年の開業当時から、走行中の検査が専門の「走行管理班」が常駐していた。
だが、車両故障の減少で、2000年ごろに班は廃止。
駅から離れた支所の車両検査の社員が「走行管理担当」を兼務し、出動要員として1人を配置した。
だが、のぞみの異変時には、その担当も別の新幹線の巡回で不在だった。
そのため、普段は作業計画を立てる「技術管理担当」が岡山駅から乗車。
JR西の関係者は、「走行中の検査は経験がものを言う。専門外で、停車して点検すると強く言えなかったのだろう」とおもんばかる。
【異変報告、大幅に増加】
平野副社長は11日の会見で、「新幹線の安全性への過度の信頼があった。(走行中の)動的な検査の視点を持っていなかった」と述べた。
車両部門の幹部は、走行管理班を廃止していたことについて、「新幹線に大きなトラブルが少なかったことで縮小していったのは否めない」と漏らす。
今年2月、JR西は岡山駅に走行管理班を再び常駐させた。
2人体制で、異常時に即応できるよう、1人が必ず待機するよう改めた。
例えば、4月13日昼、指令から走行管理班に連絡があった。
「のぞみ21号で異音。すぐに乗ってほしい」
岡山駅から乗り込むと、「ブーン」という、古い冷蔵庫が発するような妙な音と小刻みな振動を確認し、指令に「1回止めて確認させてください」と進言。
三原~東広島間のトンネル内で緊急停止して車両を確認した。
異常は見当たらず、40分後に運転を再開した。
走行管理班の男性社員(34)は、「定期巡回で正常な音を聞いて判断感覚を研ぎ澄まし、待機時は車両データを分析し、異変の予兆を確認している」と説明する。
12月からは、広島駅にも走行管理班が設置された。
また、亀裂が入った台車と同じ、枠の底面が設計基準より薄く削られた川崎重工製の台車101台の取り換えも、5日までに終えた。
JR西は、問題発生後、走行中の安全が確認できない場合は「迷わず列車を止める」と徹底。
指令所に車内の異変が報告された件数は、発生前の約8カ月間は約100件で、停止して点検したのは1件だったが、発生後は大幅に増えた。
6月にあった博多~小倉間の人身事故で、運転士が異音を指令に報告せず問題視されると、さらに増え、11月末までの約1年間で929件、45件で緊急停止して車両点検をした=グラフ。
うち、走行管理班による停止は7件、異常時の出動は84回だった。
走行中の車両検査は専門性が高く、JR西は人材育成を急ぐ。
走行管理班の技術継承のため、車両所の社員と2人1組で乗り込む体制にしている。
来島(きじま)社長は、「車両保守の最前線。多くの社員が経験を重ね、自分で異常を判断できるレベルにしたい」と話す。
◇
《台車亀裂問題の有識者会議委員の臼井伸之介・大阪大大学院教授(安全行動学)の話》
走行中の新幹線の安全を判断する上で、専門の走行管理班は不可欠。
この1年で体制や設備を整えてきた点は評価できる。
ただ、亀裂問題の当事者ではなかった運転士や駅員が、6月に博多~小倉間であった人身事故で適切に報告できず、社員全体への意識付けの不十分さを露呈した。
引き続き、安全が確認できない時は列車を停止して点検する一方で、実践的な訓練を重ねて、判断の精度を向上させることが必要だ。
1年前に得た教訓を風化させてはならない。
出典
『新幹線、走行管理班が復活 安全確保へ「迷わず止める」』
https://www.asahi.com/articles/ASLCP5S6KLCPPTIL01S.html
12月11日16時51分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年12月に新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が見つかった問題を受け、JR西日本が、15年以上前に業務整理の一環で廃止した山陽新幹線の検査専門部署を復活させ、再発防止に取り組んでいる。
亀裂発覚から11日で1年。
問題が起きるまでの安全対策について、専門家から「人的投資が不十分」と指摘され、検査部門を拡充した。
復活した部署は「走行管理班」と呼ばれ、旧国鉄時代に設けられたとみられる。
同社によると、2000年ごろには岡山駅に検査担当1~2人が常駐し、異音などの報告があれば列車に乗り込み原因を調べたり、日常的に乗り心地を検査したりしていた。
車両の性能が上がって故障への対応などの業務が減ったとして、遅くとも02年には廃止された。
その後、岡山駅近くの車両基地に検査担当は配置されていたものの、昨年12月に博多発東京行きの「のぞみ34号」で異音などが報告された際は1人しかおらず、別の列車の冷暖房機器を調べていた。
このため、車両基地にいた教育訓練の計画を策定する内勤の社員ら3人が出動。
のぞみ34号に乗り込んだが、台車に亀裂が入った車両を停止させることなく、JR西が管轄する新大阪駅を通過し、名古屋駅近くに常駐するJR東海の走行管理班が同駅で台車の油漏れを確認して止めた。
こうした事態を受け、JR西は、今年2月に岡山駅に走行管理班2人を復活。
亀裂問題に関する有識者会議で座長を務める安部誠治・関西大教授(交通政策論)が走行管理班の拡充を求めたことを踏まえ、今月1日には、広島駅にも新たに走行管理班2人を配置した。
過去に同社の走行管理班に所属していた元担当者は、「きめ細かい対応には専属の社員が必要だ。安全対策に向けて、ようやく再スタートを切った」と指摘した。
出典
『JR西、新幹線の検査部署を復活 台車亀裂の再発防止』
https://mainichi.jp/articles/20181211/k00/00m/040/101000c
2018年11月17日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9060/
(2018年12月17日 修正1 ;追記)
2018年12月11日3時0分に朝日新聞から、消防は消防法規制場所以外の情報も事前に入手しておくことで再発防止を図るなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力柏崎刈羽原発の地下トンネルで11月に起きたケーブル火災は、第三者の目が届かない巨大な地下空間の存在を浮かび上がらせた。
トンネルは消防法や原発の新規制基準の網の外にあり、柏崎市消防署は火災の危険性を全く把握していなかった。
市は10日までの東電との協議で、原発火災時の情報収集力を強化するとともに、東電と合同で実施する総合消防訓練の回数を増やす方針を固めた。
火災は11月1日に発生し、出火したのは延長約1.5kmの地下トンネル。
地下5mと22mの2つのトンネルが、立て坑でつながっている。
放射線管理区域外にあり、非常用電源のバックアップ設備に電気を供給するケーブルが高熱で溶けた。
東電が自主的に設置したもので、原子力規制委員会のチェックは受けていない。
人の出入りのない地下空間は消防法の規制外で、消防署は存在を認識していなかった。
市は東電との協議で、火災の経過を再確認した。
5号機中央制御室で熱感知警報が鳴り、地下5mのトンネル内で60℃以上になった地点を把握。
運転員の一人が現場に急行し、トンネルに下りる立て坑入り口から立ち上る煙を見つけた。
制御室の別の運転員が119番通報し、発煙を伝えたが、温度上昇地点にはふれなかった。
東電は、現場に到着した消防署員に警報のことを真っ先に伝えたという。
一方、署員は、煙の濃かった地下22mのトンネルで火元を捜していた。
地下5m側に火元があることを示唆する熱感知情報を知ったのは、現場入りしてから1時間半後だった。
情報伝達ミスのせいで鎮火確認が大幅に遅れた。
証言の食い違いは、今も解消されていない。
市消防署の田辺署長は、「どちらが正しいかより、的確な情報共有の仕組みづくりが最優先」という。
火元情報の欠落が起きないよう、119番通報要領に火災発見経緯の項目を追加する。
消防法で義務づけられた防火設備の場所や建物構造は事前に把握しているが、対象外施設の情報は少ない。
火災後、ほかの地下トンネルに署員が出向いて調査した。
図面などデータ収集も急いでいる。
【訓練 死角洗い出し】
これまで、東電との合同訓練は、放射線管理区域や重要施設での消火・救命活動を中心に実施してきた。
今後は、回数を増やすとともに、トンネルのように死角となっている施設を洗い出して、訓練シナリオに加える。
一方、市防災・原子力課は、東電に夜間・休日の連絡体制の充実を求めている。
関矢課長は、「東電から火災発生の第一報を受けたあと電話したが、状況のわかる社員をつかまえるのが大変だった」とこぼす。
東電によると、夜間・休日にトラブルが起きた場合、6人の当直員が自治体や報道機関の問い合わせに応じる。
火災時は1人が消防署との調整にあたり、残る5人が運転員らからデータを集める。
今回、情報が錯綜し外部対応が遅れた。
大事故であれば、東電は自治体に連絡要員を派遣するが、火災はそうはいかない。
市は、東電ルートだけに頼らず、消防署員が現場指揮所で得た情報を、じかに防災・原子力課に伝える「複線方式」の検討を始めた。
自主設備への対応は、規制委にとっても悩ましい課題だ。
柏崎刈羽原子力規制事務所の水野所長は、「東電は、トンネルで煙感知器の設置作業を進めている。保安規定の順守状況をみる正規の監視活動の枠外だが、火災の再発防止の助言などをしていく」と話す。
出典
『想定外の巨大地下空間、原発ケーブル火災で対策』
https://digital.asahi.com/articles/ASLDB3GDZLDBUOHB001.html?rm=526
12月14日6時17分にNHK新潟からは、東電は今後、図面を使って消防に情報を説明するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力は、消防とともに、火元に関する情報が消防に正確に伝わらなかった問題を検証したうえで再発防止策をまとめ、13日、公表した。
それによると、火災の発生現場では、図面を使って火元の情報や建物の構造を消防に説明するとしている。
また、警報が鳴った場所と煙の発生場所が異なる場合は、火元を探す隊員を分けて、並行して現場の確認にあたるという。
東京電力は、来週実施する消防との合同訓練で、こうした対策の効果を検証することにしている。
出典
『原発火災受け 東電が再発防止策』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20181214/1030006097.html
(2019年1月29日 修正2 ;追記)
2019年1月29日3時0分に朝日新聞から、トンネル内の温度変化が予想以上でケーブル接続部の被覆が伸縮したことが原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東電は28日、県と立地点の柏崎市、刈羽村に原因と対策の最終報告をした。
トンネル内の温度変化が予測を上回り、ケーブル接続部の被覆が伸縮して火災に至ったことがわかった。
敷地内にはほかに98カ所の接続部があり、対策工事は2020年度までかかる見通しだ。
東電によると、2年余り前にトンネル内で高圧電源ケーブルの接続をした。
ケーブルの被覆部分(難燃性ビニール)が周囲の温度変化によって伸縮を繰り返し、火災発生時は接続部で約4cm縮んでいた。
伸縮でケーブル内部に損傷が広がり、大電流が地上に漏れる「地絡」やショートが発生、過熱して出火した。
トンネルをはじめ、直射日光を受けない場所のケーブル接続部は温度変化が少ないとみて、対策を講じていなかった。
今回の調査では、出火した地下5mのトンネル内でも、外気温の変動にともない、約40℃の幅で上下したと推定している。
今後、直射日光の有無にかかわらず、接続部はすべて伸縮を防ぐ固定具を設置することにした。
ケーブル接続部の火災は、2015年3月、福島第一原発でも起きている。
敷設工事の不手際で接続部が引っ張られて損傷し、出火につながった。
このときも固定具をつける対策をとった。
出典
『新潟)「予想以上の温度変化」東電が報告 柏崎刈羽火災』
https://www.asahi.com/articles/ASM1X3TP5M1XUOHB008.html
2018年11月13日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/9042/
(2018年12月17日 修正1 ;追記)
2018年12月11日付で東京新聞から、縦割り行政の弊害ならびに再生土の利用規制という切り口からの記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
市原市大桶の市道(通称・うぐいすライン)で11月、再生土の造成地の斜面が崩れて通行止めになっている問題で、県は、道路の開通が早くても来年3月以降になる見通しを示した。
問題を巡っては、県の監視体制や組織連携のあり方が問われる結果となった。
森林課によると、造成工事(事業面積約14ha)は太陽光発電施設の建設が目的で、A社(東京都港区)が森林法に基づく林地開発の許可を2016年12月に得て開始。
土砂の流出を防止する調整池の設置が条件だった。
年1回と定めているパトロールを昨年6月に実施した際、調整池ができていなかったため、事業者に口頭で指摘した。
だが、仮設調整池があったことから問題はないとみて、その後はパトロールをしなかった。
一方で、埋め立ての中身を監視する廃棄物指導課は、昨年6月の後、土砂崩れが発生するまでに計7回、再生土の中に有害物質が混じっていないかを調べるためにパトロール。
現場の状況を把握していたが、両課間で情報の交換はしていなかった。
森林課は、今年9月30日の台風24号通過後に小規模な土砂崩れが起きた際、調整池が完成していないことを知った。
工事の中止と流出防止用の柵の設置を指示したが、11月6日に柵を越える土砂崩れが発生。
幅60mに渡って市道を覆った。
積み上げられた土砂の高さは50mほどあったという。
調整池がないまま工事が続けられたことについて、同課の担当者は今月6日の記者会見で「大変重く受け止めている」と述べた。
県は同日、再生土の埋め立て現場の緊急点検の結果を公表。
対象62カ所のうち、長南町、木更津市、市原市の計3カ所で崩落の危険が見つかり、盛り土が急勾配になっているなど、基準違反が34カ所であった。
【再生土規制条例、来年4月施行】
県は、建設汚泥などを中間処理した「再生土」による埋め立てを規制する条例を、来年4月に施行する。
再生土は、増え続ける太陽光発電施設の造成などに活用されているが、造成地の崩落や、環境基準を超える有害物質の混入などの問題が出ている。
だが、条例では事業者による「届け出」の義務付けにとどまり、規制の効果は未知数だ。
条例では、500m2以上の再生土の埋め立てに対し、事業計画の届け出のほか、崩落防止や環境影響の基準を守るように義務付ける。
違反すれば措置命令や立ち入り検査の対象となり、懲役や罰金などの罰則規定がある。
再生土は、埋め立て事業者が有償で買い取るが、ストックされているので、建設残土と比べて確保しやすい。
広い平地面積が必要な太陽光発電施設の場合、調達しやすい再生土を使えば短期間で工事ができる。
他方で、有害物質が混じって異臭がするなどの問題が増えたため、県は2016年9月に指導指針を作って取り締まりを強化していた。
ただ、条例は、計画書を出せば認められる届け出制にとどまり、埋め立てそのものの禁止や、審査してから造成を認める許可制ではない。
県内では、9月時点で6市3町(佐倉、旭、銚子、四街道、八街、印西、芝山、大多喜、鋸南)が禁止。
7市2町(匝瑳、香取、成田、野田、大網白里、君津、木更津、酒々井、神崎)が許可制だ。
近隣県では、茨城が禁止で埼玉は許可制。
2020年の東京五輪・パラリンピックの開催に向けた建設工事で、多くの再生土が県外から運び込まれる可能性がある。
千葉県内の自治体からは厳しい規制を求める声も上がっているが、県はリサイクルを促進する観点から、罰則付きの届け出制で実効性を確保するという。
出典
『市原の土砂崩れ 道路開通は来年3月以降 県の監視・連携に課題』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201812/CK2018121102000153.html
2018年12月10日14時58分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪北部地震で大阪府高槻市立寿栄(じゅえい)小学校のブロック塀が倒壊し、登校中の4年生の女児が死亡した事故で、全国建築コンクリートブロック工業会(東京)など業界4団体が、10日、高槻市に陳情書を提出した。
ブロック塀の危険性が強調され、風評被害があるとして、公共施設のブロックを全撤去するとした市の方針を撤回するよう求めた。
工業会は、ブロック塀の耐用年数は「おおよそ30年」とし、倒壊したブロック塀は築40年以上と古く、「通常なら建て替えないといけなかった」と指摘。
点検で補強の「控え壁」の有無、古さ、傾き、ひび割れなどを確認すれば危険性が判断できる、とした。
その上で、「ブロック塀そのものが危険かのような一方的な声明を発表した」と、同市の浜田市長らを批判。
「今後、風評被害がボディーブローのようにきいてくる」と主張した。
工業会によると、全国で153事業所(従業員4人以上)がブロックを製造。
6月の大阪北部地震後、出荷が減っているという。
柳沢会長は、「事故は手抜き工事が主な原因。ブロック塀全てが悪いとするのは問題のすり替え」と話した。
市の事故調査委員会は10月末、「設計・施工不良と腐食が倒壊の主因」と結論づけた。
「塀内部の不良箇所を見つけるのは困難」とも指摘し、学校からブロックの構造物をすべて撤去し、今後、設置しないのが望ましいとした。
これを踏まえ、市は市内の小中学校からブロック塀をすべて撤去する方針を決めている。
出典
『ブロック塀業者陳情「風評被害、ボディーブローのよう」』
https://www.asahi.com/articles/ASLD74JB7LD7PPTB00C.html
(ブログ者コメント)
4団体の主張どおり、ブロック構造物そのものが悪いのではなく、設計、施工ならびに維持管理が悪かった高槻市の事例だが、全国的な問題に発展したことで、高槻市としては、同種事故の再発は絶対に許されない立場にある。
それゆえ、あのような徹底した再発防止策にせざるを得なかったのではないかと、ブログ者は感じている。
2018年12月10日19時28分にNHK三重から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日、津市のガソリンスタンドで販売されていた灯油に、誤ってガソリンが混入されていたことがわかった。
店は回収作業を進めているが、集まったのは全体の6割ほどにとどまっていて、消防が引き続き、使用しないよう呼びかけている。
灯油へのガソリンの混入があったのは、津市幸町のガソリンスタンド「O支店」で、店が検査機関に依頼して地中のタンクに残った灯油を調べたところ、10〜15%ほどのガソリンが混入していたことが分かった。
消防によると、12月7日に灯油のタンクに誤ってガソリンが入れられ、9日の夕方までに約90人に2600ℓあまりを販売したとみられるという。
ガソリンは揮発性が高いため、灯油と混ざったものをストーブなどで使った場合、火災につながる危険性があり、店が回収を進めている。
午後4時の時点で66人が、あわせて約1700ℓを返しに来たということだが、全体の6割ほどにとどまるということで、消防が引き続き、使用しないよう呼びかけている。
市内の60代の女性は、「灯油にガソリンが入ってるなんて確かめようがなく、怖いです」と話していた。
「O支店」の店長は、「本当に申し訳ありませんでした。7日より前に購入した灯油でも回収に応じるので、問い合わせ頂きたい」と話していた。
消防とガソリンスタンドによると、店内にある灯油とガソリンのタンクの注ぎ口は同じ形をしているということで、タンクローリーからホースをつなぐ際に確認を怠ったのが混入の原因とみられるという。
灯油の色は無色透明だが、9日夕方に販売した際、注いだ液体がピンク色だったため、店長が混入に気づいて消防に連絡したという。
店によると、灯油以外の製品では混入は確認されていないということで、店では回収を進めるとともに、タンク内にあるガソリンが混入した灯油の抜き取りを進めている。
出典
『ガソリン混入灯油の回収は6割に』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20181210/3070000747.html
12月10日0時8分に毎日新聞からは、客が異変に気付いて店員に相談したことで混入が発覚したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日にポリタンクに灯油を入れようとした客が色や臭いで異変に気付いて店員に相談し、混入が分かったという。
ガソリンが混入した灯油を暖房器具などで使用すると、ガソリンの揮発性でタンク内の圧力が高まって燃料が漏れ、火災が発生する危険がある。
出典
『津のGSで灯油にガソリン混入 消防が注意呼びかけ』
https://mainichi.jp/articles/20181209/k00/00m/040/131000c
12月10日19時22分に名古屋テレビからは、時間軸が記された下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7日午後3時半ごろ、運搬用トラックから灯油タンクにガソリンを入れたという。
店などによると、9日午後4時ごろ従業員が気付くまでに86件、合わせて2380ℓほどが販売され、10日午後6時までに約70件が回収されたという。
出典
『ガソリンスタンドでガソリンが混入した灯油を販売 回収進む 三重・津市』
https://www.nagoyatv.com/news/?id=191047
12月11日19時28分にNHK三重からは、ローリーの2つの排出口をつなぐ配管のバルブが閉まっていなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
給油を行った会社によると、当時は、タンクローリーの2つの排出口からそれぞれガソリンと灯油を給油しようとしていたが、排出口につながる配管のバルブが閉まっておらず、給油する際に混ざったという。
タンクローリーのタンクは7つの部屋に分かれていて、数時間ほど前に別のスタンドのタンクに給油する際には、すべての部屋にガソリンが積まれ、排出の効率を上げるためバルブを開けていて、作業を終えた後に閉めたものの、不十分だったという。
給油を担当した従業員は、「途中でバルブが緩んでいるのに気付いたが、報告を怠った」と話しているということで、消防が詳しい経緯を調べている。
出典
『タンクローリー内部で混ざったか』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20181211/3070000754.html
12月11日17時25分にFNN PRIME(東海テレビ)からは、バルブは3分の1ほど開いていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
輸送を行った三重県内の配送業者によると、タンクローリーから灯油とガソリンの荷卸しを行った際、車の配管に付けられた油種を分けるバルブが3分の1程度開いた状態になったまま給油を行ったことがわかった。
出典
『「タンクローリー内」で灯油とガソリン混ざる 三重・津市のGSで販売されたガソリン混入灯油』
https://www.fnn.jp/posts/3255THK
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
12月11日19時28分にNHK三重からは、店は回収のためのチラシを新聞に折り込むなどしたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
回収を進めるため、11日午後には、店の従業員など15人が回収を呼びかけるチラシを周辺の住宅に配った。
チラシは3000枚用意され、従業員たちは車や徒歩に分かれ、店から半径1.5kmほどにある住宅のポストにチラシを入れていた。
そして住民に対して、「迷惑をおかけしますが、協力をお願いします」などと呼びかけていた。
販売店では、12日も同様のチラシ10万部を新聞に折り込んで回収を呼びかけることにしている。
出典
『灯油 チラシ配って回収呼びかけ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20181211/3070000753.html
12月14日19時8分にNHK三重からは、店は誤給油した器具の代金を支払って器具ごと回収したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ガソリンスタンドでは、灯油代金を返却するとともに、ストーブなどの暖房器具に灯油を入れた顧客には新しい器具の代金を支払うなど、器具ごと灯油を回収したということで、ガソリンの混入した灯油は14日午前8時までに、すべて回収された。
この灯油が原因の火災などは発生しなかった。
出典
『ガソリン混入の灯油 すべて回収』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20181214/3070000775.html
12月15日付で中日新聞からは、2社の再発防止策に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
O社は、今後、地下タンクへ給油する際の立ち会いと、給油後の給油量ゲージの確認を徹底し、再発防止に努めるとしている。
配送会社は、時間短縮のため灯油とガソリンを同時に荷降ろししたため混入が発生したとして、今後は、違う種類の油を同時に降ろさず、配管のバルブを開け閉めする際は、毎回、電話で本社に連絡させるとしている。
出典
『ガソリン混入灯油を全量回収 津のスタンド』
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20181215/CK2018121502000016.html
(ブログ者コメント)
〇名古屋テレビの映像によれば、1台の給油機に赤、黄、緑の3つのノズルが設置されている。
丸2日、店員が気付かなかったことと併せ考えると、セルフ給油所の可能性が高い。
〇以下は、11日放映のNHK映像の1コマ。
他の排出口とつながっている赤色のコックバルブが3分の1ほど開いていたという。
〇以下は、10日放映のNHK映像の1コマ。
客から回収したポリタンクのキャップを開け、回収用タンクの上部から、ドボドボと流し込んでいる。
10~15%程度のガソリン混入であれば、静電気着火の心配はないのかもしれないが、ドボドボとタンクに落とすことの安全性を、消防を含め、どのように評価したのだろうか?
検査機関で、併せて引火点などの測定も実施したということだろうか?
〇配送会社のミスによる混入トラブルだが、GS側の対応に徹底心を感じた。
1点目は「7日より前に購入した灯油でも回収に応じる」とした点、2点目は「新聞にもチラシを折り込んだ」という点、そして3点目は「誤給油した器具の代金を支払って器具ごと回収した」という点だ。
灯油へのガソリン混入事例は、本ブログでも過去に数多く紹介しているが、そういった対応が報じられたのは、今回が初めてだ。
報じられていないだけで、実際には他の事例でも同様な対応がなされていたのかもしれないが・・・。
2018年12月8日22時2分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
雪崩事故を防ぐため、日本雪氷学会北海道支部(札幌)でつくる雪氷災害調査チームが、まとまった雪が降るたび、雪の粒子の写真をホームページ(HP)で公開している。
雪崩を起こしやすい雪がある場合は、その状態を詳しく説明し、スキーヤーなど入山者に注意を呼びかける内容だ。
調査チームのメンバーで北大低温科学研究所の元所長、秋田谷英次さん(82)が、札幌市北区の自宅庭の雪を撮影して掲載している。
撮影は、積もった雪をシャベルで切り出し、深さごとに雪の粒子を採取し、拡大鏡を使って行う。
雪崩の原因となる雪は、主に
《1》雲粒(うんりゅう)なし結晶
《2》表面霜(ひょうめんしも)
《3》こしもざらめ雪
の3種類。
「雲粒なし結晶」は、雲の中の小さな氷の粒(雲粒)をまとっていない雪の結晶で、突起が少ない。
「表面霜」は、積もった雪の表面に放射冷却でできる。
「こしもざらめ雪」は、積もった雪が蒸発と放射冷却による氷結を繰り返してできる。
3種類は、粒と粒に間隔が空き、形も単純。
秋田谷さんによると、その上に30~50cmの雪が積もると雪崩が起きやすく、札幌では年に2~3回観察できる。
切り出した雪の塊を上から手でたたくと、この雪の層を境に塊が分離しやすい。
秋田谷さんは、「雪山登山の現場でも、簡単に調べられる」。
HPは、まとまった雪が降ると日を置かず更新し、雪の状態を写真で紹介。
「こしもざらめ化が進行」、「山に入る人は気を付けて」などと記し、気温、風速、降水量なども載せる。
開設4年目となり、雪のある12~3月は、月3000人が閲覧するほど定着してきた。
調査チームの尾関俊浩・北海道教育大札幌校教授は、「雲粒なし結晶などは広域的に降る。札幌のデータでも、山間部で十分参考になる」と話し、HP(http://avalanche.seppyo.org/snow/)のチェックを呼びかけている。
出典
『雪崩の起きやすい結晶写真を公開 雪氷災害調査チーム』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/256060/
2018年12月9日6時35分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前11時50分ごろ、須賀川市の工場敷地で、小型トラックに積んであったLPガスボイラー=いずれも建設請負会社H社所有=から出火、ボイラーとトラックを全焼した。
けが人はいなかった。
警察と消防によると、H社の男性社員2人が、同工場敷地内で駐車場の白線を敷設していたところ、白線を引くためのボイラーから出火し、トラックに燃え移ったという。
詳しい原因は捜査中。
出典
『ボイラーから出火...小型トラック全焼 工場敷地内、けが人なし』
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20181209-332498.php
2018年12月7日23時3分に京都新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都府内の多くの消防組織で消防車が過積載の状態になっていることが7日、分かった。
京都市消防局での過積載判明を受けて調査したところ、水や資機材などの総重量が、車検証が定める積載量を超えていた。
宇治市消防本部では消防車5台が、車検証で規定されている総重量を超えて積載していた。
水槽付きポンプ車4台、化学消防車1台で、うち水槽付きポンプ車1台は350kg、化学消防車は510kg超過で、車検を再登録し違法状態を解消した。
残る3台は資機材を調整し、総重量を抑えたという。
八幡市消防本部も、消防ポンプ車など計5台で100~500kgの過積載があった。
「出動隊数が少なく、救助資機材の積み込みが増えた」のが要因という。
精華町消防本部も、救助工作車など計3台で最大730kgの過積載があった。
いずれも事故はないという。
現在、資機材や水量で総重量を調整しており、車検証の記載事項変更を進めている。
舞鶴市消防本部では、消防ポンプ車5台で過積載があった。
10月中旬~11月上旬の調査で、それぞれ100kg前後、基準を上回っていたことが判明。
資機材や水を減らし、11月9日までに解消した。
同本部は、「現場の判断で資機材を積み過ぎたのが原因とみられる」としている。
綾部市消防本部では、消防ポンプ車や救急車など計8台が120~900kg超過。
救助資機材を車検証記載時より多く積んでいた。
現在は、使用頻度の少ない機材を下ろして重量超過を無くし、記載の変更も検討している。
宮津与謝消防組合では、水槽付きポンプ車など5台で275~600kgの過積載があった。
資機材を調整するなど対応しているが、現在も過積載の状態が続いている。
京丹後市消防本部は、「確認していない」と話している。
一方、京都市消防局が10月に公表した上京消防署の小型水槽車の事例は、その後の詳しい調査で、過積載でないことが分かったという。
出典
『消防車の荷物積みすぎ相次ぎ判明 「出動隊数少なく」』
https://this.kiji.is/443741064673166433?c=39546741839462401
(ブログ者コメント)
〇いきさつを推察するに、当初は規定どおりの重量だったものが、その後、載せていた装備を別のものに変更したり、あるいは追加で載せたりした際に総重量を確認しなかった、いわば変更管理がうまく機能しなかった事例だったのかもしれない。
〇「確認していない消防本部もある」という報道から考えると、確認は自主的に行われている・・・ということだろうか?
それとも、消防を主管する部署から指示があったが、まだ確認は済んでいない消防本部もある・・・ということだろうか?
〇上京消防車事例は、過去に本ブログで紹介スミ。
当該記事にも、今回の情報を追記した。
2018年12月7日18時13分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力の委託により電気設備を点検している「関西電気保安協会」など4つの事業者は、マンションのエレベーターなどに漏電をはじめ異常がないかを調べる定期点検で、測定結果を改ざんしていたことを明らかにして陳謝した。
愛知県などで電気設備を点検する事業者による調査結果の改ざんを受けて、関西電力の委託により住宅や商店の電気設備を定期点検している4つの事業者が緊急に内部調査を行い、7日、その結果を明らかにした。
それによると、4つの事業者は、集合住宅のエレベーターや水道をくみ上げるポンプなどの電気設備から漏れた電流を測定する際に、結果を基準値内に収まるように改ざんしていたという。
改ざんの件数は、平成26年4月以降で、「関西電気保安協会」が707件、「関電サービス」が711件、「きんでんサービス」が378件、「兵庫県電気工事工業組合」が66件となっている。
漏れた電流が基準値を超える場合には、設備の電気を止めて追加調査を行う必要があるが、それを避けるために改ざんしたという。
いずれの事業者も、改ざんの範囲は数ミリアンペア程度で、直ちに感電や漏電による火災が起きる危険性はないとしているが、該当する集合住宅の設備は、今月26日までに再調査するという。
関西電気保安協会の川邊理事長は、「コンプライアンス教育や研修をしてきたが、従業員に伝わっていなかったと反省している。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と陳謝した。
出典
『電気設備点検で測定結果改ざん』
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181207/0010477.html
12月7日17時35分に朝日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電気保安協会など、関西で電気設備の定期点検をする4事業者が7日、大阪府や兵庫県などの集合住宅計1862棟で、調査記録を改ざんする電気事業法違反があったと発表した。
エレベーターや水道ポンプの電気設備の調査数値が基準を上回り、軽微な漏電の疑いがある場合などに、基準内になるように書き換えていたという。
改ざんがあったのは、同協会で707棟、関電サービスで711棟、きんでんサービスで378棟、兵庫県電気工事工業組合で66棟。
計118人の調査員が不正に関わった。
基準値を超えると精密点検が必要で、電気を止めるため、エレベーターなども使えなくなる。
同協会の川辺理事長は、「お客様にご苦労をかけると考えてしまった。非常に反省し、再発防止を徹底したい」と陳謝した。
住宅の電気設備の点検は電気事業法上の義務で、関西電力が9業者に委託している。
今年10月に中部電力管内で同様の事案があり、経産省が調査を求めていたなかで発覚した。
各事業者は漏電による火災の危険性はないとしているが、再点検して通知するという。
出典
『関西電気保安協会が検査記録改ざん 軽い漏電を基準内に』
https://www.asahi.com/articles/ASLD755ZDLD7PLFA009.html
※中部電力管内の事例は下記参照。
(2018年11月14日0時26分 毎日新聞)
中部電力が外部委託していた漏電調査で計測記録の改ざんがあった問題で、新たに愛知、岐阜県内の集合住宅など計8884棟でも記録改ざんが行われていたことが13日、分かった。
委託先2団体が同日、発表した。
中部電の委託先による改ざんは、既に公表済みの名古屋市の1団体1400棟と合わせ、計1万284棟になった。
名古屋市の昭和、瑞穂、熱田区を除く愛知県全域の調査を担当していた中部電気保安協会(名古屋市)では、2006年10月以降、県内のマンションなど8702棟で改ざん。
エレベーターやポンプの調査で、電気事業法で定められた基準値(1ミリアンペア)を超える4~5ミリアンペアの漏電を計測しても、1以下にしていた。
作業員116人が関与し、中部電OBも20数人含まれていた。
同法では、1ミリアンペア以上の場合は施設管理者に通知し、停電を依頼して精密調査を行う必要がある。
作業員らは、「停電の了解が得にくい上、感電や火災の危険も低いと判断した」などと説明しているという。
同協会は岐阜、三重、静岡、長野県も担当だが、改ざんは愛知県だけだった。
また、岐阜県各務原市など5市町を担当する同県電気工事業工業組合(岐阜市)でも、14年11月以降、同様の理由で集合住宅182棟の記録を改ざんしていた。
全作業員6人が関与し、一部作業員は、「04年の委託当初から改ざんをしていた」と話しているという。
愛知県電気工事業工業組合(名古屋市)で10月に1400棟で同様の改ざんが発覚したことを受け、中部電が全委託先に調査を求めていた。
中部電は、「定期的にパトロールも行っているが、改ざんを見抜けず、非常に遺憾。再発防止策などを見て今後の対応を判断したい」としている。
出典
『中部電 漏電調査改ざん 新たに愛知、岐阜で計8884棟』
https://mainichi.jp/articles/20181114/k00/00m/040/161000c アカスミ
(2/2へ続く)
(1/2から続く)
※以下は、改竄理由。
(2018年10月24日22時20分 日本経済新聞)
詳細な調査にはエレベーターなどを停電させる必要があり、調査員は「管理人に言いづらかった」と話しているという。
出典
『住宅漏電調査で数値改ざん 名古屋、最大1410棟』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36889140U8A021C1CN8000/
(2018日10月25日 毎日新聞中部版)
エレベーターやポンプなどを調べた際、基準値(1ミリアンペア)を超える数ミリアンペアの漏電を計測しても、1以下の数字を記録していた。
感電の可能性があるとされる10ミリアンペア以上の場合は改ざんせず、適切に処理していた。
検査員6人が同様の不正をし、内部調査に対し、「最新の設備では一定の漏電があり、正しく通知すると建物の管理者に迷惑をかける」などと話しているという。
出典
『漏電数値改ざん 中部電委託先、基準超えを基準内に』
https://mainichi.jp/articles/20181025/ddq/041/020/006000c
(2018年11月14日8時0分 岐阜新聞)
調査員は組合の聞き取りに対し、「エレベーターから漏れ電流が発生することはあり得ると業者に聞いたので、問題ないと判断した」と説明している。
出典
『住宅漏電調査で数値改ざん 県電気工事業組合』
https://www.gifu-np.co.jp/news/20181114/20181114-90129.html
(ブログ者コメント)
基準の1ミリアンペアは、どのようにして決められた数字なのだろうか?
調べてみると、労働安全衛生総合研究所安全資料に、「人体に流れた場合、シビレを感じる始める電流が約1ミリアンペア」という記述があった。
https://www.jniosh.go.jp/publication/doc/td/SD-No25.pdf
それが根拠なのかもしれない。
一方、報道によると、「最新の設備では一定の漏電がある」と調査員が述べている点も気になる。
本当にそうなのだろうか?
本当だとすれば、それで大丈夫なのだろうか?
2018年12月9日18時57分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
高知県南国市の高知空港で7日夕、保安検査場の金属探知機の電源が入っておらず、検査場を通過した乗客約200人が再検査するトラブルがあった。
この影響で、東京や大阪、福岡に向かう計4便の出発が最大で1時間16分遅れ、約500人の足に影響が出た。
高知空港事務所によると、7日午後6時頃、検査を担当する警備員が、2台あるうち1台の金属探知機の上部にある電源のスイッチが切れていることに気付いた。
検査を中断し、すでに搭乗待合室に入っていた乗客に戻ってもらい、検査をやり直した。
検査場に設置されている防犯カメラを確認したところ、実際に電源が切れた状態の探知機を通ったのは6人だった。
通常、探知機の電源は、始発便が出発する1時間前の午前6時頃から最終便の運航が終わる午後8時頃まで入ったままだという。
近く、空港事務所や航空会社、警備会社などが、原因の究明や再発防止策について協議を行う予定。
出典
『金属探知機オフ、200人空港保安検査やり直し』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181209-OYT1T50013.html?from=ycont_top_txt
12月7日23時45分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
高知空港(高知県南国市)は7日、保安検査場の金属探知機の電源を入れ忘れるミスがあり、乗客の検査が約10分間行われなかったと発表した。
搭乗待合室に入っていた乗客約200人の検査をやり直したため、東京便など計4便に最大1時間16分の遅れが出た。
空港事務所によると、保安検査場には2つの入り口があり、1つを午後5時50分に開場したが、その際に検査責任者が金属探知機の電源を入れ忘れたという。
午後6時ごろに航空会社職員が見つけた。
適正な検査のないまま飛行機に搭乗した乗客はいなかったという。
同事務所総務課は、「あってはならない初歩的なミス。再発防止に努める」としている。
出典
『高知空港で金属探知機の電源入れ忘れ 200人検査やり直し』
https://mainichi.jp/articles/20181207/k00/00m/040/314000c
キーワード;ヒューマンエラー、人的エラー
2018年7月23日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8606/
(2018年12月13日 修正2 ;追記)
2018年12月6日22時51分に毎日新聞から、安全管理責任者である技術顧問が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は6日、現場の安全管理責任者で同社技術顧問の男性(68)を、業務上過失致死容疑で金沢地検に書類送検した。
金沢労基署も同日、同社と技術顧問を労安法違反容疑で書類送検した。
事故は6月6日午前3時半ごろに発生。
県警によると、古紙に希硫酸などを混ぜる円筒形のタンク(深さ約5m)内で、異物を取り除こうとした従業員の男性(57)が倒れ、助けようとした49歳と27歳の男性も巻き込まれた。
死因は、高濃度の硫化水素による急性中毒だった。
送検容疑は、技術顧問は有毒ガスの発生を予測できたのに現場に立ち会わず、ガス濃度の計測やマスク着用の指示などを怠り、3人を死亡させたとしている。
出典
『3人死亡のタンク事故 技術顧問の男性を書類送検 石川県の製紙会社』
https://mainichi.jp/articles/20181206/k00/00m/040/296000c
12月6日19時32分にNHK石川からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警察のその後の調べで、68歳の技術顧問の男性は、タンク内に硫化水素が発生する危険作業だったにも関わらず、事故を防ぐためのタンク内の換気を行うよう指示しなかったことなど、適切な安全対策を怠ったという。
出典
『タンク3人死亡事故で書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20181206/3020000503.html
2018年12月6日18時51分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
茨城県にある研究施設では、放射性廃棄物を保管するドラム缶すべての点検に、およそ50年かかるとされているが、全体の40%余りのドラム缶で腐食が進んでいることがわかり、運営する日本原子力研究開発機構は、優先して健全性を確認する方針を示した。
茨城県東海村にある研究施設には、ドラム缶およそ4万6000本に入った低レベルの放射性廃棄物が保管されていて、点検におよそ50年かかるとされている。
これについて、今日、原子力規制委員会の監視チームの会合が開かれ、原子力機構の担当者がドラム缶の点検方法などを説明した。
それによると、全体の40%あまりにあたるおよそ2万本が、保管を始めてから41年を超えていて、外部から腐食が進んでいることがわかった。
このため、原子力機構では、来年3月までに(2019年)腐食の状況を詳しく調べる計画を立て、優先して健全性を確認すると説明した。
これについて事務局の原子力規制庁の担当者から、「記録からドラム缶の中身を分析できないのか」とか、「点検の全体像が見えない」といった意見が出されたが、原子力機構は、次回以降説明すると答えていた。
一方、残りのおよそ2万6000本のドラム缶については、腐食の状況や過去の点検記録などを踏まえて、今後、健全性を確認する計画という。
出典
『放射性廃棄物容器40%余に腐食』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20181206/1070004876.html
ちょっと前、2018年11月22日付で毎日新聞大阪版からは、下記趣旨のやや詳しい記事がネット配信されていた。
日本原子力研究開発機構が原子力科学研究所(茨城県東海村)の敷地で保管する低レベル放射性廃棄物入りのドラム缶(200ℓ)の一部で、中身が適切に分別されていないことが、21日、分かった。
この影響で、過去にはドラム缶内で水分が生じ、腐食や漏出が見つかった。
機構は、約5万3000本を50年以上かけて点検する計画を原子力規制委員会に示したが、委員は同日の会合で、「50年もかかるのでは、点検しないのと一緒だ」として、期間短縮を求めた。
機構や規制委によると、保管場所は地下を掘りコンクリート設備を埋め込んだ「ピット」で、1964~76年ごろに整備した。
同研究所や周辺の大学の原子力施設などで発生した廃棄物が入ったドラム缶を、横向きの状態で上積みしている。
87~91年に一部を点検したところ、腐食や中身の漏出が見つかった。
60年代は廃棄物の分別が徹底されておらず、ドラム缶内に水分が残っていた可能性が高いという。
現在行っている年1回の目視点検では、下の方に積まれたドラム缶は確認できず、規制委に示した計画では、1缶ずつつり上げて腐食や放射性物質による汚染がないかどうかを調べる。
問題が見つかれば、詰め替えや補修をする。
21日の会合では、山中委員が「5年ほどで点検すべきだ」と指摘した。
出典
『放射性廃棄物 保管のドラム缶腐食 原子力機構「点検に50年」 規制委「5年ですべき」』
https://mainichi.jp/articles/20181122/ddn/008/040/010000c?pid=14509
(2019年1月29日 修正1 ;追記)
2019年1月29日付で東京新聞茨城版から、点検を14年で完了させる計画が提示されたが規制委はさらなる見直しを求めたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本原子力研究開発機構は、原子力科学研究所(東海村)で保管し、一部が腐食している低レベル放射性廃棄物入りのドラム缶について、一部を除き、腐食状況などの点検を14年で完了させる計画を示した。
廃棄物量は、ドラム缶200ℓ換算で約5万3000本としていたが、実際は300ℓのドラム缶もあり、実数では約4万6000本という。
原子力規制委員会の会合で24日、説明した。
昨年11月の会合では50年かかるとしていたが、一部のドラム缶は30年ほど前に点検し、改めて確認する緊急性は低いと説明。
残りは、設備増強で点検のペースを速めるとした。
しかし規制委は、「人員を投入し、5年ほどで終えるべきだ」などと、さらに見直しを求めた。
機構によると、ドラム缶は横向きの状態で上積みされ、過去の点検で腐食や中身の漏出が見つかっている。
廃棄物の分別が徹底されず、ぬれた布を入れるなどし、ドラム缶内に水分が残ったのが原因だという。
出典
『腐食ドラム缶、点検に14年 4万6000本 当初の50年から短縮』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201901/CK2019012902000166.html
2018年12月6日17時26分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本航空と全日空の一部のパイロットが、社内調査に対し、打ち合わせなどで忙しく、「アルコール検知器を使わずに乗務したことがある」と話していることがわかった。
日航は100~200件はあったとし、全日空は393件にのぼるとしている。
日航の副操縦士が英国で逮捕された事件などを受け、国交省が11月末に両社に実施した立ち入り検査でアルコール検査データの欠落が見つかり、それを受けた両社の社内調査で発覚した。
日航は、パイロットに検知器を使った乗務前検査を義務づけ、国内では昨年8月以降、不正のしにくい精密型を使い、全データを保存することにしていた。
だが、国交省の立ち入り検査で、約22万件の検査結果のうち、約3800件のデータが残っていないことが判明した。
社内調査の結果、保存できるアプリを起動しなかったことなどが主な原因だったが、検査自体をしなかった事例があることもわかった。
全日空は、羽田空港で乗務する際は、精密型を使って全データを保存。
1人で検査する代わりに、不正が起きないよう、検査時の写真を撮影するようにしていた。
だが、過去1年分にあたる約11万件の検査結果のうち、393件のデータが残っていないことが判明。
社内調査をした結果、乗務前に会議や面談があったことやほかのパイロットが先に使用していたことで、「検査をし忘れてしまった」とすべてのパイロットが答えたという。
両社とも、乗務に支障のない状態だったと考えられる、と説明している。
国内では、パイロットの乗務前のアルコール検査が義務づけられておらず、実施は各社に任されている。
また、国交省大阪航空局は、6日、機長の乗務前の飲酒でフライトが遅れた問題を受け、鹿児島県霧島市にある日本エアコミューターの本社を立ち入り検査した。
出典
『「アルコール検知器使わずに乗務」の例も 日航・全日空』
https://www.asahi.com/articles/ASLD64GMFLD6UTIL01Q.html
12月6日18時3分にNHK首都圏からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
パイロットによる飲酒問題で先月、国交省の立ち入り検査を受けた全日空と日本航空は、過去の乗務前の検査について、改めてパイロットへの聞き取りをした。
その結果、アルコール感知器を使った検査を行わずに乗務したケースが相次いでいたことが分かった。
このうち全日空では、羽田空港で先月までの1年間に、検査を行っていなかったケースが393件あった。
聞き取りに対してパイロットは、乗務する便が急きょ変更になり慌てていたことや、別のパイロットが検査中だったため、あとで検査しようとして忘れてしまったことなどが理由だと話しているという。
全日空では、「今後は、別の担当者を立ち会わせて検査を行うよう徹底する」としている。
また、日本航空でも、記録が残る感知器を導入した去年8月以降、検査を行っていなかったケースが100件から200件程度あったということで、さらに確認を進めているとしている。
国交省は、こうした検査の実態も踏まえて、行政処分を含めた対応を検討している。
出典
『全日空と日航 検査受けず乗務も』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20181206/0022260.html
(ブログ者コメント)
今回社内調査のきっかけとなったのが、英国でJALパイロットが逮捕されたこと。
その経緯や背景などは、下記記事参照。
ちなみに、同パイロットは10ケ月の禁固刑が言い渡され、JALを懲戒解雇された。
(2018年11月17日6時0分 東洋経済オンライン)
・・・・・
パイロット(A氏)は10月28日、現地時間19時00分発、日本時間15時55分到着予定のJL44便に、副操縦士として乗務する予定だった。
A氏は英国の法令に定められた基準値(1ℓ当たり200mg)の9倍超という血中アルコール濃度であったにもかかわらず、JALが社内で規定するアルコール濃度検査をすり抜けて、一時は機内に乗り込んだ。
JALの調査によれば、ホテルのチェックアウトから搭乗までに、ともに乗務する予定だった機長2名を含む計13名が接触したが、A氏の飲酒に気づいたのはたった1名。
しかも、空港までA氏らを送迎したバスの運転手だった。
アルコール臭に気づいた運転手が空港のセキュリティスタッフに伝えていなければ、A氏は酒気帯び状態で予定通り乗務していたことになる。
結果的に、A氏はセキュリティスタッフによって現地警察に通報され、その後、逮捕された。
この影響で、当該便は1時間9分の遅延の後、羽田に向けて飛び立った。
・・・・・
最新型のアルコール検知器は、すでに国内空港には配備されていたが、海外空港での導入は1年以上も遅れていた。
今後は、速やかな配備を進めたうえで、検査時に地上スタッフが立ち会うことを義務づけ、従来は乗務開始の12時間前までとしていた飲酒24時間前までへと厳格化する。
・・・・・
JALは2010年の破綻を経て経営改革を断行し、業績を急ピッチで回復させてきた。
近年は路線拡大も目立っており、そのしわ寄せが現場のパイロットに来た可能性は否めない。
さらに、ストレス管理教育が不足していたと指摘するのが、元JALのパイロットで航空評論家の小林宏之氏だ。
「健康・ストレス管理の訓練を定期的にやるようにと提言しているが、なかなか実現していない」(小林氏)。
JAL運航本部長の進氏は、「フライト自体にストレスを感じるかというと、それは乗員として当然のこと」という。
だが小林氏は、「離着陸だけでなく、どんなトラブルがあっても対応するという意味で、想像以上にストレスの多い仕事」と強調する。
・・・・・
出典
『JALパイロット「飲酒逮捕」問題の根本原因 急成長の裏で、過重労働が空の安全を脅かす』
https://toyokeizai.net/articles/-/250116


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。