2017年5月15日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
発見が難しい晴天時の乱気流による航空機事故を防ぐため、機体前方からレーザー光を放ち、進路に存在する乱気流を事前に検知する基本技術を宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した。
小型機に搭載した試験で約17.5km先の乱気流の検知に成功し、早期の実用化を目指す。
JAXAなどによると、日本周辺で1990~2012年に乗客乗員が重傷を負った大型航空機の事故の約4割に当たる35件は乱気流が原因で、多くは晴天時とみられる。
既存の航空機搭載のレーダーでは、雨雲を伴う乱気流は発見できるが、晴天乱気流はほとんど見つけられなかった。
開発した装置は重さ約150kg。
航空機前部に設置し、進行方向にレーザー光を照射。
大気中の細かい水滴やちりからの散乱光を受信し、気流に応じた波長の変化から、乱気流の有無や位置を割り出す仕組みだ。
昨年12月から今年2月、小型ジェット機に搭載し、日本近海の高度600~1万2000mで試験した。
計19回飛行した平均で、約17.5km先の乱気流を検知できると結論付けた。
大型機でも接近まで70秒の余裕が生じ、シートベルト着用サインの点灯や客室サービスの中断、進路変更が可能になる。
出典
『JAXA 晴天時、乱気流を検知 レーザー光利用、事前回避』
https://mainichi.jp/articles/20170515/ddm/041/040/104000
(ブログ者コメント)
JAXAのHPに詳しい記事が掲載されていた。
以下は、その冒頭説明文の抜粋。
『乱気流事故防止機体技術の実証(SafeAvio)』
SafeAvioプロジェクトは、2017年1月14日から2月10日までの期間、乱気流事故防止システムを実験用小型ジェット機に搭載し、晴天乱気流検知性能を確認する飛行実証試験を行いました。
・・・・・
「乱気流事故防止機体技術の実証(SafeAvio)」では、これまで検知が不可能だった晴天乱気流を検知できる、航空機搭載用のドップラーライダーを開発し、パイロットへ乱気流情報を提供する「乱気流事故防止システム」を飛行実証します。
・・・・・・・
http://www.aero.jaxa.jp/research/star/safeavio/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。