2017年5月15日15時39分にNHK神奈川から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月15日9時52分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
川崎市の踏切で電車にはねられ2人が死亡した事故から、15日で1か月。
鉄道会社は、踏切内の異常を運転士に知らせる非常ボタンの使用を呼びかけるとともに、踏切の中にとどまった人を検知しやすい最新型の検知装置の設置を進めている。
4月15日、川崎市川崎区の京急線の踏切で中に入った77歳の男性と救助に向かった銀行員の男性(52)の2人が、電車にはねられ死亡した。
この事故では、踏切内の異常を運転士に知らせる非常ボタンは使用されず、設置されていた障害物の検知装置も自動車の大きさを対象にしていたため、2人を検知できなかった。
このため、京急電鉄は通りがかった人が非常ボタンを見つけやすくするために、ボタンの位置を示す看板や表示を新たに設置したり、踏切内に人がとどまっている時は速やかにボタンを押すよう車内アナウンスで呼びかけたりする取り組みを始めた。
さらに、踏切内の人を検知しやすい最新型の障害物検知装置の設置も進めていて、来年3月までに6か所に増やす計画だ。
京急電鉄の岩切課長は、「亡くなられた方のご冥福をお祈りし、いっそうの安全に努めたい。ただ、最新の検知装置も100%、人を検知できるものではなく、異常を見つけたら踏切の中に入らず、非常ボタンを押して欲しい」と話していた。
国交省によると、平成27年度に全国で起きた踏切事故は236件で、前の年度に比べると12件減るなど、減少傾向が続いている。
これは、踏切の統廃合や立体交差化が進んで踏切が減少していることや、障害物検知装置の設置が進んでいることなどの効果とみられている。
一方、27年度に全国で踏切事故で死亡した人は前の年度より9人増え、101人にのぼるなど、毎年100人前後で推移している。
特に最近は、高齢者の歩行者が死亡するケースが目立っている。
27年度までの5年間に踏切事故で死亡した479人のうち、60歳以上が半数以上の252人、80歳以上が79人と、およそ16%を占めている。
国交省によると、高齢者の事故原因として、歩行速度が遅く渡り切れないケースや、踏切内の段差や隙間に足やカートの車輪が引っかかって転倒するケース、それに遮断機が下がって踏切の中に閉じ込められても棒を持ち上げたりくぐったりできずに外に出られなかったことなどがあげられるという。
このため国土交通省は、鉄道会社や自治体に対し、長い踏切には歩行者用の避難場所を設置することや、踏切内の段差や隙間の解消、それに脱出が容易な屈折できる遮断機の導入などを呼びかけている。
踏切にある非常ボタンは、押されると線路上の信号機が赤く点滅し、周辺の列車の運転士に異常をしらせるもので、踏切の手前で列車を停止させることが可能だ。
京急電鉄では、非常ボタンは90ある踏切すべてに設置されているが、存在を知らない人も多く、事故でも使用されるケースはあまりないため、適切な使用が課題になっている。
このため京急電鉄では、非常ボタンの存在をより目立たせようと、看板の位置を示す文字を大きくして赤色にしたほか、英語の表記も加えることにしている。
京急によると、現在はボタンのカバーに「非常ボタン」と表示され、「強く押す」と書かれている。
ここに、電車のイラストや「ボタンを押す指」のイラスト、「STOP」「Emergency button」といった英語表記を加えるなどし、外国人にもわかるようにする。
反射ステッカーを使い、夜でもボタンが目立つようにするほか、「非常ボタンはこちら」などと矢印で表示した案内板も設置することにしている。
さらに、事故の後、新たに車内アナウンスやホームの電光掲示板などで「踏切内に閉じ込められた人や車を発見した際は非常ボタンを押してください」という呼びかけを始めた。
今後、利用者に実際に非常ボタンを使用してもらう体験会も開いていきたいとしている。
京急電鉄は、踏切内で異常を見つけた際は、ためらわずにボタンを押して欲しいと呼びかけている。
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。