







2025年6月9日6時1分にYAHOOニュース(北海道新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道で鉄路の異変を点検する「保線」の現場が揺れている。
国土交通省北海道運輸局などは不祥事やトラブルの続発を受け、27日から2年間にわたり集中的に保安監査を強化する異例の措置を取る。
長年繰り返してきた事故や不祥事を受けて作業ルールは複雑化し、一部の現場では保線員の命を守るためのルールすら順守しきれていない。
「安全に必要だ」、「現場の負担になっている」―。
JRがルールの効率化を目指す中、真夜中の作業に同行し、保線員の葛藤に触れた。
4月下旬の深夜、小雨の降る線路上に保線員がかがんだ。
左右のレールの継ぎ目をヘッドライトで照らし、測定器具を差し入れる。
「10、5」。
隙間のミリ数を読み上げると、そばに立つ作業責任者が復唱しながらメモを取った。
隙間は夏場の気温上昇で鋼鉄製のレールが伸びた場合の「伸びしろ」だ。
保線作業の中でも重要で、雪解け後の恒例となっている。
作業が始まったのは午後11時半ごろ。
JR小樽保線管理室に所属する20~40代の保線員6人が、函館線朝里―銭函間約8キロのレールの継ぎ目約500カ所を計測する。
■計測 数十メートルごと
4人が継ぎ目の検査に当たり、離れた踏切近くに1人が見張り員として待機した。
まだ列車が運行していたため、見張り員は作業中であることを知らせる簡易式の信号機を設置した。
JR北海道では2011~13年ごろ、脱線やレール検査データの改ざんなど事故や不祥事が相次ぎ、15年から安全ルールを大幅強化。
ミスや不祥事を防ぐため、取り決めは細かく複雑になった。
保線員は暗闇の中、砂利に足を取られないよう、数十メートルごとにかがんで計測を繰り返した。
別の保線員はレールをハンマーでたたいた音で固定部分に緩みがないか確認する。
「毎春、腰と膝が痛くなる」。
保線員は苦笑するが、事故防止には不可欠だとの自負がある。
午後11時50分すぎ、作業責任者の無線が鳴った。
見張り員が「(最寄り駅の)銭函、発車3分前」と告げている。
責任者が「待避」を呼びかけると、全員が線路脇に移動し、列車を待った。
列車の通過後、見張り員が信号機を再設置したことを確認し、全員で「設置よし」と声を合わせた。
作業時に簡易式信号機を設置するようになったのも、15年に強化されたルールによるものだ。
昨年11月、函館線砂川駅構内の保線工事を行った滝川保線管理室は、ルールを無視して見張り員や簡易式信号機を置かず、貨物列車を非常停止させた。
さらに保線員はルール破りの発覚を恐れて虚偽の報告をしていた。
JRが後に行った調査では、全34保線管理室のうち10保線管理室の保線員が違反をした経験があると判明。
保線員は自らの命を脅かしていた。
「一つ一つの手順が自分たちの命を守る。全てに意味がある」。
案内してくれた同管理室の竹越所長代理が作業とルールの意味を語る。
午前0時半ごろ、2回目の待避で終電を見送り、保線員は作業を加速させた。
■効率化は危険
3月末、北海道運輸局から行政指導の「改善指示」を受けたJRは、煩雑すぎるルールが違反の背景にあったと捉え、効率化を進める方針だ。
現場はどう受け止めているのか。
札幌保線所の町中管理助役は「今のルールは過去の反省の上で出来上がった。効率を求めると危険だ」と指摘。
多くの保線員も「煩雑だが、必要なことだ」と捉える。
願いは「全員が守れるルール」だ。
取材は午前1時半すぎ、約5キロ歩いたところで終えた。
竹越所長代理が言う。
「毎日、始発が定時で出たと聞いて『あぁ良かった』と思う。だから明日も保線に向かう」。
この日の検査でレールの異常は見られなかった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/628e611bda1a4807776f38d496cd56301d7f1f90


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。