2017年5月23日14時30分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年1月、東京・小金井市で回送中の路線バスが歩道に乗り上げたり信号機をなぎ倒したりして120mにわたって暴走し、アパートに衝突した事故について、自動車事故調査委員会が報告書を公表した。
それによると、当時49歳の運転手が運転中に発作を起こして意識を失い、けいれんで足が伸びてアクセルを踏んでしまったことが事故の原因だとしている。
運転手は、健康診断や当日の点呼でも異常はなかったということだが、事故の3分前に視界がぼやける体調の異常を感じていたということで、この時点でバスを停止させていれば事故を防げた可能性があると指摘している。
このため、バス会社に対し、少しでも体調に異常を感じたら、運行の中止や遅れを躊躇せずバスを停止させることを運転手に指導するよう求めている。
その上で、国やメーカーに対し、運転手の異常を検知し自動的にバスを停止させるシステムの開発と普及を進めるよう求めている。
国交省によると、運転手の体調不良が原因でバスが事故を起こしたり運行をとりやめたりしたケースは、おととしの1年間で127件にのぼり、10年前の26件と比べて報告が増えたこともあり、およそ5倍に増加している。
このため国交省は、全国のバス会社などに対し、運転手の健康管理と安全運行の徹底を呼びかけている。
具体的には、健康診断で運転手に異常が見つかった場合は精密検査や治療を受けさせ、安全に乗務できる状態か適切に判断するよう求めている。
また、運転手に対し、乗務中に体調が悪化した場合はすぐに運転を中止し、速やかに運行管理者に報告することを指導するよう求めている。
運転手の体調の異常を検知してバスを自動的に停止させ、事故を未然に防ぐシステムの開発も進められている。
このうち日野自動車が開発中のシステムは、脈拍の測定や車内カメラの画像認識技術などで、運転手が運転席で倒れ込んだりのけぞったりするなどの異常を検知する。
すると、自動音声で「席を立たないで下さい」と乗客に異常を伝え、クラクションを鳴らしたりハザードランプを点滅させたりして周辺の車にも異常を知らせる。
その上で、乗客にシートベルトの着用を呼びかけ、バスが走行車線をはみ出さないように自動でコントロールし、見通しのよい直線道路で停止させる。
そして、警察や消防、バス会社に位置情報を自動で通報する。
このシステムの実用化の時期は決まっていないということだが、日野自動車は「1日も早く実用化し、事故防止につなげていきたい」と話している。
出典
『運転手は異常感じたらすぐ停止を』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170523/3550761.html
5月23日22時55分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年1月に東京都小金井市で回送中の路線バスがアパートに突っ込んだ事故で、国の事業用自動車事故調査委員会は23日、男性運転手(51)がけいれん発作で意識を失ったことが原因とする報告書を公表した。
運転手は直前に体調に異常を感じており、報告書ではバス会社に対し、運転手が異変を感じた際は運転をすぐ中止するよう指導することを求めた。
報告書によると、運転手のけいれん発作は「機会発作」と呼ばれる単発的なもので、発作が起きた原因は不明。
運転手には病歴もなく、直近の健康診断でも異常は見つからなかったため、バス会社が発作を予見することは難しかったとした。
事故は2016年1月7日午後3時45分ごろ、同市の都道で発生。
路線バスが片側1車線を走行中に約120m蛇行し、沿道のアパートに突っ込んだ。
けが人はいなかった。
運転手は道路交通法違反(過労運転)容疑で書類送検され、不起訴処分となった。
出典
『運転手、けいれん発作で意識失う 東京・小金井のバス事故』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23H5Z_T20C17A5CR8000/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。