2017年5月25日7時55分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
24日午前10時頃、横浜市磯子区新磯子町の食品加工会社「Fシステム」から、従業員の不調を訴える119番があった。
警察によると、従業員17人が喉の痛みや呼吸が苦しいなどの症状を訴え、うち19~74歳の男女16人が同市内の病院に搬送された。
全員意識はあり、15人は軽症で、30歳代の男性従業員が経過観察のため入院した。
機材の消毒液を調合する過程で誤った液を混入して塩素ガスが発生し、ガスを吸った従業員が体調不良を訴えたと警察はみている。
警察などによると、冷凍マグロを解体する機材などを殺菌消毒する液を機械で調合する作業中、補充すべき希塩酸ではなく次亜塩素酸ナトリウムを入れ、塩素ガスが発生した。
警察は、業務上過失致傷の疑いもあるとみて、詳しい原因を調べている。
同社は鉄筋4階建てで、調合は3階の魚の解体加工作業場で行われていた。
3階には約35人がいたが、体調不良を訴えたのは調合の機械付近にいた従業員だけだった。
ほかのフロアに影響はなかった。
同社によると、60歳代の女性従業員が同日午前9時40分頃、補充すべき希塩酸ではなく次亜塩素酸ナトリウムの容器を2階の資材置き場から3階に運搬した。
容器には正しい液体名が記されていた。
その後、30歳代の男性従業員が取り違えたまま調合した。
同社の事業統括責任者の渡辺取締役(64)は、報道陣の取材に対し、「お客さまにご迷惑や心配をおかけして、責任を感じております。二度とこういうことのないよう、改善していきたい。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
出典
『消毒液調合でガス発生、食品加工場で16人搬送』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170525-OYT1T50018.html
(ブログ者コメント)
〇ご承知のとおり、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)はプールなどの消毒剤としても使用される薬剤。
同時に使用されることの多いポリ塩化アルミニウムなどと誤って混ぜ塩素ガスが発生した事例は、本ブログでも多数紹介している。
一方、家庭では、たとえばカビ取り剤や漂白剤の主成分につき、そういった薬剤と酸性洗剤などとを併用して中毒症状をきたす事例も、しばしば起きている。
〇容器を持ってきた人と、その容器から薬剤をタンクに投入する人の、2人がともにミスをおかしたダブルヒューマンエラー。
両者それぞれ、どのような理由で間違ったのだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。