2017年5月24日20時8分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2015年3月、香川県三豊市のため池で男児(当時5歳)が水死した事故を巡り、男児の父親(47)が、安全対策が不十分だったとして県や市、地元の土地改良区などを相手取り、計約3065万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、高松地裁であった。
森実裁判長は、ため池を管理する土地改良区に約1115万円を支払うよう命じた。
男児の家族らは、ため池から道路を挟んだ場所に居住し、10年4月には男児の姉(当時3歳)が池に転落して死亡。
その後、父親が再発防止策を県などに求めていた。
判決によると、姉の事故後、県は池に至る階段入り口に門扉を設置したり、フェンスを延長したりするなどの安全対策を取った。
森実裁判長は、一定の対策を認めた上で、男児が1人で階段を上って池に入り、斜面で足を滑らせて転落したと認定。
「幼児が入る可能性も想定し、対策が必要だった」と指摘した。
判決では、男児の逸失利益などを認める一方、父親にも監督責任があるとして減額。
ため池の施設は12年に土地改良区に譲渡され、県と市への請求は棄却した。
判決後、父親は「同様の事故が少しでも減ることを願う」と話した。
土地改良区側は「控訴は理事会などを通して検討したい」としている。
出典
『ため池事故 土地改良区に賠償命令 高松地裁』
https://mainichi.jp/articles/20170525/k00/00m/040/081000c
5月24日16時43分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
判決などによると、池まで上るために設置されている階段の入り口には鍵付きの門があったが、門の横を通り抜けて階段に入れる状態だった。
森実裁判長は、判決理由で「5歳児であれば容易に上れる構造だった」と指摘。
「姉の事故で幼児が転落する危険性は明らかになっていたのに、安全対策が不十分だった」と述べた。
姉の事故は、県が主体となって実施したため池の補修工事中に発生。
階段はその際の工事で設置し、完了後の24年3月に土地改良区へ譲渡された。
判決は遺族について「子供が池に立ち入らないよう見守ることを怠った」とも言及し、賠償額から一部を減額した。
出典
『ため池管理者に賠償命令 香川県の姉弟死亡事故、安全管理に不備』
http://www.sankei.com/west/news/170524/wst1705240064-n1.html
5月25日付で読売新聞香川版からも、設置されていたフェンスの写真付きで、遺族の心情にフォーカスを当てた下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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姉の死後、父親は当時ため池を管理していた県と市に安全対策を強く要望。
外周の一部にフェンスが設けられたが、約230mの全てではなかった。
「対策が不十分だと言い続けたのに、事故が起きた。2人を亡くしてからは、地獄のような日々だった」という。
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父親は、「この訴訟がため池の安全管理などを見直すきっかけになれば、子供たちも浮かばれると思う」と静かに語った。
土地改良区は、「判決内容を精査し、理事会を開いて対応を検討したい」とした。
出典
『「安全見直す契機に」』
http://www.yomiuri.co.jp/local/kagawa/news/20170524-OYTNT50337.html
(ブログ者コメント)
読売新聞掲載写真によれば、土手の周囲には道路があり、その道路に沿ってフェンスを巡らせているが、道路が坂になっている部分で、フェンスが途切れている。
途切れた部分の高さは、見た目、道路から60~70cm程度。
5歳男児なら、よじ登ることができた・・・ということかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。