2016年9月21日7時48分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
歩行者が夜間に道路を横断中、車にはねられた昨年1年間の全国の死亡事故625件のうち、96%の車のライトがロービームだったことが、警察庁の調査でわかった。
同庁は、ハイビームを使っていれば防げた事故もあるとみており、21日から始まる秋の全国交通安全運動の重点項目として、ハイビーム使用を呼びかける。
近年、交通事故による死者は減少傾向にあり、昨年の交通事故の死者は4117人。
このうち、自動車や自転車などに乗っていた死者は2571人で、過去10年で46%減少した。
一方、歩行中の死亡者は1534人で28%減にとどまるため、同庁が、歩行者の横断中の事故に絞って初めて集計、分析した。
夜間の死亡事故625件では、ロービームが597件を占め、残りはハイビーム9件、補助灯6件、無灯火13件だった。
ロービームは40m先までしか照らせないため、歩行者に接近するまで気付かないことが多い。
日本自動車連盟(JAF)の実験では、5人のドライバーが夜間に障害物のあるコースを時速80kmで走行したところ、障害物に気付いて停止できた場所は、100m先まで照らせるハイビームが平均82m手前だったのに対し、ロービームは平均5m手前だった。
昨年の死亡事故が213件と、都道府県別で最多だった愛知県では、夜間の歩行中の死亡事故50件のうち、ハイビームは1件だけで、残りはロービームや消灯だった。
同県警の検証では、このうち26件でハイビームを使っていれば、ドライバーも歩行者も互いに早く気付き、命が助かった可能性が高いという。
警察庁の担当者は、「ハイビームが目に入るとまぶしいため、ロービームで走行する人が多いとみられる。その遠慮が死亡事故につながってしまっている」と分析する。
ヘッドライトの使い分け方について、道交法52条は、対向車や前を走る車があり、そのドライバーにハイビームの光がまぶしく、安全な交通を妨げる恐れのある時はロービームを義務づけているが、同庁の担当者は、「歩行者を早く発見するために、原則、ハイビームで運転し、明るく対向車が多い市街地では、状況に応じて切り替えてほしい」と話す。
普段はハイビームを使い、歩行者に気付いた瞬間にロービームにすることで、歩行者の目に入る光量が変わり、車の接近を早めに知らせる効果も期待できるという。
出典
『ハイビーム使用を…横断死亡96%が「下向き」』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160921-OYT1T50003.html
(ブログ者コメント)
ハイビームを推奨する報道は、本ブログでも過去に何件か紹介済。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。