2018年4月15日付で河北新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
宮城県は14日、気仙沼市内湾地区の魚町地域で建設中の防潮堤(海抜4.1m、長さ312m)のうち、完成済みの一部区間160mで、計画より22cm高く造る施工ミスがあったと明らかにした。
東日本震災後の地盤隆起を考慮しなかったのが原因。
同地域の防潮堤建設は、計画段階で住民と県が高さをめぐり意見対立した経緯があり、関係者の間で批判の声が高まっている。
同日、市役所であった内湾地区復興まちづくり協議会の会合で、河端副知事や県職員が説明した。
防潮堤は、市が進める内湾地区の区画整理事業地内に、県が整備する。
津波襲来時に浮力で立ち上がる1mのフラップゲートを防潮堤上部に設置し、今年9月の完成を目指していた。
施工ミスは、フラップゲート7基が付いた96mの区間と未設置の64mの区間であった。
県が3月上旬に完成した両区間の高さを計測した際に発覚した。
2015年7月に着工し、17年3月に地盤の隆起分22cmを防潮堤の高さから差し引く計画に変更した。
施工業者が見直し前の計画のまま工事し、県の担当者も図面などの誤りに気付かなかったという。
河端副知事は、「県発注の事業で施工ミスが起き、大変申し訳ない。街づくりに遅れが出ないよう対応策を考えたい」と陳謝した。
県は、フラップゲートを取り外すなど再工事を行うと1年を要し、費用は数億円に上ると説明。
他の対応策として、背後地をかさ上げして見た目の高さを抑えるか、22cm高いまま設置する案を示した。
菅原市長は、「納得できないし、非常に残念。県は早急に解決策を講じてほしい」とコメントした。
魚町地域の防潮堤は、住民が県と高さの議論を重ね、受け入れを決めた。
市は、区画整理事業で防潮堤の背後地を盛り土し、見た目の高さを約1mとし、景観を保つ計画だった。
出典
『<防潮堤>気仙沼で誤って22センチ高く施工 隆起考慮せず』
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180415_13036.html
4月15日6時45分にNHK東北からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
魚町地区の防潮堤は、海が見える景観を損なわないようにするため、去年3月、震災後に土地が隆起した分だけ高さを引き下げることが決まった。
このため、県から委託をうけた設計業者が、陸から見た高さが1m30cmだった当初の設計を22cm低く修正する図面を作成した。
ところが県によると、図面の数値に誤りがあり、312mある防潮堤のうち、完成した160mの区間が修正前の誤った高さで整備されていたことがわかった。
図面を確認した県も数値の誤りに気づかないまま工事が進められ、先月、防潮堤の完成後に県の職員が点検していてミスに気づいたという。
出典
『防潮堤 ミスで計画より高く建設』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180415/0000884.html
4月16日19時8分にNHK東北からは、途中で高さを見直した他の防潮堤に問題はなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
村井知事は記者会見で、「一番の原因は、県の担当者と設計担当業者、施工業者の間でしっかりとした意思疎通ができていなかったことだ。施工ミスは非常に残念で、深くおわび申し上げたい」と陳謝した。
そのうえで村井知事は、今後の対応について、「土地の区画整理事業や住宅再建が遅れないようにするためにどうしたら良いか、住民の意向を聞いたうえで判断したい」と述べ、まずは住民の意見を集約する考えを示した。
また、今回の件を踏まえ、土地の隆起により計画を見直した、ほかの県内18地区の防潮堤について改めて測量したところ、施工に誤りはなかったという。
出典
『防潮堤の施工ミス 知事が陳謝』
https://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20180416/0000897.html
(ブログ者コメント)
ブログ者も、工事の途中で施工間違いに気づき施工者に確認したところ、施行者は正しい図面を持っていたという経験をしたことがある。
どうも、バージョンが古い図面のまま工事を進めていたようだった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。