2013年9月28日20時37分に読売新聞から、ALPSが停止したという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力は28日、福島第一原発の汚染水浄化装置「ALPS(アルプス)」に不具合が生じ、27日未明に再開したばかりの試運転を停止したと発表した。
東電によると、不具合が発生したのは、汚染水から取り除いた放射性物質を含む廃液を、処理槽から次の工程へポンプで送り出す部分。
27日午後10時40分頃、廃液が流れにくくなっていることが判明した。ポンプには異常がなく、原因は不明。停止までに約100トンの汚染水を処理したという。
アルプスは、大半の放射性物質を除去できる「汚染水処理の切り札」として、3月に試験運転を開始したが、その後、処理槽の腐食などが見つかり、修理のため停止していた。
東電は、敷地内の貯蔵タンクに保管する汚染水の浄化処理を来年度中に終える方針だが、再び停止が長引けば、処理計画が遅れる恐れもある。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130928-OYT1T00501.htm
2013年9月30日1時13分に毎日新聞から、9月29日19時47分に朝日新聞から、剥がれたゴムシートが原因だったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東電は29日、不具合の原因は、タンク内に置き忘れたゴム製シートが排水口をふさいだためと発表した。
アルプスは、62種類の放射性物質を取り除くことができ、汚染水対策の「切り札」と位置づけられているが、トラブル続きで、チェック体制が問われそうだ。
東電によると、ゴム製シートは、タンク内部を上り下りする仮設のはしごの脚を固定するために使ったもので、大きさは縦横20cm、厚さ3mm。
2枚がテープでタンクの底に固定されており、試運転前に回収することになっていたが、作業員が回収は不要と勘違いしてそのまま残したという。
カメラで内部を調べたところ、1ケ所が剥がれていたという。剥がれた1枚が排水口をふさぎ、流量が低下したとみられる。
東電は今後、ほかのタンクも水を抜き、異物がないかどうか調べる。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130930k0000m040040000c.html
http://www.asahi.com/national/update/0929/TKY201309290090.html
(ブログ者コメント)
協力会社の作業員がタンク内部に忘れものをしていないか、誰が、どのようにチェックしたのだろう?それともノーチェックだったのだろうか?
思い起こせば今から数10年前、ブログ者は化学工場のSDMで蒸留塔トレイ組立て工事の立ち会いをしたことがある。
協力会社の作業員が1段組み立てる毎に、緩みはないか?忘れ物はないか?などをチェックする仕事だ。
その際、一度だけだが、組み立てに使った結構大きな工具を忘れているのを見つけたことがある。
いくら協力会社の作業員が忘れ物防止に気をつけていても、彼らも人間。忘れることもたまにはあるのだ。
確認作業の大切さを、身をもって体験した次第。
しかし、この体験は、まだ現場の人員に余裕があった時代のこと。
今は、そんな悠長なことはできないのかもしれない。
ましてや、福島第一原発という、非定常作業が定常作業となっている感のある現場では・・・。
(2013年10月10日 修正1 ;追記)
ゴムシートは、汚染水タンク内に出入りするためのはしごの滑り止め用で、はしごの脚とタンク床面に挟んでいた。
作業後に回収する必要があったが、作業員は接着剤で固定されている別のシートと勘違いし、残したままにしたという。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。