従業員の方が機械に巻き込まれ悲惨な死に方をした会社の方から、今年10月、下記趣旨のメールを頂戴しました。
事故を起こしたことは深く反省している。
悔やんでも悔やみきれない。
ただ、ブログを見た人からの問い合わせが後を絶たず、通常の業務に支障をきたしている。
従業員の中には、個別に嫌がらせの電話を受けているものもおり、精神的苦痛を訴えている。
記事の削除あるいは社名を非表示にすることは可能か?
こんなことになっている会社があるなど、全く知りませんでした。
予想だにしなかった事態です。
問い合わせ程度ならまだしも、本ブログが原因で嫌がらせの電話まであったとは・・・。
ただちにお詫びメールを返信し、当該記事から社名などを削除しました。
※これまで、たまに2チャンネル的なコメントが書き込まれることがあり、それらは全て非公開扱いにしてきましたが、今になって思えば、その時点で、こういった事態を予測しておくべきだったのかもわかりません。
本件、ブログ者は記事作成上、『忘れられる権利』についても配慮してきたつもりであり、それゆえ個人名は、有識者などを除き、匿名あるいは名字だけを記載するようにしてきました。
ただ、会社名は、それほどのこともあるまいと思い、実名報道のまま紹介してきたのですが、それでは甘かったようです。
よって、10月以降の記事はもちろんのこと、過去記事についても、関係者に迷惑をかけそうなものについては、想定される迷惑のグレードに応じ、以下などの対応をとることにしました。
・社会的責任や影響の大きい大会社、公的機関などを除き、会社名は秘す。
・会社名が特定されそうな地名も削除する。
・名字だけ記載してきた名前も、アルファベット記載に変える。
できるだけ具体的に記された情報のほうが事例を身近に感じることができ、再発防止に有用だ・・・そう思う気持ちに変わりはありませんが、背に腹は代えられないということです。
ただ、記事数が多いので、過去記事の見直し・修正には、あと数ケ月はかかりそうです。
ブログ者の対応はそういうことですが、読者の方にもお願いがあります。
それは、記事を見たからといって、発災会社などに問い合わせしないでいただきたいということです。
気になる事故について、もう少し詳細な状況や原因などを知りたい・・・・その気持ちは大いにわかるのですが、問い合わせるほうは一人でも、受けるほうは大勢を相手にすることになり、特に、規模の小さい事業所では業務妨害になってしまう恐れがあります。
事情、お汲み取りの上、よろしくご配慮のほど、お願い申し上げます。
※本ブログに繰り返しアクセスいただいている方に、そのような方はいらっしゃらないとは思いますが、念のため。
追記)
以前から、なぜ表に出る事故情報は少ないのだろう?と思っていましたが、今回のようなことも、その一因になっているのかもしれません。
(2018年5月13日 修正1 ;追記)
2018年5月12日にmasayukiさんから、本記事に関し、以下のコメントを頂戴しました。
無条件に、社名を隠すのは良くないのではないでしょうか?
会社が 原因を考えて改善したのなら隠すとか、そういうふうにしないと、何も改善されないと思います。
被害者の方が報われません
無条件に会社名を隠していたら、被害者のかたは無駄死にですよ。
逆に改善した ということがまた、明記されれば、「この会社はちゃんと改善してる」と印象は良くなると思います。
以下は返信。
チト長文になりましたので、コメント欄ではなく、この記事に追記することにしました。
(返信)
ブログ者は、ほぼ毎日、以下のネット情報を閲覧しています。
朝日、読売、毎日、産経の全国紙社会面
共同通信の地方版とNHK47地方局
そして気になった事例については、図書館に行き地方紙の記事に目を通すなどして、より詳しい情報の入手にも努めています。
そういった事例・情報収集作業を行ってきて感じたこと。
それは、メディアでは、事故が起きたことは報じられても、大きな事故とか世間に注目された事故でない限り、その後のフォロー報道はさほどされないということです。
したがって、事故を起こした会社が深く反省し、十分な安全対策をとったとしても、そのことが報道されることはほとんどなく、その会社は事故を起こしたことだけが事実として、いつまでもネット上に残っている・・・これが現状です。
事故を起こしても反省せず、再発防止策もとらない・・・。
そのような会社もあるかもしれませんが、あっても、それは、ほんの一握りでしょう。
ほとんどの会社は、消防や労基などの指導・命令のもと、事故の再発防止に真摯に取り組んでいる・・・ブログ者はそのように考えています。
今回ご意見いただいた趣旨は、改善した会社としていない会社を区別し、後者については会社名を明記すべき、ということだと解釈しました。
しかしながら、どの会社が改善していないかは、よほどのことがない限り、報道されることはありません。
そういった理由がありますので、今後とも、原則、会社名は匿名のまま続けることにいたします。
ご意見、有難うございました。
したがって、事故を起こした・・・そのことだけがネット上に情報として残ったままになっています。
そういったブログ者の考え・思いを元記事に追記しましたので、詳しくはそちらをご覧ください。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。