2014年8月2日付で毎日新聞福島中会版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前10時20分ごろ、いわき市小名浜の銅精錬工場「小名浜製錬所」で「白煙が出ている」と従業員が119番通報した。
警察などによると、硫酸を製造する過程で生じる三酸化硫黄を約10%含むガスが配管のバルブから漏れた。
先月29~31日にプラントの定期点検を行った際にバルブを閉め忘れたのが原因という。
噴出は2~3分間続き、同物質が推定0.345m3流出したものの、同社はけが人や環境への影響はないとしている。
今後は、バルブが閉じていないとガスが供給されない装置を導入する方針という。
同工場の別の炉では先月1日、溶けた高温の銅が漏れ、付近の電気ケーブルに引火する火災が発生。
1月にも、また別の炉で水蒸気爆発が起き、作業員1人が負傷する事故が起きている。
(ブログ者コメント)
「バルブが閉じてないとガスが供給されない装置を導入する」という報道から考えると、開いていたのは単なるドレン、ベント弁ではなく、例えば大気放出スタックにつながるバルブとかだったのかもしれない。
先月1日の火災事例は、下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4067/
1月の水蒸気爆発事例は、下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3593/
(2014年8月25日 修正1 ;追記)
2014年8月2日付の福島民報紙面に、下記趣旨の補足的記事が掲載されていた。
同社が硫酸の製造プラントを停止し、約3分後にガス漏れは止まった。
警察などによると、硫酸を製造する過程で出る3酸化硫黄を1割程度含むガスで、屋外の配管から漏れたとみられる。
3酸化硫黄を含むガスは、水と反応すると有害ガスに変わる可能性があるという。
同社では、7月29日から7月31日まで、定期点検のためプラントを停止し、プラントの配管のバルブを開けた状態にしていた。
1日に運転を再開した際、バルブが開いたままになっていたため、ガス漏れが発生した。
同社は今後、空気を送り込むバルブが閉じた状態でしかガスが供給されない機能を追加する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。