2015年10月5日5時30分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし9月27日、大阪・八尾市の大正中学校の運動会で、組み体操の発表中、1年生から3年生の男子生徒157人が参加した10段のピラミッドが崩れ、下から6段目にいた1年生が右腕を骨折したほか、5人が軽いけがをした。
この学校では、去年から運動会で10段のピラミッドを実施していたが、去年は10段のピラミッドが完成した後、上の方にいた生徒が降りている途中に崩れ、6段目にいた3年生が右足首を骨折したほか、前日の練習でもピラミッドが崩れ、一番下の段にいた3年生が足の指を骨折したという。
このほか、肩の上に立ち円形の塔を作る「タワー」の練習中に3年生が落ちて足の指を骨折するなど、去年、組み体操であわせて4人が骨折していたことが分かった。
学校では、ことしの組み体操について9月3日に教員の間で議論したが、生徒に達成感を味わってほしいとして、ピラミッドの周りに配置する教員を増やすなど安全対策を強化した上で10段のピラミッドを継続することなどを決めたという。
横川校長は、「組み体操で起きるけがへの認識が甘かった。生徒に申し訳ない。リスクの高い技に挑戦させてしまったことは判断が誤っていたと反省している」と話している。
組み体操をめぐっては、子どもたちの信頼関係をはぐくむ効果があるなどとして多くの学校が運動会で取り入れる一方で、平成25年度に全国の小・中学校や高校であわせて8500件あまりの事故が起きていて、大阪市教育委員会が、9月、ピラミッドの段数を5段までに制限することを決めるなど、内容を見直す動きが出ている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20151005/5422491.html
2015年10月3日15時37分に産経新聞westから、奈良県でも組み体操時に事故が起きているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運動会・体育大会で披露される「組み体操」の事故防止対策として、大阪市教育委員会が「ピラミッド」の高さに規制を設けたことを受け、奈良県教委が県内公立学校を対象に実施状況を初めて調査した結果、平成26年度は小中学校で7人が骨折していたことが分かった。
県教委は、安全性に配慮するよう、市町村教委などに注意喚起を行うとともに、児童、生徒の体力や状況に応じた適切な指導を行うよう要請した。
調査は小学校202校、中学校104校、高校41校、特別支援学校10校に実施。
昨年度、組み体操を実施したのは小学校182校、中学校30校、高校6校、特別支援学校2校。
実施校の多くで、四つんばいで重なる「ピラミッド」や、肩に乗る「タワー」が取り入れられていた。
具体的な事故内容は、「ピラミッド」で小中学校で21人が負傷し、うち2人が骨折。「タワー」では25人がけがを負い、5人が骨折したという。
出典URL
http://www.sankei.com/west/news/151003/wst1510030044-n1.html
(ブログ者コメント)
組み体操の危険性については、名古屋大学の内田准教授が、昨年5月からYahooニュースに連載記事として寄稿中。
最新の寄稿記事は下記。八尾市の事故についても言及されている。
一方、組み体操の危険性については、八尾市の事故を契機として、毎日新聞社説など、数多くのメディアで取り上げられるようになった。
(2015年9月30日5時30分 Yahooニュース)
『10段の組体操 崩壊の瞬間と衝撃-2人の生徒教師に抱えられて退場 ▽組体操リスク(13)』
この秋も、全国の学校で巨大組体操が繰り広げられている。
ヤフーニュースをはじめ多くのメディアで、巨大組体操の危険性に関する情報が発信されているなか、この秋の体育祭で人間ピラミッドの中学校最高タイ記録「10段」にチャレンジした公立中学校(関西地域)がある。
(略)
9段目までは、比較的順調に積み上がっていった。
だが、最後の10段目の生徒が頂点にたどり着くや、ピラミッドはゆがみ始める。
頂点の生徒はなんとか立ち上がろうとするが、揺れが大きく立ち上がれない。その瞬間、10段のピラミッドは一気に崩れ落ちた。歓声は悲鳴に変わった。
(略)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20150930-00049999/
以下は、主だった関連記事。
(2015年10月2日5時30分 Yahooニュース)
『ハイリスクの巨大組み体操――警告のなかで起きた八尾市中学校の事故』
※ライターの松谷創一郎氏の寄稿記事。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/soichiromatsutani/20151002-00050074/
(2014年9月16日18時49分 JCASTニュース)
『巨大化する組体操ピラミッド、最大200キロの負荷 大学准教授「これのどこが『教育』なのか」と指摘』
http://www.j-cast.com/2014/09/16215983.html
(2014年9月16日6時45分 Yahooニュース)
『組体操 高さ7m、1人の生徒に200kg超の負荷 10段・11段…それでも巨大化 ▽組体操リスク(3)』
※上記記事中にある、内田氏の寄稿記事。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20140916-00039130/
(2015年10月31日 修正1;追記)
八尾市での事故が報道されて以降、全国各地の組み体操事故の実態が、しばしば報道されるようになった。
以下は、その一例。
また、数多くの自治体などで禁止や指針作りの動きが広がっている。
(2015年10月30日 NHK北海道)
『組み体操事故4年で約500件』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20151030/3107451.html
(2015年10月30日 伊勢新聞)
『鈴鹿市教委 組み体操事故4年で92件 骨折は32件、小学校調査』
http://www.isenp.co.jp/news/20151030/news04.htm
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。