2013年12月11日15時14分に読売新聞から、下記趣旨の記事が図解と写真付きでネット配信されていた。
JR加古川線西脇市駅(兵庫県西脇市)で、台風18号が接近中の9月16日未明、営業運転後にとめていた電車(2両)が無人で動き、約2km走るトラブルがあった。
当初、JR西日本内には「強風で動いたのでは」との見方もあったが、現在は「2両で約80トンの電車が風で動くはずがない」と否定的だ。
装着していたという車輪止めがなぜ外れたのかが「最大の謎」で、JR西は、鉄道技術の研究機関と原因究明を進める。
JR西によると、同日午前4時前、輸送指令員がモニターで、同駅3番線から電車が動き出したことに気づいた。
約1時間後、施設係員が1.9km先で止まっている電車を発見した。
神戸地方気象台によると、西脇市は同日午前2時頃から北寄りの風が吹き、午前4時には最大瞬間風速14.9mを記録した。
3番線は緩い下り勾配で、走った区間は単線だった。
停止地点まで計5か所の踏切があり、4か所は列車接近を検知して正常に作動したが、駅を出た直後の1か所は仕組みが異なるため、遮断機が下りずに通過した。
近畿運輸局は、事故につながる恐れのある「インシデント」として、原因特定を求めている。
JR西の調査に対し、電車をとめた男性運転士は「規定通り先頭車両の台車2か所に車輪止めを差し込んだ」と説明した。
車輪止めは鉄製で、横から見ると三角形をしている。最大高さ約15cm、底辺約40cm、重さ4kg。底部の金具でレールを挟みこんで、ずれにくくする仕組みだ。車輪止めは同駅に置いていた。
また、3番線のレールには、何かを引きずったような傷(長さ数10cm)が残り、車輪止めは近くのレール外側に転がっていた。
担当者は「傷が残っているので装着していたはずだが、差し込み方が甘かった可能性はある。ただ、詳しい原因はわからない」と話す。
ブレーキなど車両の不具合は見つからなかった。
再発防止策として、JR西は9月16日以降、車輪止めは先頭車両の4か所に取り付けるよう指示。
車輪止めの構造的な問題を調べるため、鉄道総合技術研究所(JR総研、東京都国分寺市)の協力を求める。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131211-OYT1T00623.htm
(ブログ者コメント)
○風速の一つの目安として、以下の情報がある。
http://www.kyuden.co.jp/effort_renewable_windpower_class
それによると、14.9mなら「樹木全体が揺れる。風に向かっては歩きにくい」程度。
かなり強い風ではあるが、電車が動き出すほどではないような気がする。
単に、車輪止めが外れ下り勾配だったので動き出した、ということではないのだろうか?
○「ブレーキなどの不具合は見つからなかった」という記述が気になる。
自動車の場合は、サイドブレーキをかけていれば下り坂でも動くことはないが、電車の場合はどうなのだろう?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。