2013年7月12日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
(2013年10月16日 修正2 ;追記)
2013年10月9日12時22分にNHK北海道NEWS WEBから、過去に別の部品を補修した影響で当初の想定以上の負荷がかかったことなどが原因で破損した可能性大という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ことし7月、JR函館線を走っていた特急北斗のエンジン付近から突然火が出て乗客およそ200人が避難したトラブルでは、エンジンに送る燃料の量を調整する「スライジングブロック」という部品が金属疲労によって壊れ、燃料が過剰にエンジンに送られたことが出火につながったとみられている。
去年9月と、ことし4月の列車からの出火トラブルでも同じ部品が破損し、JR北海道は当初、原因は部品の不良などと判断していた。
ところが、ことし7月の破損を受けて、同じ型のエンジンを使って実験するなど調査をしたところ、過去にJRがエンジン内の別の部品を補修した影響で、スライジングブロックに当初の想定以上の負荷がかかっていたことが複数の関係者への取材でわかった。
さらに、スライジングブロックへの負荷を軽減する部品も能力が落ちていたとみられ、JRの当初の判断と異なって、複合的な要因によって金属疲労を起こし、破損した可能性が高まったという。
JR北海道は、調査結果を分析して、さらに詳しく原因の特定を進めることにしている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20131009/5136931.html
(ブログ者コメント)
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3023/
(2014年6月7日 修正3 ;追記)
2014年6月7日0時17分に毎日新聞から、国鉄時代の設計ミスだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR北海道の函館線などで2012年9月から昨年7月にかけて特急のエンジン付近から発煙・出火した事故で、同社は6日、出火原因となったエンジン部品の破損は、燃料の制御装置の設計ミスで過剰な力が働くようになり、一部の部品に負荷がかかったためとする調査結果を発表した。
破損したのは、エンジンの燃料供給量を調節する「スライジングブロック」と呼ばれる金属部品。
旧国鉄時代の1986年、列車を高速化させるため、スライジングブロックとつながっている燃料の制御装置「サーボモーター」を大型化した。
その結果、速度を変える際に制御装置内の油圧の変化が大きくなり、過剰な力が働くようになってスライジングブロックに想定の4倍の負荷がかかり、破損につながった。
旧国鉄時代になぜこのような設計ミスをしたかは不明という。
同社は、制御装置内で過剰な力が生じないように改良し、スライジングブロックが破損しても燃料が過剰供給されないようにした。
さらに、エンジンが過剰回転しても強制停止できるようにした。
装置の大型化によるスライジングブロックの破損は、96年と97年にも計3回起きていたことも判明。同社は単純に部品が原因と判断し、交換や補強だけで済ませていた。
JRグループで現在も同型エンジンを使っているのは同社だけで、難波・車両部長は「全体的な原因究明ができなかったことを反省している。(予算が足りず)車両の更新ができなかった。だが、メンテナンスをすれば使っていけると判断している」と述べた。
出火原因の判明を受け、JR北は昨年7月から運転を見合わせていた札幌−函館間の北斗とスーパー北斗の計4往復と、札幌−稚内間のサロベツ1往復を8月1日に再開する。
車両の負荷を減らし、整備に余裕を持たせるために行っている減速・減便は今後も続ける。
同社は、出火事故を起こした特急と同型の36両のうち、お座敷列車などを除く25両でエンジンの交換や部品の改良を進め、運転再開に間に合わせる。
国交省から5日に再開の了承を得ており、来週から試運転をして問題がないか確認する。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140607k0000m040126000c.html
(ブログ者コメント)
JR北海道のHPに、6月6日付のプレスリリースとして、詳細な図解付の文書が掲載されている。
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/140606-1.pdf
(2015年4月24日 修正4 ;追記)
2015年4月23日13時50分に読売新聞から、運輸安全委員会から報告書が公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運輸安全委員会は23日、燃料供給量を調節する部品に過大な負荷がかかり、出火につながったとする調査報告書を公表した。
報告書では、整備の際、JR北海道が異常な燃料供給を防ぐボルトの取り付けを失念する作業ミスがあった可能性などを指摘した。
この事故では、燃料供給量を調節する「スライジングブロック」と呼ばれる部品が破損してエンジンが制御不能になり、ピストンにつながる棒が破損して火花が発生、燃料などに引火した。けが人はなかった。
スライジングブロックの破損による特急列車の事故は、12年9月と13年4月にも起きていた。
JR北は12年の事故後、同部品の交換の周期を早めたが、報告書では「技術的な根拠に欠ける対策で不十分だ」などと厳しく批判。
また、同社は13年4月の事故後に同部品を一斉交換したが、報告書では、その際に異常な燃料供給を防ぐボルトを付け忘れ、7月の事故につながった可能性があると指摘した。
同社はこの事故後、同型車両の運行を止めて原因を調査。
制御不能に陥った場合は緊急停止するなどエンジンを改良し、14年8月から運行を再開している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150423-OYT1T50075.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。