2013年10月8日0時47分に毎日新聞から、こすった車体の写真付きで、また10月8日0時4分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR九州は7日、管内の在来線で、走行の安全確保のために建造物を建設できない基準「建築限界」の内側に電柱などが75カ所あったと発表した。
15日の運行開始を前に試運転していた豪華寝台列車「ななつ星in九州」の車両に電柱が接触し、その後の緊急点検で発覚した。
同社は国土交通省九州運輸局に報告し、文書で指導を受けた。
同社は「今後走行する車両に接触する恐れはないと確認されたが、早急に改良する」としている。
同社によると、9月15日と29日、長崎線肥前麓駅(佐賀県鳥栖市)構内で、試運転中のななつ星が電柱に接触。車体の側面上部が10〜15m傷ついた。
30日には北九州市の鹿児島線戸畑−枝光駅間で、試運転中だった別の列車で側面のランプが、架線を引っ張るため電柱に付けられている重りに接触し破損した。
いずれも接触したのはカーブ地点だった。
接触した電柱などはいずれも社内基準の「建築限界」内側に建てられていたことが判明。ななつ星に接触した電柱は31cm、もう一つの列車に接触した重りは28.5cm、基準を超えてレール寄りにあった。
すでに建て替えたり、小型のものと交換したりした。
ななつ星は他の車両と比べ車体が幅広く、乗り心地を良くする目的で空気バネを使用しているためカーブで内側に傾きやすく、接触したとみられる。
また、もう一つの列車は試験走行で速度を落としていたためカーブで傾き、突起物のランプが接触した可能性があるという。
事故を受け管内のカーブにある電柱などを緊急点検したところ、鹿児島、長崎、日豊の3路線計75カ所で基準値超えが見つかった。
年内にすべてを改良するほか、基準を15cm以上超えている箇所については、職員が常時列車の通過状況を監視するという。
基準超えの電柱は旧国鉄時代の1960〜70年代に建てられたが、当時の設計図などはなく、同社はその後、点検をしたことがなかった。
青柳・鉄道事業本部長は「重大事故にはならないと考えているが、お客様に不安を与えてしまった。国鉄時代のものを確認していなかったのは恥ずかしい」と陳謝した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20131008k0000m040092000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20131007-OYT1T01264.htm
(ブログ者コメント)
基準と違う状態が長年、誰にも気付かれず放置され、トラブルが起きて初めて、その実態を知る・・・。
今回のような事故・トラブルは、過去に何回も起きている。
この種の事故を未然に防ぐには、設備や作業が基準どおりになっているか、行われているかを、計画的、定期的に確認することが一つの方策だ。
しかし、そのための作業量たるや、膨大なもの。
そういった理由からだろうか、本格的に取り組んでいる企業があるという情報は、これまで見聞きしたことがない。
難しいところだ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。