2016年8月20日5時10分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
視覚障害者が駅のホームから転落したり列車と接触したりする事故が、2009年度からの6年間で428件あったことが、国交省への取材で分かった。
東京メトロ銀座線で15日に起きたような死亡事故につながりかねない事態は、各地で起きている。
だが、ホームドア設置などの対策は遅れているのが実情。
関係者からは、「声かけ」の有効性を指摘する声もある。
転落・接触事故全体は、統計を取り始めた09年度が2635件、14年度が3900件と、増加傾向にある。
うち、視覚障害者の事故は、09年度39件、10年度60件、11年度78件、12年度93件、13年度76件、14年度82件で、計428件。
死亡事故に至ったケースもある。
東京視覚障害者協会によると、視覚障害者がホームから転落して亡くなった事故は、1994年以降、今回の銀座線の事故を含め、全国で24件ある。
最近では、15年に大阪・阪急宝塚線の服部天神駅で、白杖を持ってホームにいた男性(当時64)が転落し、列車にはねられ死亡している。
視覚障害者がホームから転落する原因について、同協会の山城さん(60)は、人や物と接触した弾みで点字ブロックから外れ、方向が分からなくなる、逆のホームに入ってきた列車の音を自分のホームに来たと勘違いし、乗り込もうとして線路に踏み出す、などが考えられると話す。
JR山手線の目白駅で2011年1月、全盲の男性がホームから転落死した事故を受けて、国交省は、利用者が多い駅や視覚障害者団体の要望が多い駅から、ホームドアや点字ブロックの設置を急ぐよう、鉄道各社に求めた。
国交省によると、ホームドアの設置率は、1日に10万人以上が利用する駅(251駅)で約3割、3000人以上(約3500駅)だと2割弱にとどまっている。
設置には、ホームの強度や形状などから、大がかりな補強や改修が必要なケースが多く、営業しながら進めるのは難しいことなどが背景にある。
今回の事故が起きた銀座線青山一丁目駅も、計画はあるものの、設置には至っていない。
鉄道各社の費用負担も重く、例えば銀座線全駅への設置には90億円かかり、補助金はあるが、東京メトロも一部を負担しなければならないという。
ただ、事故を防ぐ策はホームドアだけではない。
日本盲人会連合の11年のアンケートでは、回答者252人の37%が「転落したことがある」と回答。
防止策として90%がホームドア設置を挙げ、63%が「周囲の人の声かけ」を求めた(複数回答)。
東京メトロは、今回の事故を受け、視覚障害者に積極的に声をかけるよう、全駅員に指示した。
日本盲導犬協会の白井さんは、「健常者の意識も変わってほしい。『危ないですよ』と言うだけで命を救えるかもしれない」と話す。
出典
『視覚障害者の駅の事故、6年間で428件 転落や接触』
http://digital.asahi.com/articles/ASJ8M4S9YJ8MUTIL013.html?rm=437
(ブログ者コメント)
今から20年ほど前になろうか、朝の東京駅構内コンコースで、しばしば見かける視覚障害者の女性が、誰かとぶつかって方向感覚を失ったのであろうか、グルグル回っているのを見かけたことがある。
その時は、通りかかった人が助け舟を出していたが、ああいった出来事は視覚障害者の方にとって、日常茶飯事的に起きているのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。