2016年4月9日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月9日14時51分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
患者が死亡する事故があった医療機関に院内調査と第三者機関への報告を義務付ける「医療事故調査制度」で、昨年10月の制度開始から半年間の事故報告件数は188件だったと、第三者機関の「日本医療安全調査機構」(東京都)が、8日、発表した。
厚生労働省が制度開始前に試算していた「年間最大2000件」を大幅に下回っており、機構は、調査に消極的な医療機関があることや、制度が浸透していないことが背景にあるとみている。
同制度は全医療機関を対象とし、医療行為で予期せぬ死亡事故が起きた時の報告を求めている。
制度開始前から国の関係機関が収集している医療事故報告や厚労省研究班の病院調査などを基に、届け出が必要な死亡事故は年間1300〜2000件と想定していた。
半年だと650〜1000件に相当し、今年3月末までの届け出は3分の1から5分の1にとどまる。
診療科別で多いのは、内科と外科の各29件(15%)、整形外科20件(11%)、産婦人科15件(8%)の順。
地域別では、関東・信越で82件、近畿で28件、九州で27件の届け出があったが、東北は5件しかなかった。
院内調査が終わって報告書がまとまったのは50件。
遺族側は、報告に納得できなければ機構に再調査を依頼することができ、これまでに2件が再調査となった。
これも、「事故件数の4分の1に当たる年間300件」との想定を大きく下回る。
機構は医療機関側から事前相談を受け付けており、1148件のうち267件が「医療事故として報告すべきかどうか」という内容だった。
院内調査の手法の相談も273件あり、判断や手順についての現場の戸惑いがうかがえる。
同制度の導入時には、国が院内調査に外部委員の参画を求めたことなどに、医療界の一部から「当事者が本当のことを言えなくなる」など反発の声が出た。
機構の木村常務理事は、「届け出の少なさは『医療過誤だと認めることになる』とためらっているケースがあるからではないか。医療機関にアドバイスする役割を担う各地の医師会などが届け出に消極的な地域は、件数が少ない可能性がある」と話している。
【医療事故調査制度】
この制度は、死亡事故が起きた病院や診療所が、第三者機関「医療事故調査・支援センター」(運営は日本医療安全調査機構)に届けたうえで原因などを調査し、結果を遺族とセンターに報告する。
医療の安全確保と事故の再発防止を目的に導入された。
民事訴訟などの紛争や刑事司法の介入を抑制する効果も期待されている。
厚生労働省は2008年、第三者機関が調査主体となる制度案をまとめたが、関係者の同意が得られず撤回。
改めての議論で、事故があった医療機関の院内調査を中心とする制度としてスタートした。
医療機関には対象事故の届け出義務があるが、怠った場合の罰則はない。
出典
『医療事故死 報告188件 想定の3分の1以下 調査制度半年』
http://mainichi.jp/articles/20160409/ddm/001/040/151000c
『医療事故調査、届け出は想定の2~4割 半年で188件』
http://www.asahi.com/articles/ASJ4851VGJ48ULBJ00L.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。