2016年4月10日7時20分に神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
消火器や屋内消火栓、非常ベルなど、消防用設備の点検結果について、消防法で報告が義務付けられている全国の施設のうち、実際に各地の消防本部に報告されているのは、2015年3月末時点で48%、兵庫県内では45.9%にとどまることが、総務省消防庁のまとめで分かった。
火災や地震が起きた際に機器が作動せず、被害の拡大につながった事例は相次ぐが、報告制度の開始から40年が過ぎても,対象の半数以上が法律違反となっている。
消防法では、1975年から、一定規模以上の店舗や事務所などの施設のうち、不特定多数の人が利用する「特定防火対象物」は1年に1度、それ以外は3年に1度、所管の消防本部に点検報告をしなければならない。
点検報告を怠ると、30万円以下の罰金などの罰則が定められている。
だが同庁によると、15年3月末時点で,過去1年間に報告が必要な施設約387万カ所のうち、報告済みは特定防火対象物で52.2%、それ以外では46.7%。未報告は約201万カ所に及ぶ。
各地の消防本部は大量の法令違反に対応できず、刑事告発に至るケースはほとんどないという。
兵庫県消防課によると、県内では伊丹、宝塚市内からの点検報告率は7割を超える一方、西脇、朝来、加西、加東各市や多可町は10%台にとどまる。
管内全ての市町で10%台と、報告率の低さが際立つ北はりま消防本部は、「管内に7千余りの対象施設があり、報告を出さないところに対して追跡して指導ができてない」とし、「このままで良いわけはなく、全施設に点検報告を徹底するよう文書で要請する」と話す。
宝塚市では、07年に少年3人が死亡したカラオケ店火災が起きた。
同店は、点検報告以前に、カラオケ店としての届け出さえしていなかったが、市消防本部はその教訓などから事業者に必要性を説明し、長期間提出しない場合は追跡調査して指導。
担当者は、「点検費用を負担する事業者に納得してもらわないと進まない」とする。
こうした現状に、同庁は、昨年7月に点検報告制度の在り方についての検討部会を設置。
消防や業界団体、学識者らが対策を協議している。
【消防用設備の点検報告制度】
対象となるのは、収容人数が300人以上の建物や地下街などの全施設と、30人以上300人未満でも、劇場や公会堂、飲食店、ホテル、病院など、特定の用途に使われる部分が3階以上か地下にあり、階段が一つしかない施設。
消火器などのほか、自動火災報知設備やスプリンクラー設備、誘導灯などの設置が義務付けられている施設は、それらについても、点検、報告しなければならない。
出典
『消防設備の点検報告、5割超が違反 法律機能せず』
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201604/0008975924.shtml
(ブログ者コメント)
消防庁がまとめた資料がないか、ざっと探してみたが、見つからなかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。