2017年1月25日21時5分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
1月25日17時35分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
広島県福山市の「ホテルプリンス」で、2012年5月13日早朝、ホテル1階の天井裏付近から出火し、鉄筋一部木造4階建てが全焼した火災で、防火設備の不備で宿泊客ら11人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われたホテル運営会社(廃業)元社長の女性被告(68)に対し、広島地裁は25日、「重要な注意義務に違反した」として禁錮3年、執行猶予5年(求刑・禁錮3年)の判決を言い渡した。
判決によると、被告は防火管理全般の業務をする立場にありながら、建築基準法に適合しない防火構造を放置し、火災報知設備の適切な設置や避難誘導に関する従業員の指導などをせずに営業を継続。
火災時に被害拡大や逃げ遅れを招き、急性一酸化炭素中毒で宿泊客7人を死亡させ、宿泊客と従業員計4人に重傷を負わせた。
小川裁判長は、消防設備の点検の必要性などを指摘した消防の査察から約10年間、是正を怠っていたとし、「ホテルを売却するつもりだったので金をかけたくなかった、という自己本位の理由があった」と指摘。
「被告の過失は、防火管理の意識の低さに起因すると言わざるを得ず、厳しい非難を免れない」と断じた。
一方、「被告は反省の念を示している」と、執行猶予を付けた理由を説明した。
閉廷後、被告は報道陣に「亡くなった方々の無念さと遺族の悲しみを思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と声を絞り出して謝罪した。
ホテルプリンスや翌年2013年2月に長崎市であった認知症高齢者グループホームの火災を受け、消防庁は、13年12月、スプリンクラーや火災報知機を設置していないなど重大な消防法違反がある建物を公表するよう、都道府県や政令指定都市に通知した。
施設利用者に建物の危険性を伝え、防火管理者には消防設備を設置させるためだ。
同庁によると、昨年8月末現在で公表制度を導入したのは、全国約740の消防本部のうち38消防だけだが、20年度までに全消防が取り組む見込みだという。
広島市消防局は14年8月に導入し、最初に公表した違反建物18件は全て是正され、今月25日現在の公表は3件にとどまった。
市消防局は、公表により銀行融資が受けられなくなることや評判の悪化を懸念し、自主的に是正する防火管理者が増えたとみている。
一方、制度に限界もある。
同市で15年10月にメイドカフェの客ら3人が死亡した雑居ビル火災では、避難訓練をしていないため消防法違反で指導されたが、火災報知機など設備に問題はなく、公表対象外だった。
市消防局管内には、飲食店や商業ビルなど4万件超の検査対象がある。
市消防局の担当者は、「立ち入り検査には限界がある。建物所有者の防火意識を高めるため、根気強く指導するしかない」と話している。
出典
『福山ホテル火災 元運営会社社長に有罪判決』
http://mainichi.jp/articles/20170126/k00/00m/040/113000c
『7人死亡のホテル火災、元社長に猶予付き判決 広島地裁』
http://www.asahi.com/articles/ASK1T4F9CK1TPITB00C.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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