2017年1月25日10時58分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
有機水銀が水俣病を引き起こすメカニズムの一端を新潟大学の研究グループが解明し、治療薬の開発につながることが期待されている。
水俣病は、メチル水銀などの有機水銀を体内に取り込むことで脳などの中枢神経がダメージを受け、ふらつきやしびれ、それに視野が狭まるなどの症状が出る公害病。
研究グループによると、脳のうち、特に小脳や後頭葉と呼ばれる部分が障害を受けることはわかっているが、どのようなメカニズムで引き起こされるのかは、わかっていなかった。
新潟大学脳研究所の下畑享良准教授らの研究グループは、ラットにメチル水銀を与えて、脳の中で起きる変化を調べた。
その結果、小脳と後頭葉で、血管を新たに作る働きがある「VEGF」というタンパク質が異常に増え、血管の壁を壊して血液内の物質を外に漏れ出させていることがわかったという。
血液内にある炎症を引き起こす物質が脳の内部に入り込み、神経細胞を傷つけて病気を引き起こす可能性が考えられるという。
また、このタンパク質の働きを抑える抗体をラットに投与したところ、水銀中毒の症状が改善されたという。
下畑准教授は、「より効果的にタンパク質の働きを抑える方法を検討し、治療薬の開発や臨床応用につなげたい」と話している。
出典
『有機水銀で水俣病 仕組み解明』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1033280561.html?t=1485381464772
1月25日5時9分に時事通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
水俣病の原因物質メチル水銀で中毒が起きるメカニズムを解明したと、新潟大脳研究所の下畑享良准教授らのグループが発表した。
メチル水銀中毒は有効な治療法がなく、新たな治療薬の開発につながる可能性があるという。
論文は25日、米科学誌プロスワンに掲載された。
メチル水銀は、平衡感覚を調整する小脳や、視覚をつかさどる大脳の後頭葉の障害を起こし、ふらつきや視野狭窄などの症状が表れることが分かっている。
だが、脳の障害がどのように発生するかは、解明されていなかった。
下畑准教授らは、水俣病の重症患者に脳出血が見られることに注目した。
実験でラットにメチル水銀を投与したところ、小脳や後頭葉の血管にタンパク質「VEGF」が異常に出現。
血管を包む膜を破壊し、血液中の有害物質が脳内に流れ出して障害を引き起こすことを突き止めた。
VEGFは血管形成を促進するタンパク質で、VEGFを抑制する抗体をラットに投与すると症状が改善した。
下畑准教授は、「より患者の負担が少なく効果的な抗体療法を検討し、臨床応用につなげたい」と話している。
出典
『メチル水銀中毒の仕組み解明=水俣病治療に期待-新潟大』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017012500063&g=soc
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。