2015年2月14日付で毎日新聞北海道版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市中央区で10日、オフィスビル「札幌ノースプラザ」地下1階の飲食店から出火し、直結する「札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)」(520m)に煙が充満した火災で、当時、防火シャッターなどが作動していなかったことが13日、札幌市中央消防署の調べで分かった。
スイッチが切られていた。
同署は、消防用設備を適正に運用していなかったとして、消防法に基づきビル管理者に警告書を出した。
同署によると、火災の約40分前の10日正午ごろ、ビルで火災感知器が誤作動した。
このため、ビルの警備員が感知器に連動する防火シャッターと避難誘導アナウンスのスイッチを切ったという。
その後、飲食店内で調理中、壁の油かすに引火し、壁など約5m2を焼いた。
警備員は、誤作動の際に切った避難誘導アナウンスの装置は復旧させたが、防火シャッターのスイッチは入れ忘れたという。
地下歩行空間には煙が充満、2011年3月の開通以来初めて、全面閉鎖された。
同ビルの管理会社によると、火災感知器は普段から誤作動が多いため、作動時は連動するシステムを一旦停止させ、警備員が現場確認した後にシステムを復旧させていた。
管理会社は今回のミスを機に、適正な運用方法をマニュアルに明記し、火災訓練をすることにした。
同署も、19日に「チ・カ・ホ」沿道にあるビル10棟の防火管理者らを集めた研修会を開き、初動対応などの徹底を図る。
市道路維持課によると、「チ・カ・ホ」は「歩行者専用道路」に当たり、国道または市道扱い。
このため、消防法や建築基準法の適用対象外で、消防用設備の設置義務はない。
市はこれまで、独自に煙感知器や消火器などを設置し、防災センターを設けて警備員を常駐させているが、スプリンクラーはない。
今回の火災では、警備員が歩行者を13カ所の出入り口から地上に誘導し、換気窓から排煙した。
火災を受け、市は沿道ビルとの管理協定に従い、連絡体制を強化、3月に恒例の防災訓練を実施する。
出典URL
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150214ddr041040005000c.html
2月14日9時10分に北海道新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
これまでの調べでは、ビルの管理会社が防災システムのスイッチを切っていたため、防火扉が閉まらなかった人為ミスも判明。
防災体制を検証した。
複合ビルには、煙感知器の反応で自動的に防火扉が閉まる防災システムが設置されている。
市消防局によると、管理会社がシステムのスイッチを切ったのは10日正午ごろ。ビルの煙感知器が作動し、担当者がいったんシステムを停止させて現場を確認したが、誤作動だった。
その後、スイッチを入れ直すのを忘れたという。
午後0時40分ごろ、実際に出火したが、システムは作動せず防火扉は開いたまま。
警備員がビルの出入り口のシャッターを閉めたものの、歩行空間には大量の煙が流入した。
管理会社は、北海道新聞の取材に「法令上問題ないと認識しているが、マニュアルの見直しを考えている」と話した。
地下歩行空間を管理する札幌市によると、歩行空間に接続するビルは10棟。
市はそれぞれ防災管理に関する協定を結んでおり、ビルで火災が発生した際には、歩行空間の防災センターに電話で連絡すると定められていた。
だが、今回はビル側から連絡がなく、歩行空間内の煙感知器が作動して初めて、歩行空間の防災センターは火災を覚知した。
地下歩行空間に充満した煙を逃がす排煙設備がなかったことも、騒動を拡大させた要因の一つとなった。
歩行空間は歩行者専用道路のため、建築基準法や消防法が適用されず、スプリンクラーなどの防火設備の設置が義務付けられていない。
市は出火当時、8カ所の天窓を開け、市消防局が送風機で煙を排出したが、想定外の事態で、閉鎖解除までに1時間も費やした。
総務省消防庁消防大学校消防研究センターの山田研究統括官は、「法律上義務はないが、火気管理だけではなく、煙を強制的に排出する設備などプラスアルファの備えがあっていい」と提案する。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/592283.html
(2015年3月8日 修正1 ;追記)
2015年3月4日付で毎日新聞北海道版から、鉄板加熱中に周囲に付着していた油汚れに燃え移ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月3日12時24分にNHK北海道NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
この火災を受け、札幌市消防局は3日、市中心部などの地下にある飲食店約700店の緊急査察を始めた。20日まで、調理場の管理状況や避難経路などを確認する。
火災は2月10日午後、店の調理場で従業員が鉄板を加熱中、周囲に付着していた油汚れに燃え移り、壁など約5m2を焼いた。
このため消防は、厨房の排気口などに油汚れがついていないかや、従業員が消火器の設置場所を把握しているかなどを重点において調べていた。
札幌市中央消防署の村瀬消防司令は、「厨房設備を清潔に保って引火に注意するとともに、万が一出火した際には落ち着いて通報し、消火、避難誘導を行ってほしい」と話していた。
市消防局は、今月20日までに市内6区の地下にある飲食店およそ700店舗の立ち入り検査を行い、改善点を指導することにしている。
出典URL
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150304ddlk01040123000c.html
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20150303/5794511.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。