2017年8月16日6時23分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三重県四日市市市で夏休みの学校のプール開放中、小学3年の男児(8)がおぼれ、一時、意識不明の重体になった。
無料で楽しめる貴重な場だが、最近は安全上の問題から縮小傾向にある。
安全に続けるにはどうしたらいいのか。
事故は1日午後、四日市市市の市立小学校で起きた。
縦25m、横13mのプールを柵で仕切り、深さ約60cmを低学年用、深さ約110cmを高学年用として使っていた。
市教委によると、周りの子たちが男児がおぼれていることに気づき、監視していたPTAの保護者が引き上げた。
男児はプールサイドで嘔吐し、保護者は自動体外式除細動器(AED)を試みたが、脈があったため不必要で、救急車が来るまで心臓マッサージを施した。
搬送時、意識不明の重体だったが、現在意識は戻り、容体は安定しているという。
プール開放は、市教委がPTAに運営を委託。
監視員は6人以上と定め、全員が救命講習を受けて心肺蘇生法などを習得するよう求めている。
この日は、保護者6人と学生ボランティア1人が四隅やその間などで監視していたが、周りの児童に指摘されるまで、おぼれたことには気づかなかったという。
市教委の担当者は、「PTAの中には、続けたいという人もいれば、責任問題などのリスクを負担に思っている人もいる。二度と事故を起こさないためにも、PTAと話し合いながら課題を整理し、続けるのかやめるのかも含めて検討する」と話す。
【開放中のプールでの事故は過去にも起きている】
2011年7月、大阪府泉南市の小学校で、小学1年の男児がおぼれて死亡する事故が起きた。
監視を委託されていたビル管理会社は警備業者としての認定を受けておらず、事故時はプールを監視している人がいなかった。
事故を受けて警察庁は12年、有償でプール監視を請け負うには、警備業の認定が必要という通知を出した。
ただ、保護者やボランティアなどの場合は認定は不要となっている。
通知後、警備会社への委託料が上がり、夏休みのプール開放をやめる動きも相次いだ。
スポーツ庁の調査によると、長期休暇中にプールを開放している公立小学校の数は、07年度の約4000校から、14年度は約3000校に減った。
安全対策を見直した自治体もある。
PTA中心の運営委員会に監視を委託する三重県鈴鹿市は、13年度から4年間、市スポーツ課の職員が監視業務について調査。
監視員が入水できる服装でない、携帯電話を見ている、といった問題が見つかり、今年度から監視員の水着着用を明文化するなど、ルールを厳しくした。
その結果、実施は昨年度の28校から7校に減った。
プール開放については、「続けてほしい」という要望の一方、「PTAの負担が大きく、本当はやめたい」という声も寄せられ、開放期間も短くなっていたという。
「開放は前向きにやっていきたいが、保護者の負担も考えて、継続の仕方を考える時期に来ている」と担当者は言う。
保護者が事実上ボランティアに近い形で監視することについて、PTA問題に詳しいライターの大塚玲子さんは、「学校のプールを無料で使えるのは保護者にとってありがたいが、PTAの労働力も本当はタダではない。素人任せで大丈夫なのか、といったことも心配」と話す。
監視について、NPO法人日本プール安全管理振興協会(横浜市)の北條理事長は、「わずかな時間でも目を離せば事故は起こり、発見が遅れれば死につながる。時間的、空間的に空白を作らないことが大切」と指摘する。
▽常に顔と目を動かす
▽水面だけでなく水底まで見る
▽巡回する時はプールのすぐそばを歩き、プールを真っ正面にして横歩きしながら全体を確実に見る
▽プール使用前後の安全点検は指さし確認する
といったことが重要だ。
「一つ一つは簡単だが、プロでもできているとは限らない。全体の意識を向上させる必要がある」
出典
『学校プール開放、安全対策は? 委託大半、やめる動きも』
http://digital.asahi.com/articles/ASK8G3QK8K8GUTIL00P.html?rm=607
(ブログ者コメント)
四日市市の事故は本ブログでも紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。