2017年8月19日7時9分に岐阜新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
18日午後9時半ごろ、岐阜県瑞浪市釜戸町の中央自動車道で、雨による土砂崩れが発生した。
消防などによると、トラックを含む4台が巻き込まれた。
負傷者は6歳から40代の男女11人で、うち1台のワンボックスカーに乗っていた3人が重傷。
中津川市や多治見市などの病院に搬送され、手当てを受けている。
県警高速隊などによると、上り線の斜面から最大で高さ約1.5m、幅約60mにわたり土砂が流出し、下り線まで流れ込んだという。
当時、現場付近では雨が降っていた。
長野方面に向かって上り車線を運転していた男性(25)は、1時間ぐらい車が動かなくなったため、降りて見に行くと、土砂崩れが発生していた。
上り2車線は完全に土砂で埋まり、下り1車線も埋まっていた。
トラックは車線をふさぐように横向きになっていたという。
「車が止まる直前は雨や雷がひどく、前が見えないこともあった。土砂に巻き込まれた車の人が心配」と話した。
同40分から、瑞浪インターチェンジ(IC)~恵那IC間の上下線が通行止めとなった。
現場は瑞浪ICから恵那方面へ約9km地点。
岐阜地方気象台によると、レーダーによる解析雨量で、現場付近の同日午後11時までの24時間雨量は約200ミリだった。
出典
『土砂崩れ4台巻き込む 瑞浪市、中央道11人重軽傷』
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170819/201708190709_30298.shtml
8月21日22時49分に読売新聞からは、崩れた土砂の中に白い粘土状の廃棄物とみられるものが混じっていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
道路に流入した土砂の中に窯業原料の廃棄物が含まれていたことが判明し、岐阜県は21日、廃棄物処理法に基づき、現場近くの窯業原料メーカー「M陶料」への立ち入り検査を実施した。
県廃棄物対策課によると、中央道の路面を覆った約700m3の土砂には白い粘土質の物質が混じり、同社が廃棄物などを入れていたとみられる樹脂製の袋も大量に散乱していた。
袋には同社の名前も記されていた。
付近の3か所に同社の工場があり、土砂崩れが起きた道路脇の斜面の上には「第3工場」が設置されている。
この工場と中央道の間の斜面に、大量の廃棄物などを袋に入れるなどして置いていたとみられる。
18日に起きた土砂崩れでは、この場所が崩落していた。
出典
『中央道土砂崩れ、窯業廃棄物も…メーカーを検査』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170821-OYT1T50105.html
8月22日付で毎日新聞からは、現場上方にある工場が斜面の採石場跡地に長期保管していた産廃が崩落したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜県は21日、現場脇の斜面上方に工場を持つ窯業原材料メーカー「M陶料」(瑞浪市)を廃棄物処理法に基づいて立ち入り検査し、同社が斜面に山積みしていた不要な窯業原料が高速道路上に崩れ落ちたと判断した。
大雨で流出したとみられる。
県によると、同社は10年前から所有地内に規格外の窯業原料を投棄していたと認めた。
県は崩落物について、同社が不適正な状態で長期間保管していた産業廃棄物の汚泥と認定した。
近くの川にも流れ込んでおり、白濁など生活環境保全上の支障を生じさせたとして、29日までにシートで覆うなど、流出防止の応急措置を講じるよう措置命令を出した。
同社は産廃処分場としての許可を得ておらず、県は引き続き調査を進める。
県警も捜査を始め、同社関係者から事情を聴いている。
県によると、斜面をL字形に削り取った採石場の跡地に、同社は、粘土やけい石の粉砕物などで構成する窯業原料のうち、規格外のものを容量1トンの袋に入れるなどして、幅19m、奥行き30m、高さ数mにわたって置いていた。
同社幹部は県に対し、「窯業原料のうち、製造過程で出る取引価値のないものを過去10年間埋めた」と話したという。
登記簿によると、工場下の斜面など一帯は、同社か同社役員が所有している。
土砂崩れにより、恵那IC~瑞浪IC間の上下線が、約34時間、通行止めとなった。
また18日夜以降、現場から約500m南の市街地に濁水が流れ込み、1棟が床上浸水、2棟が床下浸水し、車1台が立ち往生した。
県は、近くを流れる御湯川にも窯業原料入りの袋が落下し、一部をせき止めたり下流に流れたりしたため、市街地が浸水したとみている。
瑞浪市は美濃焼の産地として知られ、陶土が産出し窯業が盛ん。
出典
『岐阜・瑞浪の土砂崩れ 斜面の窯業原料崩落 工場、10年前から投棄』
https://mainichi.jp/articles/20170822/ddm/041/040/099000c
8月22日16時44分に朝日新聞からは、発がん性リスクのあるシリカパウダーも含まれていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
労基署の職員によると、土砂には窯業原料のほかに、同社の製造で、半導体の絶縁材料に使われるシリカパウダーも含まれていた。
同社は労基署に対し、「パウダーは、流出した窯業原料と同じ場所に埋めていた」と説明しているという。
シリカパウダーは微小で、長い期間にわたって大量に吸い込むことによって発がん性やじん肺のリスクが高まるという。
今回は雨により泥水の状態で流出したが、パウダーが大量に含まれていれば、乾燥することで粉じんとなるリスクがあるため、散水やシートで覆う必要が出てくるという。
出典
『中央道の流出土砂、発がんリスクの粉も 労基署が調査』
http://www.asahi.com/articles/ASK8Q41XGK8QOIPE006.html
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。