2014年6月5日付で神戸新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
解体工事中の事故を防ぐため建設業法が改正され、施工業者に新たに許可の取得が義務付けられた。
これまでは土砂の掘削や基礎工事と同じ分類だったが、高層ビルをはじめ、専門性が高い解体工事が増えており、43年ぶりに業種区分が見直された。
4月に神戸・三宮で発生した足場倒壊事故でも、安全管理の不十分さなどが指摘された。
施行後は、解体を熟知した技術者の現場配置が必要となる。
兵庫県内の建物の解体工事数は2009年度以降、右肩上がり。高度経済成長期に完成した建物が“寿命”を迎えていることに加え、「アベノミクス」効果による景気回復も背景にある。
県建築指導課は、「景気にも左右されるが、今後も解体工事は徐々に増えていく」とみる。
建設業法で解体工事は、足場の組み立てや土砂の掘削などと同じ分類だった。
しかし、解体工事は他の工事と手順が逆で、鉄骨の切断や壁の取り壊しなどで突然、建物全体のバランスを失うなど危険性が高く、専門的な安全管理が求められる。
5月29日に成立した改正法は、「とび・土工」から「解体」を独立させた。
発注者との契約費が500万円以上の工事をする業者に対し、「解体工事業」として都道府県知事などから許可を取得することを義務付けた。
現場には、解体の実務経験が3~10年ある者などを「主任技術者」として配置しなければならない。
解体に特化した新たな資格も検討中。
改正法は今月4日に公布され、2年以内に施行される。
今年4月、神戸市中央区の5階建てビル解体現場で足場が倒壊した事故では、工事を請け負った同市北区の業者が「とび・土工」の許可を持っていた。
この業者は2008~12年、アパートや木造住宅の解体、アパートの基礎工事などを主に手掛けていたが、ビルの解体経験は多くなかったとみられる。
重機の誤操作や安全対策が十分ではなかった可能性があるとして、兵庫県警が捜査している。
出典URL
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201406/0007024550.shtml
(ブログ者コメント)
今年4月の神戸市事故は、下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3815/
今回の報道を元に、神戸市の事故について改めて考えてみれば、業務内容が徐々に高度化複雑化していったにもかかわらず、安全管理や安全意識は従前のまま・・・いわば「ゆでガエル」状態だったと考えることができるのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。