2014年12月22日22時33分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京駅開業100周年を記念したIC乗車券「Suica(スイカ)」の販売が途中で中止され、混乱が生じた問題で、JR東日本は22日、記念スイカの限定販売をやめ、希望者全員に販売すると発表した。
来年1月下旬から2週間程度、インターネットや郵送で申し込みを受け付けるとしている。
同社東京支社によると、販売額は1枚2000円、1人3枚までで、当初から変更はない。入金が確認され次第、順次発送するとしている。送料無料。
受付開始日など詳細は、1月20日ごろに改めて発表する。
記念スイカは、赤レンガ駅舎をモチーフにしたデザイン。
同社は20日朝、東京駅の丸の内駅舎で1万5000枚限定で販売を開始。
5000人程度の人出を予想していたが、販売開始時点で約9000人が列を作った。
「安全確保のため」(JR東日本)、約2時間半後に販売を中止したところ、買えなかった人が駅員に詰め寄るなど、大混乱となった。
同社は、2006年に東京駅で丸の内駅舎復元決定などを記念したスイカを、12年には駅舎の復元工事終了を記念した入場券をそれぞれ販売。
いずれも混乱がなかったため、今回も同様の方式で販売したという。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20141223k0000m040053000c.html
12月24日1時31分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
20日に開業100年を迎えた東京駅は、1万5千枚の限定発売予定だった記念のスイカを求める人が殺到し、大混乱になった。
JR東日本は過去の記念入場券を参考に計画を作ったが、購入希望者は想定を大きく上回った。
人出の見通しが甘く、ロープや整理券などの準備不足が露呈。
専門家は、「周到な警備計画が必要だった」と指摘する。
「何でだ」「納得できない」。
20日午前、東京駅丸の内側は怒号に包まれ、騒然となった。
記念スイカの発売から約2時間半後、安全の確保が難しいと判断したJR東が販売中止を決めたからだ。
騒動の原因は、購入希望者がJR東の想定をはるかに上回ったことだ。
同社が参考にしたのは、2012年に東京駅舎を復元した際に発売した記念入場券。
1人10セットまでで計1万2千セットを販売したが、混乱はなかった。
今回は1万5千枚を用意。希望者を3千~5千人と想定していたが、20日は少なくとも9千人が押し寄せた。
人出想定の甘さは、警備計画の不備にもつながった。
列を仕切るロープが足りず、一般客と交じって混乱。
整理券も配られず、購入希望者の不安や焦りも募った。
約40人だった係員を急きょ100人超に増やしたが、十分な対応ができなかった。
雑踏警備に詳しい京都大の木下冨雄名誉教授(社会心理学)は、「群衆を落ち着かせるには、いつごろには買えるという展望を示し、安心感を与えるような誘導が必要。そのためには事前に高度な警備計画を作る必要がある」と指摘する。
徹夜組への対応も混乱に拍車をかけた。
JR東は徹夜待ちを禁止していたが、19日の終電時点で約1500人いた徹夜組を結局は黙認。
ルールを守って朝から並んだ人が買えなくなり、不満が爆発する事態になった。
同社関係者は、「徹夜した人を帰すのは難しかったとはいえ、大きな反省点」と話す。
混乱を受け、JR東は22日に希望者全員が購入できるようにすると発表した。
発表前にはインターネット上のオークションで記念スイカに10万円を超える高値が付いた。
希少価値がなくなり不満が出る可能性があるが、オークション運営会社は、「出品者と落札者間の問題」としている。
出典URL
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG23H18_T21C14A2CC1000/
(ブログ者コメント)
○過去2回の問題なかった時と同様の販売方式で販売したのに、今回だけは大混乱に陥った。
過去2回と今回とで、鉄道ファンの人気度は違っていたのだろうか?調べてみたが、情報は見つからなかった。
それはさておき、同じようにみえることでも、過去に成功したやり方を踏襲して失敗することもある・・・それは産業界にも当てはまることゆえ、参考事例として掲載した。
○ルールを決めた側が、ルールを守らせるよう努力しないようでは、ルールを決めた意味がない。
徹夜組が並び始めた時点で、なぜ、並ぶのを止めさせなかったのだろうか?
そもそも、徹夜はダメというルールだったのだろうか?それとも、午前5時から行列可といったルールだったのだろうか?
ルールを定める場合は、可能な限り、誰にでもわかる判断基準を設定しておくことが大切だ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。