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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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202148647分にYAHOOニュースから「知ってますか? マスクをしたまま水に転落したら呼吸ができない」というタイトルの記事(水難学会会長の寄稿文?)が、写真や解説図付きでネット配信されていた。

マスクをしたまま水に転落したら、場合によっては呼吸ができません。
そして、すぐに沈み溺れます。
なぜでしょうか。
これからアウトドア活動が盛んになるシーズン、万が一の水難事故に備え、知っておきたい緊急行動があります。

 

【実験画像】

飛沫を防ぐためによく常用しているマスクで実証実験をしました。

1ではマスクの端が顔面に密着するウレタン製タイプを装着しました。
プールサイドで立ち、ここから勢いよく落水しました。
転落直後に背浮きになりましたが、それを諦めてすぐに立ってしまいました。
背浮きができた時間は数秒です。

2ではマスクの端に顔面との間に隙間ができる不織布タイプを装着しました。
こちらでは、しばらく安定した背浮きをすることができました。
ただ、マスクを通しての呼吸はできるものの、抵抗が高くて、かなりしづらいのです。

この2つの図に写っている被験者は、背浮きのスペシャリストです。
水難学会にて、ういてまて教室のプログラムを考案し、すべての実技について様々な実証実験を行って安全性を確認してきました。
当然、安全対策を十分にとった上で一連の実験を行っています。

そんな本人でも、顔面に密着するタイプのマスクを装着したら、背浮きをすることができませんでした。

聞くと「呼吸が全くできないよ」との答えが返ってきました。
呼吸しようとすると、水が口の中に入ってきて、水中で呼吸するような(無理です)状況になってしまいました。

 

【マスクの中で何が起こったのか】

落水後にすぐにマスクが水を吸うのと同時に、水が顔とマスクの間に入ります。

ウレタンマスクは吸水性が抜群で、さらにマスクの端が顔面と密着するので、図3に示すように息を吸おうとすると、マスクと顔面との間にとどまった水を吸い、さらにマスクが鼻や口に密着して、マスクに吸収された水をも吸うことになります。

つまり、水中で水を吸い込むのと同じことになります。

ましてや、鼻から容赦なく水が入るので、淡水であれば鼻が痛くてたまりません。

そのため、背浮きを長く行うことも、呼吸をすることもできないのです。

そうなると、苦しさと鼻の痛さに耐えかねて立ち上がることになります。

それがもし、足のつかない池とか川だと、背浮きの達者であっても、溺れます。

一方、不織布マスクのように、マスクの端に顔面との間に隙間ができるのであれば、マスクの端から水が流れ出すために、マスクと顔面との間に水はたまりにくくなります。

呼吸の時に、口や鼻に濡れたマスクが完全密着しないので、背浮きを続けることができます。

ただ、それでも、濡れると水の膜が不織布の目にはある程度張るので、これが空気の流れを妨げます。

従って、背浮きはできても呼吸はしづらくなります。

 

【マスクをしたまま落水したら、どうする?】

背浮きの状態になったら、すぐにマスクを口と鼻から外します。
その方法は2つあります。

4左はアゴにずらす方法です。
右手でも左手でも、マスクの下端をつまみ、アゴに向かってズリ下ろせば、すぐに呼吸をすることができます。

一方、図4右はマスク全体を引っ張って耳かけを耳から強制的に外す方法です。

いずれも緊急行動なので、もたもたすることはできません。
「なんでもいいから外す」と覚えておいて、最も外しやすい方法で外してください。

 

【マスクを外す練習はプールですべきか?】

絶対にやめてください。
ういてまて教室では、図3のような姿勢で、背浮きで救助を待つ方法を学びます。
しかしながら、マスクをしたまま水に入るのは絶対にやめてください。
ういてまて教室ではマスクを必ず外して入水してください。

マスクは、水泳では最も大切だとされる、呼吸の確保を妨げます。
マスクをしたまま入水することなど、これまでの人類の歴史でも流石に経験したことがなく、確立された安全管理の仕方がありませんし、正しい指導方法もありません。

 

【練習なしで本番を迎えたらどうするか。】

そのため、水辺で釣りをするなど、水に落ちる可能性の高い活動をする時には、救命胴衣の着用がこれまで以上に求められます。

5は管理された上で立ち入りの許可された港の防波堤釣り場でのワンシーンです。

ここではマスク着用ばかりでなく、救命胴衣の着用も求められており、入場者はそれらをきちんと守っています。

救命胴衣を着用していても、落水したら、緊急行動としてマスクを外します。
ただ、救命胴衣の浮力のおかげで、落ち着いてマスクを外すことができます。

膨張式救命胴衣の場合には、自動膨張式でなければなりません。

手動膨張式では、膨張させる手間とマスクを外す手間と、緊急時に2つを確実に操作することは水の中では厳しいですし、そもそも、同時にマスクを外すような緊急行動を想定せずに開発されています。

散歩中に水に落ちるなど、救命胴衣を着用してなかったら、図4を思い出し、とにかくマスクを外し、背浮きになって救助を待っていてください。

 

【さいごに】

マスクを着用したまま落水する状況はたくさんあります。

子供同士で水辺で遊んでいたり、親子で釣りに出かけていたり、あるいは洪水や津波災害での避難中もそれにあたります。

プール授業やプール開放で、マスクをしていることを忘れて飛び込んでしまうことも考えられます。

「そんなばかな」というかもしれませんが、本稿で実証試験を行った被験者は、プールに入る前にマスクをしていることを忘れてシャワーを浴びました。

水辺でのマスク着用。
これまで人類が経験したことのないことです。

マスクの着用がすっかり定着した今年の水のシーズンでは、かなり真剣に注意して行動しなければなりません。

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20210408-00231450/ 

 

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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