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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2023626638分にYAHOOニュース(斎藤・長岡技術科学大学大学院教授の寄稿文)から下記趣旨の記事が、隠れため池の例の写真付きでネット配信されていた。

隠れため池。
聞いたことがない言葉だと思います。

田園地帯を流れる川で、なぜか子供の水難事故が続き、それらを調査したら共通項として浮かんできたのが、隠れため池の思わぬ落とし穴でした。

 

【四日市の川で中1男子が溺れた】

『妹助け溺れたか、中1男子死亡 三重、川遊びで』
25
日午後3時半ごろ、三重県四日市市生桑町の海蔵川で「一緒に泳いでいた友達の姿が見えなくなった」と119番があった。
四日市北署によると、駆け付けた消防隊員が水中で中学1年の男子生徒を救助したが、搬送先の病院で死亡が確認された。
溺れそうになった妹を助けようとして自身も溺れた可能性があり、署が詳しい経緯を調べている。
共同通信6/25(日) 20:46配信

続報では、「深みにはまった」と書いている記事が多い印象です。

昨夜、急に飛び込んできたニュースに、週明けの子供たちの安全が気になって仕方がない方々がおられるかと思います。

この時期、急に気温が上がると、放課後に子供同士で川に遊びに出かけて、そこで水難事故に遭うという機会が増えます。

このような事故が多くなると、「何に注意したらいいのかわからない」と、家庭も学校もあきらめムードになることもあります。

そういう時には、「放課後に川とか池に遊びに行ってはダメ」と毎日口酸っぱく言って聞かせるしかありません。

ただ、水難事故には地域性があって、その地域には何となく同じような事故が続く傾向があったりします。

それを地域ぐるみで認識することが、水難事故を起こさないための、実は一番の近道だったりします。

三重県では、過去にも同じような河川で子供が溺れています。

『川に転落か 小3男児死亡 津=中部』
20
日午後350分頃、津市一身田豊野の志登茂(しとも)川で、同市大里川北町、小学3A君(8)が浮いているのを近所の住民が見つけた。
A
君は救助されたが、約50分後に死亡が確認された。
三重県警津署によると、A君はこの日午前、1人で遊びに出かけたが、昼過ぎになっても帰宅せず、家族からの110番で、同署員や近隣住民らが捜していた。
前日まで降った雨の影響で、現場は川幅約40メートル、深さ数メートルまで増水していた。
近くのコンクリートののり面から、山本君の虫取り網が見つかり、同署で、誤って川に転落し、溺れたとみて調べている。
(読売新聞 2020.06.21、一部筆者改編) 

この記事でも、深さが強調されていました。

なにが「同じような河川」なのかというと、「隠れため池」というキーワードの共通項で事故を理解することが可能だという点で、同じような河川と言えるのです。

 

【隠れため池の落とし穴】

1をご覧ください。

これは、四日市市を流れる海蔵川の様子を上空からとらえた写真です。

県道622号の橋が海蔵川にかかっています。

この橋の上流側、つまり左上に堰が見えるかと思います。

この堰は可動堰で、農繁期になると堰を上げて、その上流側に水を貯えるようになっています。

この地域ではどうかわかりませんが、多くの可動堰は農閑期に下げて貯まった水を流します。

普通の流れの川に変わります。

川の顔を持ちながら、夏になると深さのあるため池となる。

これを水難学会では「隠れため池」と呼んでいます。

何が落とし穴かと言うと、水を貯めているにもかかわらず、ため池の概念がないということです。

現在、わが国の多くのため池では、転落防止の柵が設置されたり、万が一の落水に備えて這い上がりのネットを設置したりする動きが出ています。

「ため池に落ちると這い上がれない」という危機感が人々の意識の上に上がっています。

ところが河川の場合には、水を貯めているにもかかわらず、ため池のような概念が意識に上がりにくく、安全対策が遅れる傾向にあります。

20206月に津市で発生した小学生の水難事故の現場でも、やはり、下流に可動水門がありました。

繰り返しますが、意識に上がらない、これはまさに落とし穴と言えます。

子供にとっては、冬の農閑期に水位が低くて安全に見える川と、春から秋にかけての農繁期に水位が高くなっている川の区別がつきません。

「見ればわかるじゃないか」と怒られそうですが、子供にしてみれば「川幅が広がった」程度にしか認識できません。

なぜなら、川は濁っていて、深さがわからないからです。

 

【隠れため池は全国にある】

2は、九州の田園地帯にある隠れため池を撮影したものです。

ここに写っている可動堰は、図1の上空写真に写っていた可動堰と同じ構造のものです。

この可動堰の付近で昨年、小学校の入学式をひかえた女の子が川に落ちて亡くなりました。

堰の下流側の水深がおよそ1 mで、上流側は2 mに達しています。

対岸の写真左上の建物がポンプ小屋になっていて、ここで貯めた水をくみ上げて農地に水を送っています。

付近の道路から川までは、草をはやしていて簡単に近づけないように工夫されています。

とは言っても、近年のため池水難事故防止対策のような対策はとれていません。

2より下流に向かい、堰を左手に見るように撮影された写真が図3です。

河川の法面が絶望的なくらいの勾配をもっています。

川に落ちたら自力で這いあがることはできません。

さらに、堤防にあたる取付道路からは直接斜面となっていて、この斜面の草刈り作業時には川に転落する恐れは十分にあります。

 

【さいごに】

隠れため池の怖いところは、そこに水を貯めているという認識につながらないところです。

どうしても安全対策が後手に回ってしまいます。

子供の死亡事故が繰り返されるばかりでなく、草刈りなど、法面の整備を行う農家の方の命をも脅かします。

農業水利は作物を育て、ひいては私たちの命となります。

大事な水利を守りながら、地域住民の安全、農家の安全を向上することが、今求められているのではないでしょうか。

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20230626-00355233  

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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