2023年6月25日13時47分に読売新聞から回収作業の写真や排出量推移の棒グラフ付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
温室効果ガスの一種で、エアコンや冷蔵庫などの機器の冷媒に使われる「代替フロン」の排出増加が止まらない。
地球温暖化を引き起こす温室効果は二酸化炭素(CO2)の最大1万倍超もあり、削減が不可欠だが、機器廃棄時の回収が進まないためだ。
代替フロンは、オゾン層を破壊する特定フロンに代わり普及してきたが、国や自治体は、回収の徹底や代替フロンに代わる新冷媒の開発促進に力を入れる。
【「Gメン」巡回】
東京都内の自動車販売店の解体工事現場に2021年3月、都環境保安課の通称「フロンGメン」が立ち入り検査に入った。
エアコンの配管が切断されているのを見つけ、検知器を近づけるとランプが点灯。
解体業者に「代替フロンが漏れています」と告げた。
フロン排出抑制法は、業務用の冷蔵庫やエアコンを廃棄する際、機器からフロン類が大気中に漏出しないように回収を義務付けている。
機器のユーザーは、都道府県の登録業者に依頼して、代替フロンを吸引・回収し新製品の冷媒に再利用するか、無害化して廃棄する必要がある。
都は、自動車販売店や解体業者に再発防止を図るよう勧告するとともに、警視庁に通報。
業者らは同法違反容疑で書類送検され、全国初の立件となった。
都は20年度、代替フロンの調査担当を2人から12人に増員し、「フロンGメン」と名付けた。
都内全ての解体工事現場に足を運び、昨年10月までに約1万3000件を調査。
代替フロンを回収せずに機器を廃棄したり、未登録業者に引き渡したりするなどの違反を38件見つけた。
都は、30年までの代替フロン削減目標を、14年度比65%減としている。
同課の渡辺課長は、「目標達成には、回収を徹底するほかない。排出削減の重要性を理解してもらうため、粘り強く指導を続けたい」と話す。
【4倍超】
代替フロンは、オゾン層を破壊するとして生産が禁じられた特定フロンに代わって、1990年代から世界中に使用が広がった。
しかし、CO2の数百~1万倍超の温室効果があるとわかり、97年採択の京都議定書で、排出削減義務の対象となった。
国内では、フロン回収・破壊法(現・フロン排出抑制法)が施行された2002年から、回収の義務化がスタート。
しかし環境省によると、代替フロンの年間排出量(CO2換算)は05年度から右肩上がりに増え続け、21年度には5360万トンと、4倍超に達した。
温室効果ガス全体では減少傾向だが、ガス種別で代替フロンだけが増加している。
原因の一つが、21年度時点で40%にとどまる回収率の低さだ。
ユーザーから機器を引き取った業者が部品だけを転売し、代替フロンを不法投棄するケースが後を絶たず、政府は16年、20年度の回収率を50%とする目標を掲げたが、達成できなかった。
新たな計画では、30年度の排出量を1450万トンに抑制するべく、回収率75%を目標とし、解体業者らを対象にした研修会で法律の周知徹底を図る。
しかし同省フロン対策室は、「目標と現実に隔たりがあるのは事実。達成は大変厳しい状況だ」と、危機感を隠さない。
国際社会では、さらに、代替フロンの生産規制も進む。
16年のモントリオール議定書締約国会議で、日本を含む先進国は36年までに85%を削減することになった。
将来の使用可能量が減るため、同省は今年度、温室効果の小さいアンモニアや水などの「自然冷媒」を用いた機器の購入費用を一部補助する事業を始め、代替フロンの使用抑制を図る。
しかし自然冷媒は、エアコンに使用できないなど、技術的な課題があり、当面は、限りある代替フロンの再利用を繰り返す必要がある。
一般財団法人「日本冷媒・環境保全機構」の高島専務理事は、「代替フロンは社会生活を支えるインフラだ。適切な回収を進めなければ、将来、エアコンや冷蔵庫が使えなくなる恐れもある」と警鐘を鳴らす。
◆代替フロン
フロン類の一種で、水素、フッ素、炭素が結合した「ハイドロフルオロカーボン(HFC)」を主に指す。
液体や気体に変わる際に熱を吸収・放出する性質を利用し、温度を制御するエアコンや冷蔵庫の冷媒に使われる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230625-OYT1T50028/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。