2023年6月27日18時28分に毎日新聞から下記趣旨の記事が、赤く染まった海の写真付きでネット配信されていた。
沖縄県名護市のオリオンビール名護工場から27日、食紅で染められた液体が近くの川に流れ出し、約700メートル下流の名護漁港近くの海が赤く染まった。
同社によると、人体や環境に影響はないという。
名護海上保安署や同社によると、液体はビールタンク冷却装置の冷却水で、タンク内に混入した際にすぐに確認できるよう、食紅で赤く染められている。
冷却装置の故障で27日未明に河川に流れ出たとみられ、午前9時半ごろに流出が止まったことを市職員とともに確認した。
原因を調べている。
冷却水には、食品添加物などにも使われる無味無臭のアルコールの一種「プロピレングリコール」が含まれている。
同社の村野社長は「多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、深くおわび申し上げます」とコメント。
再発防止策を講じる考えを示した。
https://mainichi.jp/articles/20230627/k00/00m/040/154000c
6月27日19時55分に朝日新聞からは、目撃者からの110番通報で海保が現場確認したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
沖縄県名護市の「オリオンビール名護工場」から27日、赤色の液体が流出し、近くの川や漁港が赤く染まった。
液体はビールタンクなどを冷やす冷却水で、食紅で着色されていたという。
「人体や環境に影響はない」(担当者)としている。
同社は液体が流出した詳しい原因を調べている。
名護海上保安署や県警名護署によると、27日午前5時40分ごろ、目撃者から「赤い色の水が川から海に流れている」と110番通報があった。
海保が現場を確認したところ、名護漁港から約700メートル内陸にあるオリオンビールの工場から流出していることが判明した。
オリオンビールによると、流れ出た冷却水には凍結を防ぐために食品添加物が含まれており、誤って流出した際に気付くことができるよう、食紅で着色されているという。
同社は、冷却装置のパイプが何らかの理由で壊れ、冷却水が近くを流れる幸地(こうち)川に流入したとみている。
流出は午前9時半までに止まった。
https://www.asahi.com/articles/ASR6W67HFR6WTPOB001.html
6月27日付で該社HPには、今後は防液堤容量増設や漏れ感知センサー設置などの対策を行うなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。
・・・
今回の流出は、設備の冷却に使用しております冷却水に含まれる「プロピレングリコール(食品衛生法施行規則にも記載されている食品添加物)」の漏れが原因と思われます。
プロピレングリコールは食紅で赤く着色しているため、漏れた冷却水が雨水溝を通じて河川に流出し、海が赤くなる現象が発生したものと考えております。
弊社において漏れが発生した際に、外部に漏れ出ないよう、防液堤を作成し対策を行って参りましたが、今回のような流出が発生したことを受け、今後は、二度とこのような事態が生じないよう、防液堤の容量増設や漏れを感知するセンサーの取付け、漏れを感知した際の冷却水の供給停止を迅速に行えるようにするなど、弊社工場設備の管理強化を進めて参る所存ですので、何卒、ご寛容賜りますようお願い申し上げます。
https://www.orionbeer.co.jp/utility/history/h2023/20230627.pdf
6月29日15時43分にNHK沖縄からは、従業員が河口が赤く染まっているのを見つけた、1年半ぶりに使い始めた配管に亀裂が入っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
オリオンビールによりますと、今月27日午前7時に、名護市東江のビール工場の従業員が近くを流れる幸地川の河口が赤く染まっているのを見つけて会社に報告しました。
30分後、ビールタンクの設備に冷却水を送っている配管から漏れ出ていることを確認し、送水を停止させました。
会社が調べたところ、配管に亀裂が入り、そこから流れ出ているのが確認できたということです。
この配管は、およそ1年半使用されておらず、点検や整備を行ったうえで、ことし3月から再び使い始め、前日の定期点検では異常は見つからなかったとしています。
冷却水には、食紅で赤く着色された食品添加物が入っていましたが、市販の麺類やおにぎり、歯磨き粉などに使用されているもので、人体などに大きな影響を与えるものではないとしています。
これまでのところ、会社には被害の情報は入っていないということで、食紅で着色した理由について、台風などで配管が壊れ、流出した場合に備えての対応だったと説明しています。
オリオンビールは「皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを重ねて深くおわび申し上げます」としたうえで、再発防止に向けてセンサーを設置して監視を強化するとともに、緊急時に対応するための訓練を行っていくことにしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230629/5090023847.html
(2023年9月8日 修正1 ;追記)
2023年9月7日10時57分にNHK沖縄からは、冷却水のポンプをバルブ閉状態で稼働したため配管に亀裂が入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故の原因について、ビール会社は、冷却水を送るポンプ3台のうち1台のバルブが閉じられた状態でポンプを稼働させたため、配管に亀裂が生じたとする調査結果を発表しました。
会社が6日夜発表した報告によりますと、冷却水を送るポンプ3台のうち1台のバルブが閉じられた状態でポンプを稼働させたため配管に亀裂が生じ、およそ24.8立方メートルの冷却水が漏れ出したということです。
流出による影響については、名護海上保安署から法律で定める基準値以下だったという見解を得ているとしています。
また、再発防止に向けて、事故があったポンプの使用を停止し、冷却水が外に出るのを防ぐフェンスを増やしたり、新たに設けたりするなど対策を講じるとしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230907/5090024898.html
9月7日17時9分にYAHOOニュース(琉球朝日放送)からは、配管に冷却水が送られ続けたため亀裂が入ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
オリオンビールは、通常開けておくべき配管のバルブが閉めたままになっていたことが原因だったと発表しました。
バルブが閉まって流れがせき止められている配管に冷却水が送られ続けたために亀裂が入って、そこから約24.8立方メートルの冷却水が漏れたということです。
環境への影響はないということです。
オリオンビールは再発防止策として、今後、冷却水が入ったタンクにセンサーを付けるほか、ハザードマップを書くなどして監視体制の強化をはかる予定で、「多大なご迷惑とご心配をおかけすることとなりましたことを深くおわび申し上げます」とコメントしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0cbc9682eb24d2d74a6e49cbff23ebf18294c967
※以下は報告書抜粋。
亀裂が入ったのはフレキシブル配管とのこと。
(1)事故原因および現状について
弊社内で危機管理委員会を立ち上げて内部調査を進めたところ、6月26日(月)23時頃、冷却水送液 ポンプ3台のうち1台の出口配管手動バルブが閉じられた状態でポンプが稼働したことにより、接続し ているフレキシブル配管に亀裂が生じ、約24.8㎥の冷却水が漏洩したことが判明いたしました。
翌27日(火)9時半に流出が止まったことを行政担当者お立ち合いのもと確認し、以降、下記(2)に 示す通り、再発防止の取組に順次着手しております。
https://www.orionbeer.co.jp/utility/history/h2023/20230906.pdf
(ブログ者コメント)
どのようなタイプのポンプだったのか気になり、調べてみたが、記された情報は見つからなかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。