2023年7月1日22時9分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月28日午後5時ごろ、北海道羅臼町の知床岬先端部で、環境省事業でエゾシカの捕獲事業に従事していた40代の男性作業員1人=斜里町=がヒグマに襲われてけがをしたと、環境省釧路自然環境事務所が明らかにした。
作業員は斜里町内の病院で治療を受け、左腕に2針を縫うけがなどを負ったという。
同事務所によると、ヒグマは雄の成獣(150キロ以上)と推定される。
作業員は襲われた際、持っていたクマスプレーを噴射、ヒグマは逃げたという。
現場は知床半島ヒグマ管理計画における世界自然遺産地域の核心地域。
作業員は、捕獲事業を受託した知床財団に雇用され、エゾシカの捕獲のため、台地上の丈の高い草原で気配を消しながら移動中だった。
不意な遭遇で驚いたヒグマが、防衛のために反撃に出たとみられることから、捕獲は考えていないという。
https://mainichi.jp/articles/20230701/k00/00m/040/202000c
6月30日付で環境省HPには、複数名での行動など安全対策をとっていたが、シカが逃げるため熊鈴は使わなかったなど、下記趣旨の報道発表資料が掲載されていた。
1,概要
令和5年6月28日17時頃、知床岬(羅臼町側)の台地上の草原において、環境省発注のエゾシカ捕獲事業(受託者:公益財団法人知床財団)に従事していた作業員1名(40代男性、斜里町在住)がヒグマに襲われる事故が発生しました。
この事故により、作業員は左腕部に2針を縫う傷のほか、左頬部に擦過傷などの怪我を負いましたが、斜里町内の病院で治療を受け、命に別条はありません。
なお、ヒグマに襲われた際、作業員はクマスプレーを噴射し、ヒグマはすぐにその場から逃げ出したとのことです。
ヒグマは1頭であり、オス成獣(150㎏以上)と推定されます。
事故当時、作業員はシカの捕獲作業中であり、シカが逃げてしまうことから熊鈴は使用していませんでしたが、クマスプレーの携帯やヘルメットの装着、複数名での行動などの安全対策は行っていました。
今回の事故は、知床半島ヒグマ管理計画において、世界自然遺産地域の核心地域であり、ヒグマに対する人為的介入は避けることとされている地域であることや、作業員はシカを捕獲するため、極力気配を消して移動している最中であり、見通しの悪い草原部において不意な遭遇により驚いたヒグマが防衛のため反撃に出たと考えられることから、現時点では、知床半島ヒグマ管理計画に基づく当該ヒグマの捕獲の実施は想定していません。
なお、今回の事故発生を受け、環境省発注のエゾシカ捕獲事業については一時休止とし、今後、専門家の助言も得ながら、安全管理のさらなる強化を図った上で再開時期を判断していく予定です。
2.知床岬への入域に当たっての留意事項
知床岬に入域の際は、以下の事項に留意のうえ、十分ご注意ください。
・知床岬では頻繁にヒグマが確認されていること。
・草丈が成人の肩を越えていて見通しが効かない地域があり、人とヒグマがお互いに気がつかない状況で接近し、至近距離で遭遇する危険性があること。
※ヒグマ対策の具体な内容については、『知床半島先端部地区利用の心得Webサイト』(https://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/bear02/index.html)に記載されています。
https://hokkaido.env.go.jp/kushiro/press_00063.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。