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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2012年6月29日付で読売新聞から、6月28日22時55分にはNHK千葉から、また6月28日16時5分には毎日新聞からオイルフェンスを越えている写真付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
28日午前7時20分頃。市原市のコスモ石油千葉製油所から液状のアスファルトが漏れ、夜までに最大幅約200m、長さ約5kmの範囲に広がった。

同社によると、事故の瞬間、製油所内に何かが割れるようなパンという音が響き、確認したところ、アスファルトの貯蔵タンク(容量1000kℓ)に亀裂が入っていた。
タンクは直径約11m、高さ約10mで、高さ約9mの屋根と周りの壁のつなぎ目の部分に長さ約2mの亀裂が生じ、この亀裂からアスファルトが約15分間噴き出し、流出総量は437kℓに上った。


このタンクは最も海寄りにあり、護岸までの距離は数10m。
昨年3月の東日本大震災以後は使っておらず、再稼働に向けて最近点検を始め、16日からは、中のアスファルトを軟らかくして抜き取る目的でタンクの内部を加熱していた。
事故直前、アスファルトは約160℃まで熱されており、加熱によって内部圧力が高まりタンクが破損、中身が噴き出したとみられる。


事故を受けて、消防と海保は現場海域に拡散防止用のオイルフェンスを設置。アスファルトの回収作業も進めたが、28日では終了せず、29日朝に再開することになった。同社は24時間態勢で回収作業を続けている。

同製油所では、6年前に水素爆発事故が起きたほか、昨年3月には東日本大震災による火災・爆発事故が起きている。
28日に同製油所で開かれた記者会見で、同社の常務は「昨年に続き事故を起こし、近隣住民や多くの方々にご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません」と謝罪した。
ただ、安全対策については「ハード面の安全点検の強化や、法令順守などを徹底するなど、適切な対応を取ってきた」と述べ、問題はなかったとの認識を示した。
また、今回の事故の環境への影響について、同製油所の所長は「ほとんど影響はない」と説明した。

 
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20120628-OYT8T01571.htm
 
 
また、6月29日付の朝日新聞千葉版紙面には、作業の様子について、下記趣旨の記事が掲載されていた。
 
今月16日からタンクの下部からアスファルトをゆっくりと加熱して液化させている最中で、液化した後に別のタンクに移して、タンクの内部に異常がないか点検する予定だったという。
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□固化したものを加熱して溶かす場合、ままあるのが、加熱方法の失敗による破裂事故だ。
たとえば、凍結した水道管を溶かすのに配管の真ん中付近から加熱し始めると、溶けて体積が膨張しても両端が固体では逃げ場がなく、結果、当該部分の圧力が上昇して破裂に至る。
今回事故の原因は不明だが、第1報に接した瞬間、そういったことがブログ者の頭をよぎった。
 
そして、その後、朝日新聞千葉版で「タンクの下部から加熱」という記述を見つけた。
これは、単に、タンク下部に設置されている加熱コイルを活かした、ということだろうか?
それとも、例えば3段に設置されている加熱コイルの一番下のコイルを活かした、ということだろうか?
気になるところだ。
 
□屋根と側壁のつなぎ目部分に亀裂が入ったという件、おそらくは放爆構造が功を奏したということだろう。




(2012年7月7日 修正1 ;追記)
 
2012年7月7日付の千葉日報紙面に、流出量は約72kℓだったという下記趣旨の記事が掲載されていた。
 
同製油所は6日、海上に流出したアスファルトは約72kℓだったと発表した。
同製油所は、海保などと連携してタンクから漏洩した約437kℓのアスファルトの大半を回収。
現在は、海面に残った一部の油膜の回収作業に当たっており、24時間態勢で対応している。




(2012年9月21日 修正2 ;追記)

2012年9月15日付で毎日新聞千葉版から、腐食した穴から漏れこんだ雨水の沸騰が原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

コスモ石油は14日、腐食で開いたタンク上部の穴から浸入した雨水がタンク内で沸騰し、内圧が上昇したことが原因とする調査結果を公表した。
同社は「二度とこのような重大事故を発生させない強い決意で安全操業を確立し、信頼回復を図りたい」としている。

同社によると、同タンクは1967年に製造・設置され、10年ごとに検査することになっていたが、07年の検査を見送ったため、96年を最後に検査されていない状態が続いていた。

しかし、昨年3月の東日本大震災で同製油所の石油タンクが爆発、炎上する事故があったため、同製油所はすべてのタンクの稼働を停止させ、安全検査を実施。
今回のタンクは昨年10月に約15年ぶりに検査された。

その際、9カ所の穴が確認され、テープや板などを張って応急処置したが、長期間放置していたため、タンク内にはすでに1500〜4300ℓの大量の雨水が浸入していたという。

同社は大量の浸水に気づかず、タンクをそのまま利用。
今回の事故では、再加熱した際、雨水が沸騰して水蒸気となり、アスファルトが上部に押し上げられ、屋根板が破裂したという。

同社は「検査計画の策定や確認手順に不備があり、事故を予見できなかった」と誤りを認め、検査の厳格化や危機管理教育の徹底など再発防止策を策定した。


出典URL
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20120915ddlk12040256000c.html


また、コスモ石油HPに、2012年8月30日付と9月14日付で、水蒸気がアスファルトを押し上げる様子の模式図やタンク開口部の写真付きで、事故原因解析結果ならびに今後の対策などが掲載されていた。
以下は、事故原因解析結果の骨子。

□検査計画の策定および確認の手順に不備があり、タンク屋根板の検査が適切に実施されず、屋根板および側板上部付近の保温材下が外面腐食により開孔した。

□当該部分からタンク内に混入した雨水は、アスファルトの密度が0.95と水より小さいため、アスファルト内に沈みこんだ。

□加温に伴い、アスファルト内に沈みこんでいた水が底部に滞留。その後、沸騰した水蒸気によって水の上側にあったアスファルトが上部へ押し上げられ、タンクの内圧が上昇してタンク上部が開口。水蒸気とともにアスファルトが流出した。

□タンク屋根板の腐食開孔部については、応急処置を行っていたため、「タンク内に水が浸入していたとしても少量であり、加温中に蒸発する。」と判断した。


出典URL
http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_120830/index.html
http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_120914/index.html



(ブログ者コメント)

□ブログ者は、水蒸気による内圧上昇が原因ではなかったか?と考えているが、発表された表現だと、アスファルトが原因だったとも読み取れる。
液状あるいは半固体状態のアスファルトが天板に激しく衝突したことが原因だったのだろうか?
模式図を見直してみたが、よく分からない。

□「タンク内に水が侵入していたとしても少量であり・・・」という判断、希望的観測に過ぎたようだ。
手段がないのならいざしらず、タンク底から水抜きすることは可能だったのではないか?もし可能だったなら、加熱前とか加熱途中に、実際に確認しておくべきだった。
それとも、ドレン配管が詰まっていて・・・といった状態だったのだろうか?


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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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