







2012年6月28日2時3分に共同通信から、また6月28日には中国新聞から投入の様子の図解付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午後8時40分ごろ、広島県大竹市の化学会社「O化学」の工場で、塗料用の合成樹脂を作る作業中に可燃性樹脂の粉じんが爆発し、男性社員3人が重軽傷を負った。
警察などによると、けがをした3人は10~30代。2人が顔などにやけどを負う重傷で、1人は軽傷。タンクの一部が損傷したがプラントなどの炎上はなく、付近の住民が避難する必要はない。
同社によると、爆発が起きたのは合成樹脂製造棟と呼ばれる2階建てプラント。
当時、2階にある円筒形の釜八つのうちの一つ(直径約2m、高さ約2m)で、塗料の原料となるエポキシ樹脂を造るため、粉末の原材料ビスフェノールAを投入していたという。
プラント内では7人が作業中。負傷した3人は爆発した釜での製造に当たっていた。
同社は「粉が舞った状態で何らかの原因で引火し、粉じん爆発が起きたのではないか」と説明。
着火源については「静電気は否定できないが、対策をしており、似たような事例は過去にない」としている。
近隣のコンビナートでは、4月に三井化学岩国大竹工場で爆発事故があったばかり。社長は「十分注意していたが、こういうことになり非常に申し訳ない」と会見で重ねて述べた。
出典URL
http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012062701002040.html
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201206280144.html
(ブログ者コメント)
□「似たような事例は過去にない」ということだが、それは「同社にはない」という意味ではないだろうか?
なぜなら、失敗知識データベースには、今回と同様な事故、つまりビスフェノールAをフレコンから投入中に粉じん爆発が起きた事例が掲載されているからだ。
http://www.sozogaku.com/fkd/cf/CC0200076.html
□ビスフェノールAは最小着火エネルギーが数mj以下と非常に小さく、粉じんというよりは可燃性ガスに近い物質だ。静電気でも容易に着火、爆発する。
よってフレコンからの投入時など、取り扱う際には、作業者などの静電気対策はもちろんのこと、粉を大気中に漏らさないような工夫も必要だ。
(2013年11月7日 修正1 ;追記)
2013年11月1日19時40分にNHK広島から、着火原因などに関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、当時の工場長らが十分な安全対策を怠っていたとして、1日、業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、大竹市の「O化学」の工場の57歳の当時の工場長と、58歳の当時の生産管理部長。
警察の調べによると、爆発は当時、タンク内に原料の1つの「ビスフェノールA」という化学物質を入れている際、この粉末に静電気が引火した「粉じん爆発」が原因で、着火を防ぐためのタンク内に送る窒素の量が少なかったため、酸素の濃度が高くなり爆発につながったとみられるという。
調べに対し当時の工場長は、「爆発は予見できなかった」と話し、当時の生産管理部長は「爆発の可能性の予測がついた」と話しているということで、警察は1日、十分な安全対策を怠っていたとして、2人を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。
O化学の河添社長は、「ご心配とご迷惑をかけて申し訳ありません。事故以来、2度と繰り返さないように訓練を増やすなど社員教育の充実を図っています」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/hiroshima/4005739901.html?t=1383342419273
また、2013年11月2日付で毎日新聞広島版からは、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
送検容疑は、昨年6月27日、大竹市の同社工場2階に設置された反応釜(球形タンク)で合成樹脂を製造する際、元工場長は作業手順の指導や注意義務を怠り、また元生産管理部長は装置の安全策を講じるなどの注意義務を怠ったために爆発が生じ、3人の作業員が22日〜約11カ月の重軽傷を負ったとされる。
警察などによると、通常は釜の爆発を防ぐために窒素発生装置で窒素を送り込み、釜内に空気が入らないようにしている。
しかし、同社では基準値よりも少なく窒素を送り込んだため、釜内で静電気による粉じん爆発が発生したという。
出典URL
http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20131102ddlk34040561000c.html
一方、同社HPには、平成24年8月8日付第4報として、原因と対策が下記趣旨で掲載されていた。
外部専門家を交えて検証した結果、現場で発生した静電気が作業補助具により媒介され、製造釜投入口付近に残留していた微量の溶剤ガスに引火し、投入中の原料(ビスフェノールA)の一部に着火。これが落下して原料の粉じん雲の爆発に至ったことが判明した。
この結果を受け、静電気対策と酸素濃度管理を徹底することにより、対策を進めている。
出典URL
http://www.omc-net.co.jp/OMCNO4.pdf
(ブログ者コメント)
上記以外の情報は見つからなかったが、作業方法などに不明な点が多い。
「8つある製造釜の1つ」ということゆえ、バッチ作業だったのだろうか?
「タンク内に送る窒素量が基準値よりも少なかったことが原因」ということゆえ、酸素濃度計ではなく、窒素量によって内部の酸素濃度を管理していたのだろうか?
一方、投入口付近では内部に空気が入り込みやすく、また外部に溶剤蒸気や粉が出てきやすいので注意が必要だが、どのような方法で投入口をシールしていたのだろうか?
静電気の発生状況などとともに、そういった諸点がわからないので、この事例の教訓は他社に活かし難い。
(2014年5月4日 修正2 ;追記)
2014年4月29日付で朝日新聞広島版(聞蔵)から、工場長らが不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
広島地検は28日、当時の工場長と生産管理部長を、不起訴処分とした。
地検は「過失の程度、被害感情などを総合考慮した」としている。
Keyword ; dust explosion , accident , static electricity


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。