2014年7月1日付で夕刊いわき民報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月1日15時6分にNHK福島から、7月2日付で毎日新聞福島版と朝日新聞福島中会版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
1日午前4時半ごろ、いわき市の小名浜製錬の銅製品を鋳造する工場の溶融炉から高熱の銅が漏れ出し、配線ケーブルを焼失した。
出火当時、作業現場には20~50歳代の従業員の男性6人がいたが、けがはなく、およそ3時間後に消し止めた。
警察などによると、溶融炉はドラム缶を横にしたような形状で、直径約2.7m、炉の長さは約3.5m。
銅の熔体を1500~1700℃に加熱する交換式のインダクター(加熱コイル)が炉の下部左右に1基ずつ設置されており、何らかの原因で、その片側から約1200~1230℃の銅が漏れ出したとみられる。
漏れ出した銅はコンクリートの床面に落下、炉の下部に山状に滞留した。
輻射熱により、炉から数m離れた場所に設置されていた配線ケーブルが焼失したが、熔体は堰の範囲内で食い止められ、工場外に漏れ出すことはなかった。
事故当時、炉には約40トンの熔体が入っており、数10トンほどが漏れたという。
また、10mほど離れた場所に銅に添加するためのマグネシウムが置かれていたため、引火を避けるために急遽、移動させたという。
正午現在も炉のある建屋内は熔体の発する高熱で防護服を着た消防隊も入れず、警察などでは、冷却を待って原因や損害状況を実況見分する。
この加熱装置は、1年半から2年ごとに交換が必要で、去年6月ごろに取り替えた時には、特に異常はなかったという。
現場は、石油コンビナートなどが並ぶ小名浜港臨海工業地帯の一角で、住宅街にも接している。
関係者などによると、敷地内から黒煙が上がっているのを近隣住民が見付け、同日午前4時49分に119番通報した。
消防が同製錬所に事実確認をしたところ「現在確認中」などとの返事があり、同社から通報があったのは同5時12分。
小名浜消防署では同5時すぎには出動しており、発生から40分以上も通報が遅れたことなどに対し、同社では「マニュアルでは緊急連絡の仕組みを作ってあるが、その通りにできなかったことは、結果として教育が行き届かなかったこと。大変申し訳ない。反省して二度とこういうことがないよう努めたい」とコメントしている。
小名浜製錬では、ことし1月にも、炉から漏れ出した熔体が冷却用の水と反応して水蒸気爆発を起こし、男性社員が足にやけどをする事故が起きている。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/fukushima/6055640321.html?t=1404248957592
http://mainichi.jp/area/fukushima/news/20140702ddlk07040019000c.html
(ブログ者コメント)
ことし1月の事故は、下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3593/
それにしても、またしても溶解炉関係の事故。
5月の豊橋市での事故の記事中、溶解炉関係の事故が多いと感じている旨コメントしたが、その後も6月に小坂町で起こり、そして今回の事故。
やはり多い。
以下は豊橋市での事故。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3919/
以下は小坂町での事故。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4025/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。