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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2016522180分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

その毒針にかかれば、ショック死することもあるスズメバチ。獰猛な性格でも知られ、自宅に巣でもできようものなら、おちおち洗濯もしていられない。

京都府内のある家庭も、そんなのっぴきならないスズメバチ危機にさらされ、インターネットで見つけた駆除業者に巣の撤去を依頼した。

 

テレビでも取り上げられたことがある業者だったが、安心もつかの間。作業中に何と、自宅が炎上焼失するという本物の災厄に見舞われてしまう。

「故意に近い重大な過失だ」。

家族側は業者側に計約5800万円の損害賠償を求めて、大阪地裁に訴訟を起こした。

 

スズメバチが巣を作ったのは、京都府南部の山田家(仮名)。

70代の夫婦、30代長男と孫娘の4人で暮らしていたその家に、災難は突如としてやってきた。

 

訴状によると、平成26年10月、山田家の愛犬がスズメバチに刺され、数日後に死亡。さらに、長男も刺される被害に遭った。

木造平屋建ての母屋は、かやぶきにトタンをかぶせた構造になっている。

一家は、このかやぶきのどこかに巣があると確信した。

 

長男は、ネットでスズメバチ駆除業者を検索。すると大阪市内のある業者がヒットした。

 

「24時間すぐに対応」「駆除のスペシャリスト」

業者のホームページは、映画の宣伝サイトのような凝ったつくりで、民放のバラエティー番組で駆除作業が取り上げられたことも、動画付きで紹介されている。

 

ここなら、大丈夫そうだ。

長男は安心感を抱き、さっそくその日の夜に業者に連絡をとった。

 

「ハチは夕方に巣に戻ってくるので、その時間以降に駆除した方が効果的です」

業者は、長男にそう伝えた。

 

次の日の夕刻、作業員2人が山田家に臨場した。

だが、スペシャリストであるはずの2人の行動は、素人目にもどこかおかしかった。

かやぶきのどこに巣があるのか特定しないまま作業をスタートさせ、いきなり薬剤のスプレーを散布したのだという。

 

スプレー攻撃を受けたスズメバチは、当然、逆襲を仕掛けてくる。

どこからともなく飛来したハチにおびえたのか、2人は頭上のかやぶきの中に発煙装置をほうり込み、煙幕を張った。

 

これが、災難の引き金となった。

 

散布したスプレーのガスが充満しているところに、発煙装置を投入したのだ。

当たり前の帰結として、引火した。

 

ここで「火が付いてしまった」と正直に申告してくれれば、まだ良かったかもしれない。

だが、作業員らは、当時家にいた夫婦らに火災発生を知らせず、「水を使いたい」とだけ申し出たという。

 

自分たちだけで消火しようと試みたようだが、火はみるみるうちに広がっていく。

そのうち、爆発音がとどろいた。

夫婦らもようやく火災に気づいたが、時すでに遅し。一緒にいた孫娘と命からがら、逃げ出すので精いっぱいだった。

 

スズメバチの巣を駆除するはずが、大事なマイホームを焼失した山田家。

駆除業者と作業員2人を相手取り、自宅の損害や片付け費用、慰謝料など、計約5800万円の賠償を求めて提訴に踏み切った。

 

山田家の代理人弁護士によると、業者側は書面の提出にも応じず、連絡が取れない状態だという。作業員2人も、それぞれ過失は認めていない。

 

スズメバチはハチの中でも大きく、性格も凶暴だ。巣に近寄らないことが一番だが、巣があることに気づかずに、刺されてしまうことも多い。

厚労省によると、26年にハチに刺されて死亡した人は14人。その前の年は24人で、年間20人前後で推移している。

大半がスズメバチの被害とみられ、毒ヘビによる死者の数を上回っている。

 

自治体によっては、ハチの巣の駆除を行っているところもあるが、大阪市などは「土地の所有者、管理者が自らの責任で行うよう、お願いしている」(担当者)と、自己処理が原則。

かといって、素人が駆除できるようなものでもないため、結局は業者に頼ることになる。

 

だが、行政の許認可や資格が必要とされていないため、どの業者がいいか選ぶのは簡単ではない。

消費者センターには、料金トラブルの相談も寄せられているという。

 

害虫駆除業者の研修などを行っている公益社団法人「日本ペストコントロール協会」(東京)は、有害生物の防除技術を持つ「ペストコントロール技術者」の資格認定を行っている。

スズメバチだけでなく、シロアリやネズミなどの防除に関する知識を問い、作業員のレベルアップを図っている。

 

同協会の会員は、全国の約890業者。

今回の業者は会員ではないようだが、協会では、スズメバチの駆除にあたって、依頼者への説明を徹底するよう、会員に求めているという。

 

協会の機関誌には、トラブル防止の指南のほか、スズメバチの巣へ殺虫剤を吹き付ける手順についても、細かく書かれている。

 

協会の広報担当者は、スズメバチ駆除で火災が発生したケースはこれまで聞いたことがないという。

「手順を守ってしっかりやれば家を燃やしてしまうことはないだろうが…」(5月19日掲載)

 

出典

スズメバチ駆除で爆発、自宅炎上 「どこがスペシャリストやねん!」家族怒り心頭、法廷闘争の行方

http://www.sankei.com/west/news/160522/wst1605220014-n1.html

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

スズメバチ駆除中の火災は過去にも起きている。事例は下記参照。

 

201197日 湯沢町のリゾートホテルの火事はスズメバチ駆除の火が原因

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/744/

 

ハチ駆除用殺虫剤に引火し、建物火災発生

(平成20年6月23日付 神戸市北消防署)

http://www.city.kobe.lg.jp/information/oshirase/backno/2008/img/20080623fs01.pdf

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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