2015年10月24日付で毎日新聞岐阜版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
10月24日9時10分に岐阜新聞から、10月24日付で朝日新聞岐阜全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
23日(金)午前10時40分ごろ、岐阜市芥見のゴミ処理施設「市東部クリーンセンター」の粗大ゴミを粉砕する粗大ごみ処理施設棟で、「ベルトコンベヤーが燃えている」と従業員から119番があった。
消火作業中に爆発もあり、壁などが破損したが、けが人はいなかった。
約9時間後の午前8時前にようやく鎮火した。
当時、市立明郷小学校4年生46人と教諭3人が、現場に隣接する管理棟「芥見リサイクルプラザ」を見学していたが、全員避難して無事だった。
市によると、出火した施設は地下1階から地上4階建ての鉄骨造(一部鉄筋コンクリート)で、延べ床面積は4253m2。
1998年から稼働しており、毎週金曜日は点検のために停止していた。
この日は、2階のベルトコンベヤー付近で、ベルトコンベヤーの修繕作業を委託されていた外部業者の男性作業員2人が、鉄板に開いた穴を塞ぐ溶接作業をしていた。
何らかの原因で出火し、その後、ベルトコンベヤーのゴムが焼け、出火から約2時間後の午後0時半ごろに、4階にあった絶縁油700ℓ入りのタンクに引火し、爆発したとみられるという。
その他に市職員8人、シルバー人材センターの職員3人の計13人が施設内にいたが、全員が逃げて無事だった。
市は同0時50分ごろ、隣接する可燃ゴミ焼却施設の稼働を停止した。
市内には粗大ゴミを受け入れる施設が他になく、市は「再稼働の見通しは立っていないが、搬入されたゴミは敷地内に一時保管するなど、搬入は中断しないようにする」としている。
出典URL
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20151024ddlk21040074000c.html
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20151024/201510240910_25979.shtml
(2016年9月10日 修正1 ;追記)
2016年9月6日8時33分に岐阜新聞から、溶接していた板が高温となりコンベヤー内の可燃物に引火したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月5日17時13分にNHK岐阜から、9月6日付で朝日新聞岐阜全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
県警捜査1課と岐阜中署は、5日、防火対策を取らないまま溶接作業を行ったとして、業務上失火の疑いで、現場責任者の男性会社員(39)を書類送検した。
火災は、粗大棟で修繕工事中に発生。
2~4階部分を半焼し、粗大ごみを運ぶベルトコンベヤーなど19機(計約3億8800万円)が焼けた。
けが人はなかった。
書類送検容疑は、昨年10月23日午前10時30分ごろ、粗大ごみを運ぶベルトコンベヤーから小さなごみが落下するのを防ぐための下部の板を溶接する際、コンベヤーの周辺にたまっていた粉じんを除去し、不燃シートで覆う防火対策を怠り、コンベヤーなどを焼損させた疑い。
溶接で板が高温となり、コンベヤー内の可燃物に引火したという。
警察によると、板が腐食していたため、男性は別の男性会社員と作業をしていた。
容疑を認めている。
岐阜市は、運転管理業務を委託していた荏原環境プラント(東京)に復旧計画作成を指示。
同等の処理機能を持つ施設を同社の全額負担で施工するよう、求めている。
市長は、「原因責任者に関し、警察から一定の判断が示された。引き続き、強い姿勢で賠償を求めていく」とするコメントを出した。
出典
『現場責任者を書類送検 岐阜市のごみ処理施設火災』
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20160906/201609060833_27985.shtml
『ごみ処理施設火災で書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/3085409661.html?t=1473110474679
(2017年1月22日 修正2 ;追記)
2017年1月18日付で朝日新聞岐阜全県版(聞蔵)から、市とメーカーが責任問題でもめているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜市は、17日、原因を作った荏原環境プラントに費用弁償を求めると発表した。
同社が復旧工事の要請に応じないためで、訴訟も検討するという。
市環境事業政策課によると、16年1月の段階では、同社が復旧工事を行うことで口頭で合意していたが、その後、協議が停滞。
今日、「復旧要請には応じられない」という内容の回答書が同社から届いたという。
火災は、ごみを運ぶベルトコンベヤー付近で、同社の溶接作業中に発生した。
同社は、火災の原因は近くのごみや粉じんなど、何らかの可燃物があったためだとし、可燃物を除去するのは市の責任だと主張しているという。
同社は、「民事上の過失及び責任はないと考えている」と話した。
(2018年3月10日 修正3 ;追記)
2018年3月8日18時57分にNHK岐阜から、現場責任者だった男性が不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岐阜地検は、「男性が火災の発生を予測することが可能だったと認めるには証拠が十分でなく、過失の認定は困難だ」として8日、不起訴にした。
3月9日付で朝日新聞岐阜全県版(聞蔵)からは、事故時のやや詳しい状況が下記趣旨でネット配信されていた。
市の委託業者の現場責任者と作業員がベルトコンベヤーを囲むスチール板を修繕するために溶接作業をしていて、火災が発生した。
出典
『ゴミ処理施設火災で責任者不起訴』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/3085870271.html
2023年5月31日16時59分にNHK岐阜からは、47億円近い損害賠償訴訟に関し7.5億円の支払命令が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平成27年10月、岐阜市芥見のごみ処理施設、「岐阜市東部クリーンセンター」で粗大ごみを処理する建物の1階から4階が焼ける火事がありました。
岐阜市は、施設の一部の運営を委託していた「荏原環境プラント」の作業員が溶接作業を行う際、周辺の燃えやすいものに火がつくのを防ぐ対策を怠ったのが原因だったとして、会社側に47億円近くの損害賠償を求める訴えを岐阜地方裁判所に起こしていました。
31日の判決で、岐阜地方裁判所の鳥居裁判長は、「溶接作業の火花などが届く範囲に燃えやすいものがあることを予想できたにもかかわらず、その確認や取り除く作業を十分行わなかった」などとして、被告の会社側に重い過失があったと指摘しました。
また、「燃えやすいものがあると認識しながら会社側への情報提供を怠った」などとして、市役所の過失も認めた上で、会社側に約7億5000万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。
31日の判決について岐阜市の柴橋市長は、「弁護団と判決内容を精査し、今後の対応を考えたい」とするコメントを出しました。
一方、会社側の弁護士は、「岐阜市の主張が認められたところもあれば否定されたところもある。判決文を精査して対応を検討する」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20230531/3080011362.html
(ブログ者コメント)
アスクル倉庫火災でもそうだったが、おそらくは孫請け、ひょっとするとひ孫請け会社の作業員or and監督者の作業環境確認不足による事故。
原因は単純だが、損害額が甚大だったという点で共通している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。