2015年10月21日3時55分に毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は20日、福島第1原発事故の廃炉作業に従事し、血液のがんである白血病にかかった40代男性の労災を、同日付で認定したと発表した。
第1原発事故後の作業で被ばくした作業員のがん発症で、労災を認めたのは初めて。
原発事故から今年8月末までに福島第1原発で働いた作業員は4万人を超えているが、廃炉の完了は見通せない状況で、被ばくに伴う労災申請が今後増加する可能性がある。
厚労省によると、男性は2012年10月〜13年12月、建設会社の社員として第1原発で原子炉建屋カバーや廃棄物焼却設備の設置工事などに従事。
作業中は防護服や鉛ベストを着用していたが、体調を崩し、血液のがんである白血病と診断された。
男性は、別の原発を含めて約1年6カ月間、原発で作業し、累積の被ばく線量は19.8mSv(第1原発だけでは15.7mSv)。
現在は、通院治療中という。
厚労省は、白血病に関する原発労働者の労災認定基準について、1976年に「年5mSv以上で、被ばくから発症まで1年超経過していること」と定めた。
福島労働局富岡労基署は、男性の労災申請を受けて、作業内容などを調査。
放射線医学の専門家らで作る厚労省の検討会の意見を踏まえ、認定基準を満たしていると判断した。
男性には、医療費や休業補償が支払われる。
今回の認定について、厚労省は「被ばくと白血病の因果関係は明らかではないが、労働者補償の観点から認定した」としている。
厚労省や東電によると、事故後に第1原発で働いた作業員は今年8月末時点で4万4851人おり、累積の被ばく線量は平均約12mSv。
このうち、約47%の2万1199人が、白血病の労災認定基準の年5mSvを超えているという。
事故後に第1原発で働いた作業員でがんを発症し労災を申請したのは、今回認められた男性以外に7人いる。
このうち3人は労災が認められず、1人が自ら申請を取り下げ、残る3人は審査中だという。
今回の認定について、東電は20日、「労災認定されたのは協力企業の作業員で、詳細をコメントできる立場ではない。今後も作業環境の改善に努める」とのコメントを出した。
[原発労働者の労災認定基準]
厚労省は、原発労働者を含む放射線業務従事者について、労安法に基づく被ばく線量の上限(年50mSvかつ5年100mSv)とは別に、放射線障害による疾病ごとの労災認定基準を設定。
白血病以外のがんでは、悪性リンパ腫で「年25mSv以上」、食道がんや胃がんは「100mSvト以上」などとしている。
原発労働者の労災認定は、福島第1原発事故以外でこれまでに13人(白血病6人、悪性リンパ腫5人、多発性骨髄腫2人)いる。
出典URL
http://mainichi.jp/shimen/news/20151021ddm001040187000c.html
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