2018年3月29日10時13分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
平成28年8月、第2管区海上保安本部のヘリコプターが宮城県沖で2人を救助した後、海岸に胴体着陸したトラブルで、機体から車輪を出さずに高度を約45m以下に下げた場合に鳴る警報音が救助時に機長の指示で消され、元に戻されていなかったことが、29日、運輸安全委員会が公表した調査報告書で分かった。
安全委は、「多数の作業が集中し、救助から着陸へ意識を切り替える余裕がなくなり、車輪の状態を確認しなかったと考えられる」と指摘した。
報告書によると、トラブルは28年8月9日午後に発生。
海保のアグスタ式AW139型ヘリ(職員7人搭乗)が、宮城県七ケ浜町の沖合の波消しブロックにいた男性2人をつり上げて救助後、近くの海岸に胴体着陸した。
救助の際に警報音が鳴ったため、機長は会話の妨げになると判断し、他の乗員に消すよう指示。
着陸後、車輪の出し忘れに気付いた。
出典
『機長が車輪警報音を消し、元に戻さず 28年、海保ヘリの救助作業後胴体着陸』
http://www.sankei.com/affairs/news/180329/afr1803290009-n1.html
(ブログ者コメント)
公表された報告書は下記参照。
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/detail.php?id=2163
以下は、ポイントと思われる部分の抜萃。
着陸前に機長は、・・・など、多くのことに意識を向けなければならなかったため、チェックリストによる着陸手順の確認を失念した。
また、副操縦員は、トルクの監視に意識が向いていて、AWG(音声警報)を消音したこと及びチェックリストを実施すべきことに気が付かなかった。
機長は、接地してから目線がいつもより低く感じたため、脚操作レバー、脚の表示灯及び脚警報装置を確認したところ、脚が下りていないことに初めて気が付いた。
副操縦員及び他の搭乗員は、着陸後に機長から聞いて気が付いた。
陸行班は、普通に着陸したと思った。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。