2015年11月18日18時49分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
湯たんぽや使い捨てカイロ、それにこたつなど、身近な暖房用品や加熱器具で高齢者がやけどをする事故が相次いでいて、本格的な冷え込みを前に、消費者庁が注意を呼びかけている。
消費者事故の調査に協力している全国の30の医療機関などから消費者庁に寄せられた報告によると、ことし9月までの6年間に、65歳以上の高齢者が身近な暖房用品や加熱器具でやけどをした事故は、合わせて338件に上っている。
こうした事故で2人が死亡したほか、54人は症状が重く、入院したという。
事故の中で最も多いのが、湯たんぽや使い捨てカイロ、それにこたつなどによる「低温やけど」で、119件に上っている。
「低温やけど」は、心地よいと感じる温かさでも、皮膚の同じ場所が何時間も温め続けられると熱いと感じないままやけどになってしまうもので、皮膚が薄くなっている高齢者で特に起きやすくなっている。
具体的には、使い捨てカイロを腰に貼ったまま寝てしまったり、湯たんぽに足が触れたまま寝てしまったりしたときに起きやすいという。
中には、70代の男性が、こたつに入ったまま寝てしまい、朝、起きたら、足の指先から血が出ていて、病院で重いやけどと診断され、手術で指先を切断したケースもあるという。
また、仏壇のろうそくやガスこんろの火などが衣服に燃え移ってやけどした事故も合わせて20件報告され、死亡した2人はいずれもこのケースだったという。
消費者庁の板東久美子長官は記者会見で、「高齢者は、皮膚が薄くなっていることに加えて、運動機能や感覚機能が落ちているため、長い時間、熱にさらされてしまい、やけどが重症化しやすくなっています。本格的に冷え込むこれからの時期は、高齢者本人はもちろん、周囲の人たちも十分に注意を払ってほしい」と呼びかけている。
「低温やけど」は、自覚症状がないまま皮膚の細胞の破壊が進んでいくため、場合によっては、皮膚の深い部分まで傷つき、重症化することもある。
消費者庁によると、「低温やけど」になるまでの時間は、皮膚に触れているものの表面温度が44℃の場合は3時間から4時間、46℃の場合は30分から1時間となっている。
製品事故の防止に取り組んでいる製品安全協会によると、湯たんぽの表面温度は、熱湯を注いだ6時間後でも60℃から70℃あり、タオルなどを巻いたとしても、皮膚に伝わる温度は「低温やけど」のおそれがある42℃以上になっている可能性があるという。
このため、「低温やけど」を防ぐには、熱を持った暖房用品が長時間、皮膚に触れ続けないようにすることが重要だ。
湯たんぽの場合、製品安全協会は、「布団が温まったら外に出して就寝するのが望ましい」としている。
長時間、使用する場合は、一定時間ごとに湯たんぽの位置を変えるよう、呼びかけている。
湯たんぽをタオルなどで包むと、「低温やけど」をするまでの時間は長くなるが、必ずしも「低温やけど」を防ぐ効果はないという。
また、使い捨てカイロの場合、業界団体では、直接、肌に触れないように使用するとともに、就寝時やこたつの中、それに暖房器具の近くでは、使用しないよう呼びかけている。
このほか、電気毛布について消費者庁は、就寝時には低い温度に設定するよう、呼びかけている。
衣服への着火を防ぐには、火がつきやすい衣服を身に着けないことが重要だ。
消費者庁によると、毛足が長い生地や飾りが多い衣服は火がつきやすく、ゆったりとしたデザインの服も垂れ下がった部分から着火を招きやすいという。
もし、衣服に火がついた場合は、頭から水をかぶり、水がない場合は、床や地面に体を押しつけて火を消す。
走り回ると、かえって火の勢いを増してしまうおそれがあるという。
一方、仏壇のろうそくからの着火を防ぐ対策としては、LEDを使った仏壇用の明かりに切り替え、ろうそくの使用をやめる方法もある。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151118/k10010311341000.html
(ブログ者コメント)
2015年11月18日付で消費者庁HPに、『高齢者のやけどに御注意ください!』というタイトルのニュースリリースが掲載されていた。
全6ページで、事例も紹介されている。
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/151118kouhyou_1.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。