2013年1月12日7時1分にNHK松山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛媛大学と東北大学の研究グループは、岩手県と秋田県にまたがる国立公園の湖や沼で、発がん性が疑われている金属が急増していることをつきとめ、分析の結果、一部は、中国大陸から日本に飛来した金属であることがわかった。
調査したのは、愛媛大学上級研究員センターの加講師らと東北大学の研究グループで、岩手県と秋田県にまたがる国立公園「八幡平」の湖や沼の底にたまった堆積物を調べた。
その結果、発がん性が疑われている金属「アンチモン」のほか、「スズ」などが急激に増えていることを突き止め、このうち「アンチモン」の量は、2000年には1930年の4倍に増えていた。
さらに、堆積物に含まれていた鉛の同位体を調べたところ、中国由来のものであることがわかった。
「アンチモン」は、中国大陸から大気の流れにのって運ばれてきたものだと考えられるという。
このアンチモン、半導体の製造などで使われる金属だという。
加講師は、「中国から日本へ飛来するものが今後われわれの健康や生態系にどう影響するのか解明する必要がある」と話している。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/matsuyama/8004727041.html
(ブログ者コメント)
IARCなどの発がん性物質リストにアンチモンの名は見当たらない。
この点、『発がん性が疑われている金属「アンチモン」』という報道は間違っているようだ。
三酸化アンチモンであれば、同上リストにグループ2B(ヒトに対する発がん性が疑われる)として分類されている。
一方、以下の情報によれば、アンチモンの用途の90%が三酸化二アンチモンらしい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001a1yb-att/2r9852000001a227.pdf
これらのことから考えると、「堆積物から金属アンチモンを検出したが、アンチモンは世の中では発がん性を疑われている三酸化アンチモンとして多用されている」といった報道にすべきだったのかもしれない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。