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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2021611231分にNHK静岡から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

駿河湾に注ぐ富士川の中下流域にたまる泥の中に、人体に影響を与えるおそれがある化学物質が含まれていると報道されたことを受け、静岡県の川勝知事は記者会見で、上流の山梨県と連携して調査を行う方針を明らかにしました。

この中で川勝知事は、「静岡新聞」が山梨県から駿河湾へと注ぐ富士川の中下流域に堆積する泥の中に、人体に影響を与えるおそれがある化学物質が含まれていると4月報じたことを受け、「重く受け止めている。生活や健康への不安を解消するため、徹底した調査が必要だ」と述べ、上流の山梨県と連携して泥と水質の調査を行う方針を明らかにしました。

具体的な調査の方法や時期などは決まっていないということですが、調査が進めば、必要に応じて富士川を管理する国土交通省や、環境省に結果を伝えるということです。

また、関連の報道で指摘されている富士川の濁りとサクラエビの不漁の関係性についても、「サクラエビの稚魚だけでなく、さまざまな生物に影響を与えているとみるのが当然だ」と述べ、因果関係を解明していく考えを示しました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20210601/3030011743.html 

 

※静岡新聞の4月の記事は見当たらなかったが、同紙518日付の記事で詳しく報じられていたので、そちらを紹介する。

『富士川汚泥、発生源は山梨 投棄の凝集剤と一致 生態系への影響深刻【サクラエビ異変 母なる富士川】』

サクラエビの主産卵場の駿河湾奥に流れ込む富士川中下流域の広範囲に堆積している粘着性の汚泥の成分が、富士川に流入する山梨県の雨畑川で採石業者が約8年にわたり不法投棄していた高分子凝集剤入りポリマー汚泥の成分と一致したことが17日、東京海洋大と静岡新聞社が協力して行った分析で判明した。

山梨県は2019年6月、行政指導で採石業者に野積みの汚泥を撤去させ、事態の幕引きを図ったが、対応の検証を迫られるのは必至だ。

研究者は、粘着性汚泥が富士川の生態系に深刻な影響を及ぼしていると指摘。

採石業者は魚毒性物質を含む複数の凝集剤を使用していたことが判明しており、サクラエビ漁師にとって、駿河湾に栄養分を運ぶ存在だった「母なる富士川」は一転、不漁との因果関係の究明が必要な事態に至った。

静岡新聞社が雨畑川と早川、富士川の約20カ所で120以上の粘着性汚泥のサンプルを採取した。

東京海洋大の榎牧子准教授(高分子化学)の研究室で高分子の粒子を抽出、光学分析などを実施し、凝集剤の主成分で石油由来のアクリルアミドポリマー(AAP)を特定した。

採石業者はアルミ加工大手日本軽金属出資のニッケイ工業。

少なくとも11年9月から約8年にわたり、不法投棄を続けていた。

榎准教授の下で高分子化学を専門とする佐藤駿佑氏(30)は、重点的に比較検討する対象を
①山梨県が19年に撤去完了を宣言した不法投棄現場付近の汚泥
②不法投棄現場から約30キロ下流の富士川本流中下流域(同県南部町)の汚泥
とした。

富士川の堆積汚泥に吸着した高分子成分を、「塩析」など、複数の過程を経て遠心分離で析出。

さらに光学的な分析を行ったところ、不法投棄現場で混ぜられたAAPが含まれる凝集剤の存在が「否定できない」結果となった。

この地域で大量のAAPを排出した事業所は、ほかに存在しないとみられる。

汚泥を実地検証した佐藤氏は、「高分子凝集剤が残留していることが強く疑われる」とした上で、「富士川の河川環境は壊滅的な状況だ」と述べた。

【「コメント控える」 日軽金】

高分子凝集剤入りポリマー汚泥を大量に不法投棄したニッケイ工業に出資する日本軽金属の蒲原製造所は、ポリマー汚泥が河川に残留していることに「新聞報道での情報しか把握できていない。コメントは差し控える」と、17日までに文書で回答した。

 

<メモ>アクリルアミドポリマー(AAP)

産業排水の固液分離や汚泥の脱水処理などに広く用いられる化学物質。
分子量1000万を超え、粘度が高く、紙力増強や流出した油の回収、農業や土木工事での土壌流出防止のための凝固剤などにも使われる。
毒性は不明。
分子量が70程度まで分解したアクリルアミドモノマー(単量体、AAM)は強い毒性を持ち、毒劇物取締法で劇物に指定されている。

(「サクラエビ異変」取材班)

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/902827.html

 

※上記記事では、採石業で凝集剤を使用していたと読み取れるが、どんな使い方をしていたのだろうか?

その点か気になり、調べたところ、以下の報道によれば、コンクリート会社から出た廃棄物を砂利業者の敷地内に不法投棄していた、ということだった。
ただ、不法投棄期間が、上記報道では8年以上だが、以下の報道では4年となっている点などが気になる。

2020222日 毎日新聞山梨版)

早川町の雨畑川沿いに産業廃棄物のコンクリート成分が含まれた汚泥が不法投棄されていた問題で、県は21日、排出元のコンクリート製造業者と受け入れた砂利採取業者の2社に対し、厳重注意と再発防止策を求める申し入れをしたと発表した。

2019年12月までに汚泥は撤去されたが、撤去量は想定の4分の1程度にとどまり、残りは河川に流出した可能性があるという。

県環境整備課によると、2社はコンクリート製造業者「共栄南部生コンクリート」(甲府市)と砂利採取業者「ニッケイ工業」(早川町)。

同課によると、コンクリート製造業者が排出した泥状のコンクリートを雨畑川沿いの敷地を管理する砂利採取業者の許可を得て、15年3月~19年4月、計633回にわたって不法投棄していた。

19年10月に県の行政指導を受けた後、両社が撤去した汚泥の量は県に提出した撤去計画の約3800立方メートルを大きく下回る約864立方メートルだった。

19年7月の不法投棄発覚後、下流域の水質調査で異常は確認されていないという。

同課の河西課長は、「一定の原状復帰はなされたが、長きにわたり河川に廃棄物が流出しており、極めて遺憾。事業者に対し猛省を促し、再発防止策の報告を求めた」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20200222/ddl/k19/040/143000c

 

※さらにその前、2019712日に静岡新聞からは、捨てられたのは生コンを作った後の残コンだった、砂利採取会社の社長は元山梨県の治水課長だったなどの報道が地図や残コンの写真付きであったと、水源連HPに掲載されていた。(静岡新聞の記事自体は閲覧不能になっていた)

駿河湾サクラエビの不漁により、静岡、山梨両県が濁り調査を進めている山梨県早川町の雨畑川に汚泥投棄が発覚した問題で、新たに現場から約600メートル上流に大量の生コンとみられる廃棄物が投棄されていることが11日、明らかになった。

同県環境整備課が同日、現場を確認し、廃棄物処理法や河川法違反の可能性があり、近くの採石業者ニッケイ工業(東京都)が事情を知っているとみて聴取を開始した。

雨畑川は早川を経て富士川に合流し、駿河湾のサクラエビ漁場付近に流れ込む。

関係者によると、投棄されていた生コンは数千トン以上とみられ、コンクリート業者が生コンを作った際、余剰となり使われなかった「残コン」とされる。

コンクリートは強いアルカリ性を示し、下流の自然環境に悪影響を及ぼす恐れがある。

同県は12日以降に掘り返し、規模などを確定する。

関係者によると、残コンには大量の砂利がかぶせられ、周囲から見えないようカムフラージュされていた。

汚泥の不法投棄とみられる問題が発覚した前後に、同社側が覆った可能性があるという。

残コンには、工事現場でコンクリートの強度を測定する円筒形のコンクリ塊(テストピース)も交じり、納入先や工事場所などが記されていることから、生コンプラントを特定できる見通し。

山梨県環境整備課の担当者は、取材に対し「生コンは自然界にあるものではない。重くみている」とし、徹底究明する意向を示した。

 

<メモ>生コンクリート(生コン)
セメントに砂利と砂、水を混ぜて練ったもので、固まっていないコンクリート。
生コン車で出荷し、使われずに工場に戻された残コンは、廃棄物処理法に基づき産業廃棄物として処理するか、コンクリート製品などとしてリサイクルする必要がある。

 

■専門家「相当に悪質」 ニッケイ工業「指導従う」

山梨県早川町の雨畑川で11日までに、産業廃棄物の大量投棄の疑いが相次いで判明した問題。

専門家から「組織としてやっていたとすれば相当に悪質」との声が聞かれる。

関与が指摘されるニッケイ工業は行政の指導に従う姿勢を見せている。

全国の排水処理や不法投棄問題に詳しい愛知県のコンサルタント会社の担当者は、「河川への流出可能性がある場所にコンクリートを捨てていたとすれば、明らかに違法」と指摘。

「排水や廃棄物処理には経費がかかるが、生コンは小規模事業者でも気を使って処理している」とした。

静岡県内の自治体で長年、産業廃棄物行政に携わってきた別のコンサルタントは、「液状で排出され固まってしまうとすれば、相当高濃度だったと推定できる」とした上で、「片付けたからおしまいではなく、過去にさかのぼり、どのような行為が重ねられ影響はどうであったか総合的に確認し、告発や行政処分の必要性を判断すべき」と話す。

コンクリートは強いアルカリ性を示すため、「河川水のpH(ペーハー)に影響すれば、下流の生き物は死んでしまう可能性がある」と懸念した。

同社の幹部は同日、事情を聴かれた山梨県職員に対し、「全く知らなかった。社内調査を実施したい。行政の指導に従う」と述べた。

 

■社長は元山梨県治水課長

自社プラントの洗石の過程で出た汚泥(ヘドロ)や生コンクリート(残コン)の雨畑川への不法投棄関与が指摘されているニッケイ工業。
代表取締役の三井氏(74)は11日、取材に対し、「(いずれも)全く承知していなかった。最近は現場に行っていないので、状況が分からない」と述べた。
法人登記簿によると、三井氏は2010年9月から代表取締役を務めている。
三井氏は元山梨県職員で、治水課長を最後に退職。
日本軽金属(東京都品川区)に再就職し、同社が山梨県早川町で運用する雨畑ダムの近くに砕石プラントを持つニッケイ工業に移った。
同県ホームページなどによると、同課は河川管理に関する許認可や河川の美化、水害防止などを所管。
今回発覚した残コンの不法投棄問題を同県環境整備課とともに調べている部署。

http://suigenren.jp/news/2019/07/15/11917/ 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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