2013年9月5日付で毎日新聞大阪版夕刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市西成区千本中2(旧・千本通7)の旧アスベスト(石綿)製品工場300m以内に居住歴がある10人に石綿の吸い込みによる体の異常「胸膜プラーク」があることを、NPO職業性疾患・疫学リサーチセンター関西支部長の水嶋潔医師らが確認した。
東京都内で開催される職業災害医学会で12月1日発表する。
別の住民1人が昨年、石綿関連がんの中皮腫で死亡しており、この圏内で確認されたアスベスト被害は計11人となった。
患者団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」は「集中的な被害が出ている証拠」として、環境省や大阪市に同地域に関し本格的な調査を行うよう申し入れる。
大阪市内の同じ地域で石綿関連の体の異常が10人以上の住民にみつかったのは初めて。
この工場は、1964年まで石綿製の耐火材を作っていた大阪パッキング製造所(現・日本インシュレーション、大阪市浪速区)。近くに住んだことのある70代の男性が中皮腫を発症し、昨年死亡したことが既に分かっていた。
家族の会は男性の発症を機に相談会を実施。相談を基に今年、水嶋医師が診察した。その結果、直接診察した住民・元住民10人のうち6人を胸膜プラーク(胸膜が厚くなる病変)と診断し、CT画像だけを見た住民3人についても胸膜プラークと判断した。さらに、家族の会によると、別の50代男性も別の医師から胸膜プラークと診断された。
このうち、1人の女性は肺がんを発症しており、石綿健康被害救済法による救済認定を申請している。
また、直接診察した残り4人も「胸膜プラークの疑い」だった。
同工場の南350mには、1994年まで別の石綿製品会社「万年スレート」の工場があり、元労働者2人が肺がん、1人が中皮腫で労災認定され、厚労省が公表している。
住民らは、同工場周辺の石綿被害についても行政に調査を求める。
水嶋医師は「胸膜プラークを確認できたのはおそらく一部で、大都市の中では相当の人数になるのではないか」と話している。
家族の会事務局の片岡明彦さんは「大阪市内では過去に多数の石綿工場が操業しており、今まで集中的な被害が表面化しなかったのが不思議だった。今回は限られた範囲で希望者を募っただけなので、多くの住民が健診を受けられるよう、行政が取り組むべきだ」としている。
出典URL
http://mainichi.jp/area/news/20130905ddf001040003000c.html
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