2013年9月5日8時13分にmsn産経ニュースから図解付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
栃木県矢板市などで4日発生した竜巻・突風被害。
関東地方では2日にも埼玉、千葉両県で竜巻被害が発生したばかりだった。
なぜ、関東で竜巻被害が相次いだのか。
西側に山地がある関東平野では南から湿った空気が入り、上昇気流が渦を巻きやすいなど竜巻の原因となる条件が比較的そろっているという。
気象庁は5日も現場周辺に職員を派遣し詳しく調べる。
気象庁によると、関東地方では4日、北陸から東北へ延びる停滞前線に向かって四国付近の温帯低気圧から暖かく湿った空気が流れ込んだ。大気の状態が不安定で積乱雲が発生しやすく、2日の竜巻被害とほぼ同じ状況だったという。
観測レーダーは正午ごろから午後1時過ぎにかけ、栃木県を南から北へ発達しながら通過する積乱雲を観測。午後0時25分には積乱雲の内部に渦状の上昇気流「メソサイクロン」とみられる気流を確認。竜巻を生じさせることが多い巨大積乱雲「スーパーセル」が発生した可能性が高い。
午後0時20分には、栃木県鹿沼市と塩谷町で竜巻とみられる突風被害が発生。情報を得た気象庁は午後0時47分、栃木県に竜巻注意情報を発表したが、予報は今回も間に合わなかった。
専門家によると、関東地方は竜巻が発生しやすい環境が比較的そろっている。
関東平野は西側に標高1000m級の関東山地が群馬県から神奈川県にかけてそびえている。西からの風が山に遮られ、海に面している南側から湿った風が流れ込むことになる。一方、上空では西からの風が関東山地を越えて吹き込んでくる。
南風が何らかの要因で上昇気流になると、上空で西風とぶつかり、回転が加わって渦を巻きやすくなる。さらに湿った気流が流れ込み続けて積乱雲が発達。雲の中でメソサイクロンとなると、積乱雲はスーパーセルへと成長する。
平野部では気流が地形の影響を受けにくいことも要因。気象研究所予報研究部第3研究室の加藤輝之室長(48)は「関東はどこで竜巻が起こってもおかしくない」と話す。
とはいえ、竜巻被害は関東だけでなく全国に広がる。
気象庁によると、平成3~24年に全国で確認された竜巻と突風計349個のうち関東は48個。4日には高知県と三重県でも竜巻とみられる突風が発生した。
竜巻は全国的に増加傾向。地球温暖化で海水温度が上昇し、大気中の水分が増えるのが要因と考えられる。
また、竜巻は昼過ぎに発生しやすい。
日射で地表の空気が温められて上昇気流が生じるため。気象庁の統計では午後1~3時台がピーク。民間気象会社「ウェザーニューズ」の内藤邦裕気象予報士(48)は「特に内陸部では上空と地表の気温差が激しくなり、積乱雲の発達が促される」と説明した。
気象庁は5日も近畿から北海道の広範囲で竜巻の恐れがあると予報。「発達した積乱雲が近づく兆しがあれば建物内に避難してほしい」と呼びかけている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130905/dst13090508150001-n1.htm
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