2013年10月25日付で朝日新聞新潟全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
23日午後6時15分ごろ、見附市今町の金属製品製造会社の男性社員(48)から、「従業員が製品を洗う桶の中で倒れている」と119番通報があった。
警察の調べでは、倒れていたのはパート従業員の男性(47)。全身にやけどを負っており、搬送先の病院で死亡が確認された。
同日午後5時から薬液の塩化メチレン入りの洗浄液で金属製品を洗う作業をしており、何らかの理由で桶の中に落ち、塩化メチレンに浸かってやけどしたとみられる。
(ブログ者コメント)
塩化メチレン、通称メチクロは洗浄力の強い化学物質で、ブログ者が勤務していた工場でも大量に取り扱っていた。
しかし、注意すべき性質としては、揮発性や地下浸透性が高いこと、中毒性や皮膚刺激性があること程度の認識しかなく、このように浸かるとやけどするという情報は初耳だ。
kis-netで確認したが、下記程度の記述のみ。
「液体の皮フに対する刺激作用は弱いが眼に対する刺激あり」
http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/kisnet/hyouji.asp
何社かのMSDSを確認しても、やはり下記程度の記述のみ。
「ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、中等度の刺激性がみられたが、皮膚に対する腐食性はなかった」
http://www3.kanto.co.jp/catalog/msds/J_10158.PDF
ただ、以下のような記述はあった。
「水と長時間混触すると、徐々に加水分解を起こして塩酸を生成する」
http://www.st.rim.or.jp/~shw/MSDS/04098061.pdf
塩酸が生成して・・・・ということだろうか?
(2013年11月3日 修正1 ;追記)
2013年10月24日付の新潟日報紙面に、やけどで死亡したと明記された記事が、下記趣旨で掲載されていた。
病院に運ばれたが、薬剤を浴びたことによるやけどで死亡した。
警察によると、男性は工場内の建物で、塩化メチレンで金属製品を洗浄する作業を1人でしていた。
刺激臭がしたため同僚が様子を見に行ったところ、塩化メチレンが入った浴槽の中で意識のない男性を発見した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。