2017年1月25日付で東奥日報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後3時10分ごろ、平川市小国川原田の旧小国小中学校校舎屋上で、雪下ろし作業をしていた平川市職員の20代男性が、天窓から約12m下の1階コンクリート床に転落。
同5時前に搬送先の病院で死亡が確認された。
出典
『雪下ろし中の平川市職員男性が転落、死亡』
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2017/20170125021852.asp
2017年2月1日付で朝日新聞青森全県版(聞蔵)から、事故の背景など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
職員は命綱なしで作業していたことが分かった。
市は、経費削減を理由に自前で雪下ろしをしていたが、市民には求めていた命綱などの安全装備を用意していなかった。
今回の事故を受け、雪下ろし作業を外注に切り替えるなど、他自治体にも影響が及んでいる。
事故は1月25日午後に発生。
雪下ろし作業中のTさん(27)が天窓のガラスを突き破り、吹き抜けで約12m下の1階コンクリート床に転落して死亡した。
同市によると、当時、屋上の積雪は約130cmで、天窓の上にも同程度の雪が積もっていた。
市財政課は、Tさんが昨年12月にも同じ場所の雪下ろしをしていたり、昨夏に雨漏りの調査に訪れたりしていたことから、「どこに天窓があるかは分かっていたはず」と言う。
斎藤・市総務部長によると、雪下ろしは、原則、業者に発注しているが、平屋など、危険性が低いと判断した場合は、経費削減のため、職員が行うことにしていた。
今回は3階建てだったが、「これまでも天窓の破損状況を確認するために訪れている場所だったため、改めて業者に発注する考えがなかった」と言う。
平川市は市民に対し、雪下ろし作業の注意点の一つとして、命綱の装着を呼びかけている。
ところが、除雪に限らず高所作業がある建設部は命綱を用意していたものの、総務部には配備されず、共用もされていなかった。
斎藤総務部長は、「認識が甘かったとしか言えない」と話した。
今回の事故を受け、市は、雪下ろし作業には必ず命綱を着けるよう、全職員に徹底。
足りない命綱は、今後、購入する予定という。
また、改めて危険と判断した施設は、外部発注を検討している。
他の自治体も、職員の安全対策を見直している。
大鰐町では、命綱の用意がないまま、職員が雪下ろしに当たっていた。
豪雪対策本部を設置した1月25日には、庁舎や廃校舎の雪下ろし作業に職員を募ったばかりだったが、事故を受けて、建設業者に外注することを決めた。
担当者は、「経費の問題もあり、自分たちでやれるものはやろうという考えだったが、危険だと考えさせられた」と述べた。
青森・黒石の両市は、雪下ろしの際は、必ず命綱を着けるようにしている。
黒石市の担当者は、「2階以上の建物に上がることは滅多にないが、引き続き、安全帯とヘルメットの着用を呼びかける」と述べた。
外注している西目屋村も、職員が地上から雪庇を落とす際には事故に遭う危険があるとして、「落雪に注意」、「作業は2人以上で」などと職員に伝えた。
(2018年2月15日 修正1 ;追記)
2018年1月24日3時0分に朝日新聞から、市の雪下ろしを所管する部署に命綱は常備されていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも若干修正した)
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事故を受けて平川市が調査したところ、市が管理する36施設のうち、経費削減を理由に市職員が雪下ろしをしているのは27施設にのぼった。
ほとんどを総務部が担っていたが、同部に命綱は準備されておらず、日ごろから高所作業が多くて命綱を備えている建設部から借りることもなかった。
事故後、市は建設業者などへの外部発注を9施設から25施設に拡大。
命綱やヘルメットなど30セットを新たに購入し、公園のトイレなど危険性が低い場所でも着用を義務づけた。
昨年4月には事故防止マニュアルを作り、作業前に上司が点検すべき項目として、服装のほか、天候や作業時間の上限を定めた。
事故をきっかけに、他自治体も安全対策を見直している。
平川市と同様に命綱なしで職員が雪下ろしをしていた大鰐町や田舎館村は、すべて外部発注に切り替えたり、命綱を新調したりした。
大鰐町の担当者は、「経費はかかるが、事故を未然に防げる」と話す。
市によると、Tさんは事故以前にも現場で作業したことがあったため、現場責任者を任されていた。
所属部署に命綱は備え付けられておらず、事故防止マニュアルも当時はなかったため、捜査関係者は、「上司が事故を予測して命綱着用を指示するべきだったかは、慎重に判断しなければならない」と指摘している。
出典
『雪下ろし事故からあすで1年 平川市職員転落死』
2月14日20時3分にNHK青森からは、安全対策を怠ったとして当時の上司が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月15日付で朝日新聞青森全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
去年1月、平川市小国の3階建ての廃校の校舎の屋上で、雪下ろしの作業にあたっていた平川市管財課の職員Tさんが、下が吹き抜けになっている明かりをとるための窓から、12m下のコンクリートの床に転落し死亡した。
事故当時、Tさんや、一緒に作業にあたっていた平川市の臨時職員2人は、いずれも命綱やヘルメットを着用していなかった。
このため警察は、安全対策を怠ったなどとして、当時の上司だった男性課長(58)と女性係長(44)=いずれも別の部署に異動=を、業務上過失致死の疑いで書類送検した。
2人は、Tさんに雪下ろしを指示する一方、命綱を用意するなど安全面の配慮を怠った疑いがある。
出典
『雪下ろしで死亡 元上司書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20180214/6080000087.html
(修正2)
嫌疑不十分で不起訴になった。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20190226/6080004003.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。